第8話 学園生活リスタート!

文字数 2,520文字

 たいあっぷ学園での生活も一週間が過ぎた。
クラスメイトとも順調に仲良くなって、クラスの雰囲気はいい感じだ。
そんな中、学園中ではとある謎の男性の噂が広がっていた。
「知ってる? ナニモシナイマン」
「知ってる知ってる」
「覆面で顔が隠れてるけど結構イケメンっぽいよね」
「助けてナニモシナイマンって助けを呼んだら、本当に一瞬で来るらしいよ」
「でも助けを求めても何もしてくれないんでしょ」
「でもなぜか大人気らしいよ」
「へー、世の中何がバズるかわからないね」
 私はとりあえずドゥイッターでサーチしてみたが、確かにたまにトレンド入りしてるし、
有名なのは間違いないようだ。
何々、報酬は受け取りませんが、往復の交通費は請求します。最寄り駅が大阪の瓢箪山なので、北海道や沖縄の方はお気をつけください……だって。
瓢箪山なら結構近いから、往復600円でいけるんじゃない?
今度呼んでみようか? あ、でも冷やかしで呼ぶのはやめてくださいって書いてあるよ。
人気者みたいだから、忙しいんでしょ。
エリイは会ったことある?
ありませんわね。
 ホームルームの時間になり、茶羅先生が入ってくる。
茶羅先生は重度のカフェイン中毒なのが先日バレたので、もう開き直ったのか、マイボトルを教室に持参している。
ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ
ぷはあっ、生徒諸君。最近ナニモシナイマンというよくわからないヒーローが活躍しているのは知っているな。
ゴクッ ゴクッ ゴクッ
興味本位でナニモシナイマンを呼び出す生徒がいるかもしれないが、先に言っておく。ナニモシナイマンを呼び出すのは自粛するように!
 私は挙手して先生に質問する。
先生、理由を教えて下さい。何もしないんだったら、安全じゃないんですか?
確かにナニモシナイマンは、女性と一日過ごしても何もしないことに定評のある紳士だ。だが先日の毛堕者学園来週事件の件で、わが校はマスコミに注目されている。これ以上目立った行為をすると、理事長がまたストレスでご乱心する可能性が高い。わかってくれるな?
 私たちは理事長の廃校発言を思い出す。
うん、確かに余計な事はしないほうがよさそうだ。
返事は!
わかりました!
オーケー! いい子だ! あともう一つお知らせがある。3日後に大阪から転校生が来る。名前は天下茶屋紅丸(てんがちゃやべにまる)だ。みんな、仲良くしてやってくれ。
はーい。
 そして授業が終わり放課後。
紅丸って子がすみれのルームメイトになるの?
そうみたいね。ペースブックでサーチしたら、出てきたから友達申請した。
顔写真は?
 すみれはスマホを私に見せる。天下茶屋紅丸はとても人懐っこそうな笑顔が素敵な女子だった。
へえ、なんかいい子っぽそうじゃん。
そだね。メッセで話せないかちょっと聞いてみる。
すみれがスマホを弄っていると、校内放送が流れる。
 一年の高尾ナツさんと白銀エリイさん。至急理事長室まで来てください。
え? 何? 私何か悪いことした?
何も覚えがありませんわね。
 私たちはとりあえず理事長室の前まで来て、扉をノックする。
失礼します。
よく来てくれました、高尾ナツさん、白銀エリイさん。とりあえずそこのソファに座りなさい。
はい。
 うーむ、何も怒られるような事はしていないはずだが……。
つい最近報告を受けたのですが、高尾ナツさん、入学式の時に白銀エリイさんを守ってくれたそうですね。
あ、あれですか。もしかしてまずかったですか?
いえ、むしろ感謝しています。エリイさんを守ってくださってありがとうございます。
いえいえそんな。当然のことをしたまでです。ね、エリイ。
はい、ナツさんは命の恩人ですわ。
本題に入ります。今世間は空前の百合に挟まるムーブメントが起こってます。なので私たち女子高は不埒な集団に非常に狙われやすい状況になってます。毛堕者学園のように合法的に生徒を引き抜いたり、また暴力的な手段に訴える者もいます。高尾ナツさん、あなたは異世界帰りと聞きました。その力を是非お借りしたいのです。
は、はあ。具体的に何をすれば?
暴力的な手段で訴えてくる集団から、生徒たちを守ってほしいのです。
……うーん、私一人で大丈夫でしょうか?
もちろんナツさん一人ではありません。実は3日後に転向してくる天下茶屋紅丸さんは、ナツさんと同じ異世界帰りなのです。
あ、そうなんですか。
はい、こちらも自衛のために逐次戦力は増強します。もちろんナツさんにも報酬は存分に支払います。どうかわが校を不埒な輩から守ってほしいのです。
 私は即答した。
任せて下さい。誰が来ようが、私がワンパンでやっつけますので。
ありがとうございます。
 理事長は私の手を両手で握ってくる。
思ってもみなかった展開だが、まあいいだろう。
 理事長室を後にすると、エリイが私に話しかけてくる。
さすがはナツさんですわ! 理事長に認められるなんて!
まあ責任重大だけどね。
私も何かお役に立てればいいのですが……。
うーん、まあ餅は餅屋って言うから、戦いは私に任せて。エリイは芸能人なんだから、そっちの方面で私を助けてくれればいいよ。
わかりましたわ!
 その頃、先日たいあっぷ学園を襲撃した移動式要塞毛堕者学園の理事長室では、挟稀が、謎の集団に尋問を受けていた。
挟稀、君には大いに失望したよ。
まったく。ベンチャー学園一つすら落とせないとは、なんたる失態。
も、申し訳ありません!
君はどうもスマートに物事を進めすぎるきらいがあるな。
まあいい、こうなれば次の手を打つだけだ。
君にはしばらく謹慎を命ずる。
ははあっ。
 挟稀は逃げるように理事長室から退室した。

 理事長室にいるのは、今日本で百合に挟まるムーブメントを仕掛けている裏結社の重鎮。
結社の名前は、YH4VH《ヨハウェ》。
その頂点に立つ四天王が今ここに勢ぞろいしている。
(サンドイッチ)
(バーガー)
(ホットドッグ)
(タコス)
 四天王はお互いをコードネームで呼び合っている。
その一人、バーガーが口を開いた。
先ずは俺がたいあっぷ学園に潜入しよう。
うむ。何日あればいい?
一週間もあれば十分だ。
ふっ、さすがはバーガー。強気だな。
 バーガーは不敵な笑みを浮かべる。
たいあっぷ学園は再び、最大の危機を迎えようとしていた。
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登場人物紹介

高尾ナツ

槍ヶ岳すみれ

白銀エリイ

天下茶屋紅丸

五十嵐シロップ理事長

黒服

茶羅一茶

挟稀

高尾ななみ

ナニモシナイマン

サンドイッチ

バーガー

ホットドッグ

タコス

グレックス将軍

魔王

女神ちゃんぽん

ソフィア

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