第40話 ツクツク放屁、琵琶放屁

文字数 4,248文字

「オヒフゥッ!」

 グランが陰部と尻穴の両方から指を抜く。
 子宮と腸が引きずり出されるような衝撃に、ユリアはまた獣じみた声を発してしまう。
 その時。
 
 ブヒッ!
 ブブッ!
 ビブッ!

 雷鳴のような破裂音を、シリアの尻が発する。
 放屁したのだ。
 賢者の放屁。

「ああ、オナラしちゃった……。
 男の人の前で、オナラしちゃった……恥ずかしい」

 ユリアが恥辱で泣きそうな顔をする。

「いい音で屁をこくじゃないか。
 一緒にクソを洩らしてないか、確認してやろう」

 グランが顔をユリアの尻に持っていく。

「イヤ! 恥ずかしいからイヤ!
 ユリアのお尻の穴見ないで!」

 ユリアの拒否はグランにとって、いいBGMだ。
 グランは心地よく、ユリアの尻穴を鑑賞できる。

「いい具合に尻の穴が広がったな。
 お陰で、奥までよく見える。奇麗なもんだ。
 今のところ、尻穴にクソがついていたのはミンだけだな」

 当の本人であるミンの方に目をやると、

「ああんっ、イクッ!」

 と、丁度自慰(じい)でイッたところだった。
 イッた脱力で、ミンがしゃがみ込みそうになる。

「ミン、お前等牝奴隷に休息などないと言っただろう!
 気絶するまで、自分の股をイジるんだ!」

「は、はいご主人様!」

 グランに大声で叱責され、ミンは慌てて背筋を伸ばして立つ。
 そして再び、手を股間に持っていく。

「ユリア、他の女に時間を割かれて、嫉妬してるんじゃないか?」

「そんなわけないわ。
 ……私は地獄に落としていいから、ミンは解放してあげて」

 ユリアの訴えに、グランは一瞬、目が点になった。
 直後、腹を抱えて笑ってしまう。

「ハハハッ! 地獄、か。
 本人に聞いてみょう。
 ミン、お前は今、地獄にいるのか?」

「い、いえ、あん、て、天国に、あはん、いま、うふぅん、す」

 自慰に感じながら、ミンが答える。

「聞いたか?
 イチネンボッキは女に快楽と強さはあたえるが、不幸にはしない」

 変わり果てたミンの姿に、改めてユリアは言葉を失う。
 そして、ゾッとした。
 このままでは、自分もミンのようになってしまう。
 自分の欲情とグランの性欲に支配される奴隷に。

「しかし賢者とはいえ、やはり屁は臭いな」

 ユリアはハッとした。
 グランは今、自分の尻の前にいるのだ。
 それも、放屁しばかりの。

「い、言わないで……恥ずかしい。
 あなたは本当に、軽蔑すべき変態ね」

 ユリアに罵倒されて、グランの顔がグニャリと歪む。
 怒ったのではない。
 笑ったのだ。

「それでいい。
 まだイチモツを入れてもいないのに、
 無抵抗になってはツマらんからな」

 そう言った直後、グランはユリアにかけた重力倍加の魔法を解いた。
 長時間、ガニ股だったユリアが崩れ落ちそうになる。
 が、その体をグランが受け止める。

「抱き心地もいいな。
 この体を抱いたまま眠ったら、良眠できそうだ」

「は、放してよ。(けが)らわしい。ウッ!」

 乱暴に顔の下半分を、グランに掴まれる。
 両頬を掴まれたので、口が半開きになる。

「では、その汚らわしい俺の唾を吐いてやる。
 飲め」

 半開きになった口に、グランの口から唾液が注がれる。

「ン、ングググ……」

 抵抗したが、無駄だった。
 まるで体が欲しているかのように、グランの唾液を喉を鳴らして飲んでしまう。

「旨いか?」

「そんなわけ、あんっ!」

 ユリアの答えを待たず、鎖骨をグランに舐められる。
 舌は鎖骨の窪みにフィットし、肌が粟立つほどの快楽を覚える。

「ムギュッ!」

 優しく鎖骨を愛撫されたかと思ったら、固く尖った乳首をつねられる。
 けれど痛みはなく、鋭い快感が脳まで駆け上がる。
 ユリアは内心、グランが仕掛けてくる愛撫に舌を巻いていた。
 荒々しさはあるが、不愉快な痛みは全く無い。
 丁寧さと荒々しさ。
 緩急をつけた愛撫に、(ほう)けてしまいそうだ。
 実際、秘部から愛液は(とど)まることなく溢れ続けている。

「あ、あん……き、急に何なの!?」

 グランはユリアをしっかり立たせると、秘部に人差し指を差し込んできた。

「よし、さすがはスケベ賢者だ。
 立派な濡れ具合だ。
 イチモツを入れてくださいと、体で訴えている」

「か、勝手な解釈をしないで!
 私はあなたなんかに犯され、アアムゥッ!」

 ユリアが生意気な口を叩くと、グランは秘部に中指を突っ込む。

「では、お前は欲しくないのか?
 本当に欲しくないのか?
 指だけで満足なのか?」

「ほ、欲しい……あん、わけない、で、しょ……」

「ほう。これを見てもか?」

 グランが下肢のローブから、イチモツを取り出す。

「ヒッ!」

 ユリアが悲鳴を洩らす。
 自分の前腕より、大きいかもしれない。
 固く勃起したイチモツは、天空さえも貫きそうだ。
 青い血管が所々浮き出て、たくましい。
 血色はいいが、全体的に色素は黒く、落ち着いた風格を漂わせている。
 亀が異常に膨れ上がり、今にも破裂しそうだ。

