第78話  甘えん坊なお姉ちゃん

文字数 2,785文字

【赤木】

えっ? 君が?

うん! 一緒にやっていい?

 赤木や名谷。魚住や知らない男の子も、僕の近くに集まって相談していた。

 暫くして魚住が「いいの?」と聞いてくるので僕は笑顔で返していた。

【魚住】

危ない。よ? 当てられちゃうかもしれないし

気にしないでいいから。やりたい

 するとみんながOKを出してくれた。
 やった。僕も一緒に出来る。


 標的は決まっている。赤木だ!



 早速投げ合いが始まった。だけど……相手チームはみんな僕を狙ってこない。

 チラチラ見られてるけども、僕に対して投げてくる奴はいなかったんだ。

そりゃそうだろ。

知らない女の子に対してボールなんて投げないに決まってる。

 そんな時に、こちらチームの魚住が僕にボールを渡してくれたんだ。

 僕は笑顔を見せると「ありがとう」と返した。


 今は華凛だから、嫌な奴でも普通に接しないとね。

 僕はここぞとばかりに赤木にボールを投げ込んだけど、上手くキャッチされてしまう。
 
 すぐに僕に投げ込んでくる。一番前に出てるのは僕だったから。

 そう思ったけど赤木はギリギリで照準を変えると、ボールに当たった魚住が吹き飛んでしまった。

【魚住】

いって~。あんだよお前~。あの女の子狙えよ!

【赤木】

……いいだろっ! お前のが隙だらけだっただろ?

【名谷】

なに? 赤木。女の子狙えないのか?

【赤木】

うるさい! お前ら倒す方がおもしれーんだよ

【魚住】

あの子の事好きなんじゃねーの? あれだ。一目惚れ?

【赤木】

やめろよ! うぜーぞお前っ!

 赤木がみんなに言われてるのが凄く面白かった。

 ボールを当てるよりも遥かに面白い。

【魚住】

あのさ。アイツやっつけてよ

うん!
 魚住はまたボールを渡してくれた。今度こそやってやる!
  
 だけど真正面でまた取られる。そう思ったのに……
 僕のボールを弾くと、あっさり当たってしまう。

【魚住】

うそだろ赤木! 絶対今のワザとだろ!

【赤木】

違うって! 結構早いんだって

【魚住】

うっわー赤木って優しいんだ。女の子だけに

【名谷】

こいつ赤くなってんぞ! ふはははっ

【赤木】

うっさい!

 赤木がキレた。めちゃくちゃ怒ってる。

 同じチームの名谷にボールを当てたり、向こうは大混乱だった。

【名谷】

じゃあお前やってみろよ。全然あの子に投げてないし

【赤木】

分かったよ! やってやる!

 あ、僕に投げる気だ。ちょっとむくれ面を見せる赤木は僕に対してボールを投げてくる。



 だけど……

【魚住】

何だよ今の球は。超おっせー!

 魚住の言う通り、ボールは山なりに飛んできて、僕はアッサリとキャッチしたのだ。

 これには男子全員が笑いまくり、爆笑だった。

【赤木】

もういいっ! 帰る! つまんねーこんなの!

 赤木は凄い顔で怒りながら帰ってしまった。

 それでも他の男子は笑い転げて、赤木を笑い者にしていた。

【名谷】

もう五時半か。そろそろ帰ろうかな?

 名谷がそう言うと、ドッジボールは解散となった。

【魚住】

ねぇ君。ま、また、遊ばない?

 そう声を掛けてくれたのは魚住だった。

 すると今度は他の男子が魚住をからかい出したんだ。

 

 ナンパしたやら、好きになったとか、ボコボコに言われてるけど、魚住自体もにこやかに笑っていた。


 

うん! また遊んでよ。じゃあね

 うぉ~~っと歓声が上がる中、僕はお姉ちゃんとももまろの方に向かって走っていた。

 後ろを振り返ると、みんな手を振ってくれていた。

お前やるじゃん。ビックリしたぞ。結構話せるようになったんだな
……うん

 そう言われると無性に嬉しくて、お姉ちゃんに抱きついていた。

 ついでにまろを抱きかかえると、ほっぺたスリスリしてあげる。


 実際凄く楽しかったし、僕はずっと笑顔だった。

まぁ楽しけりゃなんでもいいさ。帰ろう。
おんぶ
お前なぁ……
 何だか。お姉ちゃんとくっ付いていたい。
 すぐに背中に飛び乗ると、ちゃんとおんぶしてくれる。
でもな華凛……
何?
……いや。まだいいか。お前が楽しければ、それが一番大事だしな

