第10話 乙姫を告発
文字数 1,303文字
社食に娯楽映像を流すコントロール・ルームに、小梅、美鈴、浩太の3人がいる。小梅が、カメラを自分に向けて、映像のスイッチを入れる。
マイクを通して、小梅たちに伝わってくる。
美鈴がカメラの前に加わる。
話している映像を、そのまま流す。
あなたは、「浦島太郎」役で、成功しなくて、いいのですか?
『桃太郎』、『一寸法師』、『聞き耳頭巾』と、重要な
昔話を3つも続けて成立させ、勢いに乗っているのですよ。
ここで、『浦島太郎』を成立させたら、大スターの仲間入りです。
でも、ここで、失敗したら、また、冴えない脇役生活に
逆戻りかもしれません。
『屁こき嫁』を演じていた
美鈴さんが、ワイロを取り損ねた乙姫の子分の手で下剤を
飲まされ、空砲でなく実弾を撃つハメになり、「機構」から処分されました。
こういう逆恨みをされては、公開しない予定だった映像を公開しないわけにはいかないと考えて、今の映像をお見せしました。
過ちを犯したと言っても、仲間だからです。
でも、これ以上被害者を増やさないために、名前を、明かします。
全ての黒幕は、M2119・沙紀さんです。