第6話

文字数 388文字

窓ガラスを打つ雨の音が激しくなり、ようやく目を覚ました。
べットの中から体をまわして目覚まし時計の時刻を見ると。『6:30』と
デジタル表示がされている。
そろそろ起きて、仕事に行く準備をする時間だ。
久さしぶりに昔の夢を見た。
あれから10年・・・・
哲也と過ごしたあの強烈な夏の思い出の日々、今も鮮明な記憶として蘇る。
北山にあのダムが出来た事により、この地域の河川の利水ー治水環境が整い。
水力発電による電気の供給も出来、今の僕らの生活がある。
ダム建設の為、住んでいた土地を離れなければならない人達がいたことも確かだ。
そして、今の生活が当たり前のようにあって、その時間の中で生きている僕らがいることも確かだ。

僕と哲也は郵便局前のバス停でバスに乗ると、今日も北山ダムの水力発電所に
向かう。
『水底に沈んだ故郷』の上に立って、今日も仕事をしている。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み