 何か言おうとしたのか、ちょっとだけ眉尻が下がってるお姉ちゃんは、ぱっ

と笑顔になると、急に走り出した。



もも。まろ! 急いで帰るぞ! ダッシュだわ~お

 おんぶしながら走るお姉ちゃん。
 凄い速さで、すっごい楽しいんだよ。

 家に帰ると、今日は久しぶりにお姉ちゃんとゆっくりした。
 ご飯を食べて、一緒にソシャゲーをしてたり、仲よく遊んでいた。


 ただ、お風呂は一緒に入らない。
 だって僕の身体はアザもあったし、見られるのは嫌だったから。



 それよりも……気になるのが……
 お姉ちゃんはいつもよりも身体にくっ付いてくるんだ。

 前からお姉ちゃんは、ピトって背中にくっ付いてくるけども、今日はとても激しい。

どうしたの?
え? なに?

 何だかクネクネしたりして、美優お姉ちゃんみたいだ。

 膝に乗せられてソシャゲーやりながら、後ろからくっ付いてきたり、ゲームがやり難いから。 

 僕はお姉ちゃんのいない隙に、聖奈お姉ちゃんに連絡した。

 今日のお姉ちゃんは変だって。何かあったのかな? って思ったんだ。

 すると返事が返ってきた内容は、

たまにはいいんじゃない? 妹が恋しい時もあるわよ

 今日のお姉ちゃんは異常だよ。だってめちゃくちゃ頬っぺたにキスしてくるんだもん! 
 まるで本当の女の子みたいだ。

なぁなぁ。このクエストもやろ~ぜ~。
 そう言いながら僕の膝に頭を乗せるお姉ちゃん。
 お、おかしすぎるよ。
うん。わかった
やった。わぁ~~い

 こんなお姉ちゃん。人には絶対見せられないよ!
 一緒にいる僕の方が恥ずかしいから。 


  
 今日も僕の部屋に来るお姉ちゃん。一緒に寝ようって可愛く言われると、僕だって断れない。本当は虎にぃとラインするつもりだったけど、このままじゃ一緒に寝ちゃいそうだ。


 おっぱい揉んでも何も言わないし。いつもなら「やめろ」とか言うのに。それでもずっと触ってると、何か我慢してるみたいな顔になったので、触るのをやめた。

甘えんぼうお姉ちゃん
うんうん。たまには華凛がとっても愛おしく感じる日があるんだよ
 そーいう日も確かにあるよね。僕もあるよ。
 だけど今日のお姉ちゃんは今までよりずっと激しいんだ。
 
今日。お前が男の子と遊んでて……嬉しかった
 それで嬉しかったのかな?
楽しそうにやってたから、お姉ちゃん泣きそうになったもん
 お姉ちゃん……そんな今にも泣きそうにならないでよ。
 まるで自分の事のように、言うから……
華凛。学校は……ど、どうだ? 何もないのか?
うん。大丈夫
……そっか

 お姉ちゃんは僕をギュっと抱きしめると「寝よう」と言うので僕も目を閉じると、お姉ちゃんに抱かれながら、眠りにつこうとした。




 早くしなきゃ。ちゃんと正直に話したい。

 待ってて。明日には……全部決着をつけるから。
 

――――――――――――


5章終わり。


次回、凛視点のみの。登場人物紹介。

 

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介


 ★登場人物でも若干のネタバレを含みます。第一部からお読みいただきますようよろしくです。

 ★逆に第二部の登場人物を先に読んでから、第一部をお読み頂きますと、別の意味で楽しめます。

 

 ★読者視点は神視点。登場人物の心の声も聞こえます。(フキダシの色がこの色)

 ★ 黒澤 蓮 くろさわ れん


 本編の主人公。高校一年

 男女入れ替わり体質。
 
 弟の凛と共に、新天地で新たに生まれ変わろうと、楽しい学校生活を送ろうとする。友人作りに重きを置き、人との付き合いにはとても慎重である。


 自分自身の事よりも、仲間の為ならば凄まじく有能になる。

 ★ 白峰楓蓮 しらみね かれん


 蓮の女性の姿。類稀なる美少女だが本人にはあまり自覚がない。


 外部には黒澤家の親戚(蓮の姉)となっている。

 楓蓮では世間との関わりあいを最小限にしてきたが、徐々に一人の女性として目覚め始める。

 