 ――王だ。

 女であるユリアは、直感的に感じた。
 グランのイチモツも含めたスキル・イチネンボッキは、未だ謎が多いと聞く。
 ただ女にとって、それはひれ伏し、忠誠を誓う「王」だ。
 女体を生贄に捧げる王なのだ。
 そこに理屈は存在しない。

「どうだ? 悪くないだろ?」

 グランが面白がるように、ユリアの顔を覗き込む。
 だがユリアはただただ、イチモツに目を奪われ、言葉など出ない。

「賢者様が、見とれてやがる。
 気に入っていただいたようで、光栄この上なく。
 それでは、焦らすのも失礼だし、賢者様のお股にブチ込むとするかな」

 その言葉で、ユリアは我にかえった。
 この巨大な肉棒を、自分の秘部から体内に入れると?

「ちょ、ちょっと、無理よ。こんな大きいの、入るわけないわ」

「戦いもせずに、逃亡か?
 ヴァルキリーの賢者が?」

 グランが意地悪く指摘する。

「こ、こんな……こんな大きいのと、戦えるわけない」

 ユリアはイチモツの巨大さと、己の膣の未熟さ天秤にかけて怯えていた。
 非常に近い未来、「国」レベルでも太刀打ちできない吸血鬼の大軍と、ここカートン――「街」レベルで戦うことになるのだが。

「クロエもミンも処女だったが、俺のイチモツはしっかり入った。
 まだお前の股の方が、ミンより入りやすいぐらいだ。
 イチネンボッキは、永遠の魔力を保障する精子製造器官だけではない。
 娘を女に、女を牝奴隷にする能力を持つ。
 要は、女をあるべき姿にすることで、ポテンシャルを全て引き出す。
 平たく言えば、女の味方だ」

 説明を終えると、百聞は一見に如かずとばかりに、グランは立位で正面からユリアの秘部にイチモツをあてがう。

「ひぃぃっ、お、お願い、や、止めて!
 死んじゃうわ!」

 先端の割れ目が愛液で濡れた秘部に触れた瞬間、ユリアはヒステリーを起こしてしまう。

「死ぬ?
 違う、逆だ。
 生まれ変わるんだ。
 そらっ!」

 グランが気合いのかけ声とともに、イチモツをユリアの秘部に突き刺す。
 愛液でたっぷり濡れたソコは、巨大なイチモツを丸々と飲み込む。

「あああんっ! い、入れちゃダメ!」

「ダメと言われても、もう入っている。
 お前のアソコ、俺のイチモツがちゃんと入るじゃないか。
 さすがはスケベ賢者の陰部だな」

 グランが下卑た笑みを浮かべる。
 ユリアは人外の巨根が自分の中に入ってきて、パニックに陥っていた。
 普段の賢者らしい、品に満ちた冷静さは微塵(みじん)もない。
 グランはそんなユリアに構わず、ゆっくりと腰を動かし、下から秘部をズブリズブリと突き刺す。

「ああ、いや、う、動かないで、お願い……」

 懇願しながら、ユリアは経験したことのない快楽に包まれていく。
 処女なのに、痛みはない。
 悔しく、恥ずかしいから口に出せないが、ただただ気持ちいい。
 人生で最も気持ちいい。

「こ、これが、イチネンボッキ……」

 ユリアが甘い吐息とともに言葉をはく。

「そうだ。処女であれ傷つけず、快楽尽くしにする。
 ただイチネンボッキの本領は、
 穴に精子を出されて初めて分かってくるがな」

 グランはイチモツを、ユリアの膣になじませるように、ゆっくりと出し入れする。
 ミンほどではないが、程よい締まりの良さがある。
 何より、イチモツに膣壁が絡みついて、射精させようとする。
 名器だ。

「いい性器を持ってるな、ユリア。
 普段は知的でお上品ぶってる割に、陰部は底無しにスケベだな」

「そ、そんなこと言って、ないで、だ、出しなさい……。
 な、何で、あ、あんな、アン、大きいモノが、アン、アン、は、入るのよ……」

 当然の疑問だった。
 百戦錬磨のベテラン娼婦でも、入れるのは難しいほどの巨大さなのだ。

「それもまた、イチネンボッキの能力だ。
 女体が持つ神秘の力を、無限に引き出す。
 だから、処女は関係ない。
 処女でも、スケベ女としての能力は秘めているからな。
 女はイチネンボッキで引き出された能力で、
 強さと快楽を得られる。
 そんな女を犯して、男は楽しむ。
 正に、性交の神だ」

 言うなり、グランが一気に腰を激しく振る。
 イチモツが高速で秘部を出入りし、ヌルヌルとした愛液が残尿と混じってビュッビュッと勢いよく飛んでいく。
 性交の神……。
 確かに、今までユリアが信仰してきた神々より、圧倒的な存在感を放っている……いけない!
 ケダモノのような魔法使いに犯されて、本当の神々を否定してしまうなんて!
 聖女にあってはならないことだ。
 聖女……ユリアはグランに挿入された時点で、すでに聖女ではない。
 処女ゆえの神の加護も、もう受けられない。
 けれど。
 けれど、何?
 激しく下腹部を突かれながら、体の底から力が(みなぎ)ってくるのが分かる。
 それは、まだまだ弱く、種火レベルだ。
 だがその種火は、これまでのどの祈りよりも、股間からユリアを明るく照らしてくれた。
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