第4話 胎教

文字数 410文字

育児は妊娠中の夫婦関係から始まる。
やはり、記憶として、どんな場所に産み落とされるのかは、ある程度察知してると思う。  
 
良く「胎教」と言うが、僕はあまり信じない。
その察知能力は、下界の音なんかではなく、母体に拠ると考える。
つまり妊娠中の母親の精神状態がいちばん大切なんじゃないか?
そんな風に考える様になったのは、4人の育児の負担を奥さんに押し付けてからなのだから救いようがない。

僕は「出てきてくれないと実感出来ない」と、本音を押し付けて寂しい思いをさせたと思う。
けれど、いたわってはいたつもりだし、気も遣っていた。
しかし、どれだけやったとしても足りないのが、母となった女性の心境である事は、やはり後年学んだ。

誰しも第一子の育児は初めての経験であり、なかなか思う様には行かないのに、だから余計に夫婦それぞれ自分のエゴを押し付けてしまう。

それは、僕ら夫婦も例外ではなかった、というより、僕らはその最たるものであった様に思う。

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