 自分を理解してくれる人間が増えるたびに楓蓮は飛躍的に成長してゆく。  

 ★ 黒澤 凛 くろさわりん


 小学校六年生

 男女入れ替わり体質。

 

 兄である蓮を慕い、とっても素直で女の子のような性格。
 ことある毎に兄に甘えてしまい、いつまで経っても、子供のままなので、蓮は凛の将来をとても心配している。

 

 二部中盤で凛オンリーの章があります

★ 白峰 華凛 しらみねかりん


 凛の女性の姿。

 外部との接触が無いので、彼女の存在を知るのは黒澤家の秘密を知るものだけ。

 楓蓮と違い、おしゃまさん。

★ 黒澤 玲斗 くろさわ れいと

★ 白峰 麗華 しらみね れいか


蓮や凛のお父さん。ただいま遠方で仕事中。

麻莉奈や平八。ティナとは大親友。


後半から再び登場します

★ 美神聖奈 みかみせいな


 高校で蓮と同じクラスとなる。実は小学四年生までの幼馴染。

 容姿端麗。成績優秀。運動神経抜群。リーダーシップ抜群。お金持ち。


 高校当初から蓮と関わりを持ち、お互いに影響されてゆく。無二の親友?

 記憶喪失だったが、徐々に昔の事を思い出してゆく。


 二人目の主人公。

★ 平八 へいはち 


 聖奈専属の運転手。

 黒澤家の秘密を知っており、蓮の親である麗斗(れいと)とは旧知の仲

 おっぱい職人。ツイッタのフォロワーは10万以上の有名人。

 作中でも最強だと言われるが……

★ 白竹 美優 しらたけ みゆう

 

 男女入れ替わり体質

 蓮と同じクラスとなる。ピンクの髪が目立つ美人。とても内気で、語尾が変になる。

 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は魔優と入れ替わっている

 歌が上手く、全国でも有名な絵師でもある。(エロ同人が本業)

 

 三人目の主人公。 

★白竹 美樹 しらたけ みき


 白竹美優の男性の姿。

 外部では白竹魔樹と名乗っているので、彼を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で厨房担当したり、サイクルの都合上、学校でも魔樹として振舞う。

 男の子の身体で遊ぶのが大好き

★白竹 魔優 しらたけ まゆう


 男女入れ替わり体質。

 外部では白竹美優と名乗っているので、彼女を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で接客担当。サイクルの都合上、学校でも美優として振舞う。

 心の中は女の子なので、こちらが真の姿となる。

 四人目の主人公

★白竹 魔樹 しらたけ まき


 魔優の男の姿。外部に知られているのは魔樹である。

 蓮の隣のクラスで、常にクール。成績も良く、空手や合気道を習得。

 学校内では魔樹王子と呼ばれるほどモテる。


 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は美優と入れ替わっている

 乙女ゲー大好きのツンデレ。

★白竹 麻莉奈 しらたけ まりな


美優。魔優の母。入れ替わり体質。


とてもピアノが上手く、蓮はプロの犯行だと断定。

双子の母だけあり、とても美人だが色々とヤバい人。

男の姿は、でかい上にマッチョらしい。


★ じいじ


 白竹家のおじいさん。喫茶店のオーナー。

 小太りでツルっぱげ。チョビ髭が可愛い。

 厨房担当で楽しい事があると、その場でクルクル回りだす。

★ 染谷龍一 そめやりゅういち


 男女入れ替わり体質。

 蓮と同じクラスとなり、前の席という事で付き合い始める。

 わりと積極的で、クラスでも人気がある。

 楓蓮に一目惚れし、ずっと彼女を追い求める。

 オムライサーでありポニテマニア。

 

 五人目の主人公

★山田 龍子 やまだ りゅうこ


 龍一の女性の姿。

 楓蓮を追って同じ喫茶店で働く事になる。全国でも有名な山田組の人間。

 ケンカが強く、蓮も認めるほど。

 楓蓮に近づく男を排除しようとする俺っ子。

★山田 虎子 やまだ とらこ


男女入れ替わり体質。龍一の弟(妹)

全国統一を夢見る女の子。既にチームを結成しており、チームヴァルハラと名づける。

口調はキツいが、兄弟には頭が上がらない。

デコトラならぬデコチャリで街中を暴走する。

★染谷 翔一 そめや しょういち 


男女入れ替わり体質。龍一の兄(姉)

