沢口の編2
文字数 376文字
沢口は、万が一にもそうならないことを強く念じながら、一心に立ち読みをしている、恵人の
横顔を見つめた。
すると、恵人は参考書を本棚に戻した後、険しい眼を一点に注いでいた。その見つめる先に眼をやると、未成年者立ち入り禁止と表示されているノレンが、目に留まった。
AVコーナーだ。
「恵人、まだ早い。いまは我慢しろ」
沢口は、強い口調で戒めた。
「こいつ~、AVを見ようとしていたな。まだ子供のくせして、なんて野郎だ。この僕の体を、そんなことに使うのは止めろ! この僕が、スケベな学生だと思われるだろうが」
気づいた隼人が口を挟んだ。
「いえ、僕はそんなつもりは」
「嘘をつけ! おまえの眼は、あのノレンをずっと見ていたぞ!」
「それは」
宮殿で目覚めて以降、平静な口調で応じている恵人のたち振る舞いは、もう半中学生の、少年ではなかった。
横顔を見つめた。
すると、恵人は参考書を本棚に戻した後、険しい眼を一点に注いでいた。その見つめる先に眼をやると、未成年者立ち入り禁止と表示されているノレンが、目に留まった。
AVコーナーだ。
「恵人、まだ早い。いまは我慢しろ」
沢口は、強い口調で戒めた。
「こいつ~、AVを見ようとしていたな。まだ子供のくせして、なんて野郎だ。この僕の体を、そんなことに使うのは止めろ! この僕が、スケベな学生だと思われるだろうが」
気づいた隼人が口を挟んだ。
「いえ、僕はそんなつもりは」
「嘘をつけ! おまえの眼は、あのノレンをずっと見ていたぞ!」
「それは」
宮殿で目覚めて以降、平静な口調で応じている恵人のたち振る舞いは、もう半中学生の、少年ではなかった。