明日香さん!松山さんを守れなければ許しません・・・

文字数 768文字

 捜査会議の資料を読んだ。
 わたし、蘭さんの顔を見た。
 ドラゴンコンツェルンという大きな会社について、警察が捜査してるってのはよく分かった。
 でもそれが、わたしや洋ちゃんになにか関係あるの?

 「明日香さん!」

 蘭さん、キッパリと言った。

 「ドラゴンコンツェルンは、あなたや松山君に大きく関係があるんです。
 いいですか!
 それを忘れないでください」

 わたし、まだ蘭さんの言葉の意味が分らない。
 蘭さん、わたしのこと、じっと見ている。
 なんだか、責められてるみたい。どういうことなんだろう。
 急に蘭さんが、窓ぎわに行った。
 窓の外を見つめている。
 いつもと違って厳しい表情だった。

 「松山さんの部屋が見えます。電気がついています」
 
 わたしも窓に寄ってみた。
 見えたのは、洋ちゃんの部屋の窓だけだった。
 洋ちゃんの姿は見えない。

 「いますぐ、あの部屋に行きたい」

 わたしの本心。

 「わたしもです」

 蘭さんがつぶやく。

 「えっ」

 蘭さんがなんでそんなこと言うんだろう?
 蘭さんは、さっさと窓から離れた。
 
 「明日香さん。一生懸命、松山さんを守ってください。
 松山さんが傷つかないように・・・
 そして・・・」

 蘭さんが真剣な顔をしている。
 わたしも気持ちが引き締まる。

 「松山さんが生命(いのち)を落とさないように・・・
 必ず守ってください」

 蘭さん。なんで急に、そんな恐ろしいことを言うんだろう。
 
 「そんなことになったら許しません。
 明日香さん。
 あなたを絶対・・・
 わたしの言葉。
 よく覚えておいてください」

 蘭さんはそう言って、わたしに背を向けた。

                                      第一部 終



 to be continued!!!!!・・・・・・・????? ・  ・  ・  ・  -  -  ー  -
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

高城サキ 《たかしろさき》  名門女子校・王道女学園二年。『王道女学園振興会』会長。JK起業家。『JKカンパニー』会長。父親は有力国会議員。


「ごきげんよう。生徒会長。

 いいこと教えましょうか。

 基本、わたし・・・生徒会長のこと、大キライなんです。

 分かります?」

「IQの低いおじさん。

 分数分かる?九九は?

 可哀想なおじさんはね。

 もうすぐ死んじゃうんだよ」


井上明日香《いのうえあすか》 名門女子校・王道女学園二年。生徒会長。松山洋介の幼馴染。


「洋ちゃんはね。離れていたって家族と一緒。

 だから友だちといてもね。

 最後は洋ちゃんとこへ帰ってくるの」




蘭美莉《ランメイリー》 台湾からの留学生。父親は公安幹部。

「松山さん。純愛ドラマは、

 ハッピーエンドって決まってるんです。

 加油!我的最親愛的好朋友(負けないで。わたしの一番大切な人!)」

進藤早智子《しんどうさちこ》高城サキの秘書。眼鏡美人。

 「会長。松山君に暴力をふるうのはやめてください。

 松山君の言っていることが正しいんです。

 それは・・・会長が一番、よく知ってるはずです」

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み