龍一が恐れる唯一の兄貴。百人でかかっても勝てないらしい。

ただいま、新婚生活真っ最中。

★染谷 桜 (そめや さくら)


 翔一の奥さん。普通の人間。

 とても清楚で大人しそうな美人だが染谷三兄弟は彼女に対し頭が上がらない。

 翔一を女らしくする為、日々調教中。

★百済 紫苑 くだら しおん


 高校二年。軽音部。実家はソッチ系統の百済組。

 楓蓮達と一緒に喫茶店でバイトを始める。関西弁ちっくな喋り方だが、とても優しく後輩想い。

 蓮の同じクラスである、米山まゆこと、坂田沙織は小学校からの付き合い。

 マイブームはマジョリーナちゃん(ミニチュアダックス)を可愛がる事。

★坂田 沙織  さかた さおり


 高校一年。蓮と同じクラス。

 いつもニコニコ。おっとりとした口調でマイペース。

 紫苑と同じ軽音部。ベース担当。

 親が犬のブリーダーで楓蓮に二匹のダックスを譲る。

★ 西部

 蓮と同じクラス。

 事あるごとに蓮に絡んでくるが、その目的は聖奈や美優と接点が持ちたいが為である。

 ツイッター名では「モントゴメリー」。おっぱい職人を神と崇める。

★真鍋

 蓮と同じクラス。西部の友達。

 頭は良く、テストでも上位だが、彼もおっぱい職人を神と崇める。

 ツイッター名は「穴バースト」

★米山 まゆこ (だんじりバージョン)


 蓮と同じクラス。坂田とは昔からの親友で、紫苑は先輩に当たる。

 魔樹王子にベタ惚れてしまい、蓮に紹介してもらえるよう頼んだ。

 バスケ部所属。一年なのに相当の実力を持っている。

★ 三輪 加奈子 みわ かなこ

 

 蓮と同じクラス。坂田沙織の友達で幼稚園からの付き合い。

 男の子同士がホニャララするのが好き。

★ 清原 愛美 きよはら まなみ


 魔樹と同じクラス。米山まゆこと中学時代からの付き合い。

 ちなみに魔樹王子と呼び出したのはこの子。

★ 梶谷


 蓮と同じクラス。西部の友達で小学生からの付き合い。

 バスケ部所属。一年でレギュラー筆頭。

★高坂


蓮と同じクラス。梶谷の友達。

ギャルゲーのアイドルプリンセスをこよなく愛する男の子。

★ 鼻


楓蓮が命名。

その昔、蓮にケンカ売ってきたり、美優をナンパしたり、ろくでなし男であったが楓蓮や龍子にボコられる。だが楓蓮に鼻を治してもらったと勘違いしている。

楓蓮に殴られてから、とんでもなく優秀な男へ変貌する(だがケンカは弱い)

★ヴァルハラメンバー 


 只今メンバーは八人。

 虎子率いるチームヴァルハラメンバー。俗に言う不良だが、楓蓮。龍子。虎子には従順。

 実は全員イケメンレベルだが、とにかく頭も弱く、ケンカも弱い。

 NO表示されており、変なヤツが混じってます。 

 竜王 冴子 りゅうおう さえこ


 高校一年。西部曰く、彼女と美神聖奈。白竹美優を三大美女認定している。

 いつも笑顔。とても愛想が良い彼女だが……

 王二朗曰く、超危険人物。鞄にスタンガンを隠し持ち、女の子を襲うらしい

★ 播磨 王二朗 (はりま おうじろう)


 高校一年。竜王冴子と共に登場。190センチの巨漢であり極道顔。

 とてもじゃないが高校生には見えない容姿に、シルエット姿となっている。

 警官とエンカウントすると、ほぼ職務質問されてしまう。

 ゴリラのモノマネが神がかっている。

★竜王 将哉 りゅうおう しょうや


 萌ゴリと共に現れた男性。とてもイケメンだが萌にナンパーマンであると暴露されてしまう。萌は恋人だと告げるが……楓蓮は最初から将哉を警戒する。 

★稲坂 萌 いなさか もえ


 楓蓮が早朝マラソンに出かけた際に知り合った女性。

 巨漢で筋肉質なので、楓蓮は男だと勘違いするほど。

 とても気さくでしゃべりやすい印象を受けた萌ゴリ。ちなみにラッキースケベ体質。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色