私の意気地無し
文字数 1,207文字
ごめん！今日はちーちゃんと2人の時間を楽しみたいんだ！
うっ……うぅっ……！分かりました……ぐっ……！イツキさん……別の私が出て来る前に早く……行ってください……！
あれ、急に変わらなくなってる？！
はい……よく分からないんですけど、抑える事が出来るようになって……！うっ……くっ……！
おい、蘭……邪魔すんじゃねぇよ……！千恵がイツキに何かされる前にあたしが……ここで止めてやるんだよぉぉ……！
はぁ……はぁ……ここは、私に任せて……イツキさんは行ってください……！
だ、大丈夫？！
はい……私なら大丈夫です……！ですから、早く……！
行かせてたまるかぁぁっ……！イツキィィィィ……！
イツキの腕を掴もうと蘭が手を伸ばす！
ヒィィィーー！ものすごくヤバそうだよ！
蘭ちゃん！ごめんねぇぇぇ……！
【イツキは逃げ出した！】
うあぁぁぁ……千恵ぇぇぇ……
＊ ＊ ＊
立花さんに、言うんですね……？
うん……ちゃんと言って、ちゃんと謝りたい。私がイツキちゃんのドラウエ3のデータ消しちゃった事と……それからゲームに触れなくなった事も……
これまでやろうとしなかったのは、それも関係していたんですか……？
うん……イツキちゃんに迷惑かけたくなかったから……
はぁ……また出来ると良いですね
うん、頑張る
じゃあ、また明日
はい、何事も無く終わる事を祈ってます
ありがとう、委員長さん
――正門前――
あ、ちーちゃーん！
千恵、イツキに接近！
イツキちゃん。2人だけで話せる場所、どこかないかな
えぇっ？うーーーん……公園、とか？
どこの？
ほら、小学校の頃よく行った所の……
千恵、イツキの腕を掴む！
行こ
えぇっ？！ちょっ、ちーちゃん？千恵さん？！藤咲千恵さんっ！？
イツキ、連行！
――公園――
（かつてこれ程までにちーちゃんと話すのに緊張した事があるだろうか？！何か喉乾いてきたような……。いや、恐れるな立花樹……！私の横に座っているのはいつもの優しいちーちゃんだよ！）
イツキ、15分間に及んだ沈黙を破る！
あー、ちーちゃん？話って何かな……？
うん、えっと……えっとね……
小学校の頃、イツキちゃんとドラウエ3したの覚えてる？
もちろん覚えてるよ！休みの日に2人で1日中やってたよね
まぁ予期せぬトラブルと言いますか、私の不注意のせいと言いますか……世界は救えずに終わったのだけは心残りだよ……
イツキちゃん、その事なんだけど……
もしかして、ちーちゃんも今度こそクリアしたいって思ってる……？！
えっ？あ……
うん……
おぉー！流石私の大親友！同じ苦難を共にして来ただけはあるね！
ちーちゃん……。休みの日はまた昔みたいにドラウエ3、私と一緒にやってくれないか……！なんて……
…………
冗談冗談……！ごめんねー、変な事言って……
ううん、気にしないで……
やっぱり、まだ言えないよ……
ん？何か言った？
あ……ううん、何でもない
ほんとにー？
うん……大丈夫だから……
そっか……。じゃあ、帰る？
うん、帰ろ
…………
