*好きだと言うこと

文字数 429文字

斉藤和義の「君の顔が好きだ」という歌がある。
男特有の照れ隠しの象徴みたいな歌で、サビでは女性の身体のパーツを羅列して「好きだ」と歌っている。
以下は正式な歌詞の一部抜粋。

“君の顔が好きだ 君の髪が好きだ 性格なんてものは僕の頭で勝手に作りあげりゃいい”

しかし、ライヴでは一変。
「ケツ(尻)」や「乳」、挙句には放送禁止用語を使って“君のそれが好きだ”と豪語している。
恐らく女性ウケは史上サイアクな歌ある。
それと同時に、ぼくにとっては「好き」のお手本であるとも思っている。
愛を囁く意味での「好き」という言葉は、特に男女の場合、送り手と受け手でのニュアンスのミスマッチが必ずある。
それは、言葉の意味を解釈するのには本来余計なはずの“身体”が切っては切り離せないものだからだ。
したがって、発された「好き」という言葉には、少なからず不純物が混ざる。
例えば、2Lのペットボトルに「好き」をいう言葉を詰められるのなら、酷く濁って、向こう側をクリアに見ることはできないだろう。
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