第4話「えっ!? 城の前に変態の大群が!?」 後編

文字数 1,680文字

 
! ……フン、やっと出てきたか魔王め。
我が名は将軍、ここで一騎打ちを……
ドーモ。ショウグン=サン。魔王です
は? 何を言っている?
おい貴様! 一騎打ちを申し込んでおいて
挨拶も返せないとは武人の風上にもおけんぞ!
そうだそうだー(便乗)
(いや当然の反応でしょ)
ムッ……そ、それは失礼した。
わしは人間国の王に仕える……
おいおい分かっていないようだな、
相手と同じ言い方で返すんが礼儀とちゃうかー!?
ちゃうんかい、われー!!
竜王安全圏から便乗すなや! こざかしい!
むむむ、ド、ドーモ。マオウ=サン。将軍です
まあ及第点だな。それで……なんだったっけ?
一騎打ちだ!
ここでその首を取って、我が王に献上してくれようぞ
プレゼントが首とかドッキリかよ……こわっ
悪趣味ぃ~
プレゼントって貴様っ……そういう趣旨ではないわ!
どうせならPS4とかにしとけー!
今値段下がってるらしいぞー!!
いらん情報を流すな!
なんと今ならイチキュッパ! 19万8000円!!
高いわ!!
で、俺と一騎打ちしたいの?
そうだ! 何度も言わせるな!
言わせるな……バルセロナ
言わせるな……ダメだなんも出てこねえ
そこ! 押韻を模索すな!
(もうあっち側に付きたい)
一騎打ちを受けるか否か、今ここで申せ!
フム、いいだろう。ただし契約書にサインしてもらう
ムッ? 契約書?

当たり前だ。公式戦なんだろ?

ファイトマネーも弾んでもらうぜ

お、おい、なんだそのボクシングみたいな流れは!
アニキ! あんな奴1ラウンドKOっすよね!
当たり前だろオメー、
王者の実力ってやつを見せてやんぜぇ? シュッシュッ
シャドーを始めるなシャドーを!
おい、そこのまともそうな奴! こいつらをどうにかしてくれ!
あ、すみません。
契約書にサインが必要なのは事実でして
マジでっ!!?
そりゃそうだよチミィ~、
契約書も知らないじゃ、この業界やってけないよ~?
というわけなんで、サインの方だけお願いします……
あ、はい……(カキカキ)
はい、サイン頂きました
というわけでぇ!
今から一騎打ちを始めるぜぇ!!
ワァーー!! ワアァーー!!(歓声)
な、なんだ急に!?
おまえらー!
今日は俺のために集まってくれてありがとなー!!
ワアァアァァーー!!!
今日は俺の引退試合だ……
勝っても負けても俺はリングから降りるぜ
引退試合!?
……
アニキ……
……だから俺はぁ! こいつをぶっ倒して!!
後腐れのねえ引退試合にしてやるぜぇーッ!!
うおぉおぉぉぉおおぉぉ!!!!
(ボクシングってかプロレス……)
えー、試合は特にラウンド制とかもなく、
先に倒れた方の負けです。もう始めていいですか?
ム……ま、まあよい!
一騎打ちには変わりない!(試合とか言ってるけど)
もう言葉はいらねえ、拳で語るのみだ!
行くぜ!
アニキー! そんな奴やっちまえー!!
ワァアァァアァアアァァーー!!!
それでは! 試合開始ー!
カァーン!!
うおおお!!(シュッ)
ぐえっ(ドサッ)
えっ……
えっ……
えっ……
えっ……
……
……えー、勝者将軍
……………………わ、わしが勝ったぞぉー!!
……うおおぉぉおぉぉぉおおぉぉーー!!!!
クッ……敵ながら大した奴だぜ、俺の完敗だ
フッ、お前も良いパンチだったぞ
(シャドーでしか見てないけど)
戦いの後に生まれる友情……
これこそが本物の『闘い』だぜ、映画化待ったなし!
将軍! 将軍! 将軍! 将軍!
ありがとう! みんなありがとうーー!!
おめでとうございます。
ファイトマネーは2000億ドルになりますので
後ほど現金でお願いしますね
え?
 
 

 
 
なあ魔王ー(ムシャムシャ)
なあ魔王じゃねえお前なに海王ちゃんが作ってくれた
うさちゃんリンゴ勝手に食ってんだ返せ
隣の病人がうるさいっと……
テメーまだツイッターやってんのかよ!
入院中ぐらいプライバシーを保護させろ!!
そのツイッターで流れてきたんだけどよ、人間の国が経済破綻したらしいぞ
ああ、そりゃ大変だなぁ
おかげで『魔王は彼女いないらしい』っていう
俺のツイートが流れちまったわ
だぁーかぁーらぁー!!!
怒りで傷口の開きそうな魔王。安息はないのだろうか。
次回、特に何も起こらない。乞うご期待!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

魔王

魔界を束ねる、全ての魔族の頂点。

すぐに諦めちゃう性格。竜王から熱い個人情報の漏洩を受けている。

獣王

獣の王。獣の定義が広いので勢力が最も大きい。

真面目なので魔王の行動に振り回されがちだが、腹黒い一面も。

竜王

竜族の王。空も飛べる(はず)。

何事も面倒くさがり、他人に押し付ける性格。魔王とは古くからの親友である。Twitterではけっこうな数のフォロワーを持つ。

海王

海にいる魔族の王。女……メス。

半スライム的な肉体で、水に溶けたりできる。海で戦ったら勝てない。

素直な性格だが、しょうもない事や下ネタを言ったりすると冷たい目で見られる。一部魔物に好評なまなざし。

桃鬼

鬼。ピンク色の髪をしているので桃鬼と呼ばれている。
通称桃ちゃん。すごい力持ちだが、あんまり頭はよくない。
桃鬼なのにあんまり桃が好きじゃないことを気にしている。

勇者

人間の国が経済破綻したので、代替案として送られた勇者。

その割に、SNSを活用して魔王を追い詰めたりとデキる奴。

海王母

海王の母。氷王という名前を考えているが披露する機会がなさそうな上にこれ肩書き。封印が長かったためか、元々の性格なのか、意思疎通できない時がある。厳かな物言いだが、言ってる内容がズレているのはやはり海王の母といったところか。

翠魔

生真面目なサキュバスという、特徴を最大限相殺していく子。

真面目すぎてボケに回るタイプ。下ネタにも弱いが、海王みたく武力行使はしない。読み方は「すいま」だが睡魔とは一切関わりがない。

妖黄

エルフ。ようきと読み、本人はきーちゃんと呼んでほしいらしい。

笑顔が持ち味。頭が空っぽで、しばしばやってはいけないことを平然とやる。

お嬢様

人間。まだ名無しなのでとりあえずお嬢様という肩書に。

その肩書に恥じない名家の出身で、お上品な性格と言葉遣いの美人。

しかし、ある一点においてのみ他キャラをぶっちぎる狂気性を持つ。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色