第77話 米大統領選 決着

文字数 1,925文字

 1/6の下院委員会でバイデン新大統領の就任が承認され、米大統領選は事実上決着したようです。
 同時にジョージア州の下院選挙も行われ、民主党候補が2名勝利したことで、大統領、乗員、下院全て民主党が掌握し、『トリプルブルー』になりました。
 議事堂にトランプ氏支持者が殺到して暴動になったこと、ペンス副大統領が反トランプ氏側に回ったことが決定打になったようです。

 今回の大統領選にかかる疑惑は『米大統領選 その後』に書きましたので繰り返しませんが、今回の暴動もANTIFAが扇動したのではないか、そして背後では中国が動いたのではないかと言う疑惑があることを加えておきます、少なくともワシントンポストはそう報道しています。
 映像を見ると、警官隊は自らゲートを開けて暴徒を招き入れているように見えます、そこまで既に掌握されているのかもしれませんよ。
 ペンス氏の翻意も不可解ですが、それについてはまだ情報がありませんので触れないでおきます。

 
 トランプ氏は2016~20の一期を務めたのみで退陣となりました。
 トランプ氏の前任者であるオバマ氏は2008~16の二期を務め、日本でも2009~12年は民主党政権下にありました。
 その頃との違いは日本が自民党政権下にあることですが、正直、菅政権は頼りない印象を受けます、特に極めつけの親中派である二階氏が強い影響力を持っているのが気にかかります。
 また、中国は10年前より確実に力をつけていることも気がかりです。
 
 そうなんです、私がトランプ氏の再選を願っていたのは、氏は中国との対決姿勢を明確にしていたからです。
 荒唐無稽に聞こえるかもしれませんが、私は中国が世界征服を目論んでいると考えています。
 アメリカ、日本、イギリス、オーストラリアで強力な中国包囲が出来つつあったのですが、安倍氏の退陣、トランプ氏の敗北で包囲網はゆるゆるになるかも知れません、いや、そうなるでしょう、中国はそのチャンスを逃さないだろうと思うのです。

 後任のバイデン氏ははっきり言って親中派です。
 恒例のバイデン氏は時を見計らって退陣し、ハリス副大統領が代わって政権を執るのではないかと言う憶測もあります、ハリス氏ならなお一層親中派です。
 上、下院ともに民主党優勢の状況下では中国に対して融和姿勢に転じるでしょう。
 かつて、中国は日本を『押せば引く国』と評していました、安倍政権下では9条の縛りがある中でも『引かない』姿勢を示せていましたが、現政権では親中派の二階氏の影響力が強すぎます。
 そしてアメリカもトランプ政権下では絶対に引かない姿勢を貫いていましたが、バイデン政権下ではそうはならないでしょう。
 一方、中国は『絶対に引かない国』です、面子を重んじる民族性からも『絶対に引けない』のです、そして、軍事力、経済力共にアメリカに肩に並べられるところまで来ていますが、人口は桁違いに多く、一部の富裕層を除く人民の大多数は貧困層です、拡大の一途をたどらなければ13億とも14億とも言われる人民を食べさせて行けません、その意味からも『引けない』のです。
 アメリカを民主党が握ったことで、武力衝突の可能性は低くなったかもしれませんが、じりじりと押して行くことは考えられます。
 中国の次なるターゲットは台湾であり、尖閣諸島、ひいては沖縄でしょう。
 そしてアメリカが手を出さないと見極められれば武力に訴えることも厭わないでしょう、何しろ中国に言わせれば『解放』なのですから。
 
『今の時代、そんなことは起こらないさ』と考えるのは平和に慣れ過ぎた考え方だと思います。
 香港を見てなんとも思いませんか? 自由と自治を求めたデモ隊を制圧し、指導者たちを次々と逮捕して収監しているのです、あれが近い将来の台湾であり沖縄の姿ではないと誰が言い切れるのでしょう。
 外交は単なる話し合いではありません、そもそもどの国でも自国の利益が最重要なのですからその背景に武力がなければ引くほかないのです、武力を背景にした上で実際の武力衝突を避けられる落としどころを探り合うのが外交です。
 日本は専守防衛を課した憲法を掲げていますので、『これ以上の譲歩を迫るならば武力に訴えるぞ』と言う強気な態度は取れません、今までは経済力に加えてアメリカの後ろ盾がありましたが、バイデン政権下ではアメリカの『睨み』はあまり期待できないと思います、せいぜい見て見ぬふりをしながら目に余れば口を挟むと言う程度になるのではないかと思います。

 こと、これからの世界情勢について、そしてその中にある日本の安全保障について、『あり得ない』ことは何もないのだと肝に銘じておかなければいけないと思います。
 
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