第15話:『空っぽの街から』(3)
文字数 958文字
『
この門を叩き、そしてくぐり抜けた旅人よ
祝福を手に入れし旅人よ
あなたの上に幸 いのあらんことを
“街 ”は与える
刹那の快楽と
そして過去からの忘却を
“街 ”は受け入れる
歪 んだ心は歪 んだままに
歪 んだ心は歪 んだままに
恥じる必要はなく
正す必要のない
あなたの心の闇に潜む
その真の姿 を
いびつさこそは快楽の根源
いびつな快楽だけが唯一の扉
“街 ”では心の痛みのすべてが消える
傷心 は傷心 のままは
罪悪は罪悪のままに
癒す必要はなく
悔いる必要もなく
痛みだけを忘れさせる
贖 なわせれよいのだ
己 より弱き者たちに
その者たちにより深い悲しみと苦しみ、そして激痛を与えれなさい
さすればあなたの痛みは、すべてその者たちのものとなる
“街 ”はすべての夢を叶える場所
姦淫の夢
凌辱の夢
虐待の夢
そして虐殺の夢さえも
白い影は、旅人への贄
血を持たぬ虚無の人型
傍らにより添い 汚されることこそが彼女たちの責務
ならば注ぎ込めばよい
内なる穢れのすべてを
犯せばよい
黒い欲情の罪を
殺せばよい
魂なき濡れた身体を
遠慮はいらない
溢れる穢れのすべてを出し尽くしていい
吐き溜めの路傍に排出 した汚物は
この“街”に降る雨と
白い影たちの涙が
黒い海への洗い流してくれるから
そしてあなたは空虚 になる
そのためにあなたはここに来た
“街 ”は、あなたの旅の終着地
空虚 の未来を待つための、あなたの終 の棲家
』
この門を叩き、そしてくぐり抜けた旅人よ
祝福を手に入れし旅人よ
あなたの上に
“
刹那の快楽と
そして過去からの忘却を
“
恥じる必要はなく
正す必要のない
あなたの心の闇に潜む
その
いびつさこそは快楽の
いびつな快楽だけが唯一の扉
“
罪悪は罪悪のままに
癒す必要はなく
悔いる必要もなく
痛みだけを忘れさせる
その者たちにより深い悲しみと苦しみ、そして激痛を与えれなさい
さすればあなたの痛みは、すべてその者たちのものとなる
“
姦淫の夢
凌辱の夢
虐待の夢
そして虐殺の夢さえも
白い影は、旅人への
血を持たぬ虚無の人型
傍らにより添い 汚されることこそが彼女たちの
ならば注ぎ込めばよい
内なる穢れのすべてを
犯せばよい
黒い欲情の罪を
殺せばよい
魂なき濡れた身体を
遠慮はいらない
溢れる穢れのすべてを出し尽くしていい
吐き溜めの路傍に
この“街”に降る雨と
白い影たちの涙が
黒い海への洗い流してくれるから
そしてあなたは
そのためにあなたはここに来た
“
』