『沈める町』のモデルについて

文字数 467文字

 『沈める町』、メインのキャラクター四人のうち、ハツ以外にはモデルがいます。それぞれ複数います。

 もちろん資料に頼った部分が大きいですが、
 (一時期わたしの本棚は「出張ホスト」とか「ブラジャーをする男たち」とかの本で占められていました。笑)
 その資料プラス、友人知人たちがさりげなく打ち明けてくれた話のかけらを少しずつ編んで、男性キャラクター三人は出来ています。
 その友人のうち二人はもう連絡が取れず、一人は亡くなりました。

 彼らに最後に会ったとき、私がもしこう言っていればとか、あんなことを言わなければとか、今でも思います。

 もう少しだけはっきり言うと、つまり、彼らが打ち明けてくれた話があまりに信じられなかったので、私はうまく対応できなかったのです。
 彼らを信じられないのではなく、内容が信じがたいことだったのですが、
 まさかそういうことじゃないよね?と思ってしまったのが、顔に出ていたのではないかと思います。
 そういうことだったのに。

 もう一度時間を巻き戻せたら、こうしてみたい、という思いのかけらを編んで、ハツが出来ています。

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