11 引き返す
文字数 1,114文字
勝也の心臓の鼓動が早くなってきた。
彼は必死で平静を装った。
彼は必死で平静を装った。
勝也の顔が真っ赤になった。
お、俺も傘の一件があってから、ちょっと気になって、まあ、キミと同じかな。
あの子は、本が好きなのかな、それともただ仕事で本屋にいるのかな、とか、なんで俺が本好きじゃないと不機嫌になるのかな、とか、いろいろ気になってた
あの子は、本が好きなのかな、それともただ仕事で本屋にいるのかな、とか、なんで俺が本好きじゃないと不機嫌になるのかな、とか、いろいろ気になってた
勝也は視線を斜めに落とすと、しばらく黙り込んだ。
そして大きく息を吸い込み、ようやく口を開いた。
そして大きく息を吸い込み、ようやく口を開いた。
勝也はバス停へと歩き出した。
由希乃の顔がみるみる歪んで、口がへの字に曲がっていった。
怒った由希乃は、バス停へと走り去っていった。
小さくなる由希乃を見つめながら、勝也は唇を噛んだ。