(三)-2

文字数 265文字

 途中、ガタンガタンと揺らされ、恐らく空港の保安検査場を通ったのか、もしくは預け入れ荷物として預けられたりしたのだろう、そこでX線を浴びることになった。まあ、一瞬のことであったので、あまり気にはならなかったが。

 そして再び世界を見ることができたのは、翌日だった。そこは伝統ある町並みのベルギーではなく、アメリカのフィラデルフィアの彼の家であった。
 朝、サムは寝室で私をスーツケースから取り出すとダイニングへやってきて、朝食をとっている彼の妻と娘のメアリーの目の前に「メアリーにお土産だよ」と言って私をテーブルの上に置いた。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み