黄金のハリケーン
文字数 2,294文字
警察から連絡が入る。
「河川公園にて竜也を発見
天気は雨であるが、ずぶ濡れ状態で立っている」
と……
雨が降って誰もいない公園にずぶ濡れになりながら、竜也が立っている。
その周囲には水の龍が雨の中を漂っている。
「バカじゃありません! 桜撫子です!」
「そしてあなたは負けます!」
「あなたの行いは、あたしと篝さんの心に火をつけました。 ……力が及ばなかったばっかりに散った無念を教えてもらいました!」
「だから、あたしが、あたし達が、最強です!!」
「篝さん! 全力全開でいきます! 援護お願いします!」
「なでしこ流奥義!」
その小さな身体から膨大な気が噴き出し、右手に宿る
「空よ開け! 天 空 快 晴 拳 !!」
天に突き上げた拳から放たれた気弾(ビーム)が分厚い雨雲を割り、一帯の天気を強制的に快晴にする
「アロンダイト! ランス、コントロールは任せた!」
力に任せてアロンダイトを振り回し、暴力を伴った竜巻と化す。斥力で水も吹き飛ばす。
その動きでも的確に敵に向かっていくようランスロットが舵取りする。
能力4:なでしこ流奥義 [気操術]
能力3:騎士盾『ランスロット』 [装備]
能力2:聖剣『アロンダイト』 [魔剣]
篝の加護をうけた撫子のパワーに水の竜が四散する。
「さてと、俺の能力を見たいって言ってたな」
結界を張り、足場を……最適な足場を組み上げる。
「……本当は後に残すつもりだったんだけどな。ま、派手じゃないけど見せてやるよ」
ヒルコは静かに佇み、先(みらい)を歩もうとする篝に力を与える
「……行くぞ!!」
そう言った刹那、姿が消える
……いや、消えたように認識しただけだ
能力4:未来を掴もうとする者[感情]
その神髄は選び抜かれたたった一つの未来を手にする事。
誰も未だ生きることの出来ぬその先を歩むこと
「それは速さでもない、遅さでもないあるべき位置にはいない、慣性も理解すらも追いつけぬ、その先を歩むその力」
すでに、彼は竜也の眼前に迫っている……、いや、それすらも篝に取っては刹那前の事なのだ。
「これが・・・俺の奥義!!」
竜也が攻撃するよりも先に、世界が認識するよりも先に
篝はすでに竜也の後ろに回り両腕両足に向けて死なない寸前の攻撃を繰り出していた。
+能力3:ヒルコ [守護神]+能力2:礎の結界 [結界]
「あたしでも見えない攻撃・・・なんかよくわからないけど、篝さん、すごい!!」
「あたしも行きます! なでしこ流奥義!」
遠距離でアロンダイトを上段に構えて一線。
「龍・気・斬!!」
斬撃から放たれた膨大な気の奔流が篭手のサファイアを襲う。
能力4:なでしこ流奥義 [気操術]
「……そこに俺はもういないんだよ」
既に彼の退路を選定し回り込んでいた篝は刃を納め構える
「失ったら取り戻せない、その痛みを知れ」
拳を握りヒルコの力を借りて思いっきり打ち込む
能力4:未来を掴もうとする者[感情]
能力3:ヒルコ [守護神]
能力2:礎の結界 [結界]
気を失い、魔力を宿した宝石も粉々に砕け散った。