第15話  魔の連休 史有

文字数 334文字

史有は慌てて由瑞に電話を入れる。衛星電話をレンタルしたのだ。
由瑞は出ない。
「・・・何やってだよ」
史有は焦る。
阿子が力んでいるのが見えた。うんうん唸っている。
史有は電話を耳に当てたまま阿子に言う。
「あっ、止めろ。阿子。今うんこをするな」
史有はおむつに鼻を近づける。
「うわっ。くっせ。阿子。うんこしたな。また、こんな時に。・・・もう、勘弁してくれよ」
史有は慌てておむつを取り替える。
阿子のお尻を綺麗にすると手を洗った。
阿子を抱っこ紐で括り付けると、玄関に「神社にいる」と書いた紙を貼って鍵を閉めた。
家裏に回る。
柵の鍵が開いていた。
史有は舌打ちをする。
「ったく!婆ちゃん、閉め忘れたな」

史有は庭に回った。神社には由瑞が居るはず。
鳥居をくぐると猛ダッシュで階段を駆け上がった。
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