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エピソード文字数 709文字

 ――その時、倉庫のシャッターがガタガタと音を立てて開いた。そこに1人の男のシルエットが浮かび上がる。

 男のシルエットはコツコツとこちらに歩み寄る。女達は直ぐさまシャッターを閉め、木刀や金属バットを振り上げ、新たな標的を見据えた。

「あざみ、やっぱりお前か。逆恨みはよせ。紗紅達を返してもらうよ」

「信也!どうしてここが!」

龍刃(りゅうじん)連合の後輩から連絡があった。じきに龍刃連合も集結するだろう。お前のやってることは犯罪だ。俺が憎いなら、この俺を殺れ。黒紅連合も紗紅も関係ねぇ!」

「犯罪?上等じゃねぇか。お前が元龍刃連合の赤鬼か。この女は俺がもらったんだ。お前には渡さねーよ」

 男がジャンパーのポケットから、サバイバルナイフを取り出す。

「お前は……雷竜会(らいりゅうかい)野口(のぐち)

「龍刃連合の赤鬼と呼ばれたお前が、今は修理工場の従業員だって?俺達の組に入れば、そんなことしなくてもいくらでも金は稼げるぜ。これからはこの女達がバンバン稼いでくれるからな」

 男は嘲うように、あたしを蹴飛ばす。

「……うっ」

「紗紅!」

「黙って女を渡すなら、今回は見逃してやる」

 信也は床に転がる角材を手に取り、怒りに満ちた目で男を見据え、刀のように角材を構えた。

 ――と、その時……

 地面をドンッと突き上げるような、激しい縦揺れが起こり、女達が悲鳴を上げ逃げ惑う。

 小さな横揺れが次第に大きくなり、倉庫に積まれていた廃材が、ガタガタと崩れ落ちた。

 倉庫の床にピキピキと亀裂が走る。床のコンクリートはひび割れ地面が隆起し、窓ガラスはバリバリと音を立て砕け散る。
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登場人物紹介

斎藤紗紅(さいとうさく)16歳

レディース『黒紅連合』総長

 斎藤美濃(さいとうみの)17歳

紗紅の姉、家族想いの優等生

 織田信也(おだしんや)20歳

紗紅の交際相手

元暴走族

 織田信長(おだのぶなが)

戦国武将

明智光秀(あけちみつひで)

戦国武将

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