死ぬ前に

文字数 1,744文字

ぽっくり誰にも知られず迷惑もかけず死にたいと思う。
こんな事ばかりを考えていると云う事はやっぱり病気なんだろう。
還暦になる3年前から軽い抑うつ状態に陥った。
それ以来毎日の様に死にたい、消えてなくなりたいと思っている。あれ程好きだった盗撮エロ動画も観る気がしない。
そんな頃、眠りにつく前に、アレッ、ちょっと待てよ、と思った。
と云うのも元々病気になったのは人事異動でコケにされた事が原因だ。コケのされ方が私にはどうしても許せない。恥の為には命を捨てる、昔の侍ならそうするだろう、そんな屈辱を受けたのだ。
その人事を画策したのは副市長である。
と云う事は副市長に復讐もせずに死ぬのは胸糞が悪い。
どうで死ぬのならあの変人で変態で気取り屋のバカ野郎を殺してから死んでやろうと思った。
そんな事を考えていると愈々眠れなくなった。
眠れなくなった序に、変態副市長を如何にして殺すかと云う事をじっくり考えた。考えるだけならタダだから。
ただブスっと刃物で一突きに殺すなんて云うのでは、面白くない。
あのバカの変質者には、それに見合う殺し方がある筈だ。
まずは、来年実施される市長選について、おいしい話があるから会えないかと持ちかけて副市長に会いに行く。副市長の支援する市長はこれもバカで変態のドスケベ野郎だが、次の市長選には現職の有力市議が出馬する意向を固めており、どうやら下馬評では形勢が不利である旨を聞き、ドスケベ市長も変態副市長も危機感を持っている。で、そんな折だから私が選挙に有利になる話があると云って近づこうとすると、バカだから直ぐに乗って来る。私はリュックサックにハンマー、ノコギリ、ロープ、チャッカマン、ナイフ等を入れ副市長に会いに行く。バカな副市長はまんまと騙されて私を副市長室に招き入れる。私は持参した菓子折りを副市長に渡す。卑しい副市長は菓子折りの中身を何かと勘違いする。何処までもバカで薄汚い野郎だ。
私は取り敢えず取り留めのない選挙情勢などを話す。
「ところで、市長選の行方次第ではあんたの立場も微妙になんるんじゃないの?」私がそう云うと、「オマエ如きにそんな事心配されるオレサマじゃないから、心配は無用だよ」副市長が年上のワタシに偉そうにぬかす。雑魚のくせに生意気だ。ちっちぇえ人間で、おまけに性格が超歪んでいるから、適材適所どころか誰と誰を組ませれば人間関係が悪くなるかを考え、人事異動の結果思惑通り関係が悪化すると喜悦し夜毎酒を飲みながらニヤつくのが何より好きな変質者のくせによ。オマエはよそんな腐った人間だよ。多くの職員から嫌われている事も知らずに、オレサマに逆らえば痛い目にあうぞ何て若い職員を脅しやがって、汚いゴキブリ野郎め、オマエなんてオレに殺されてもダーレも悲しみはしないよ。
「あれは何だ?」私は驚いた顔をしてバカの後方を指さす。バカが振り向いた隙に持参したハンマーでウスノロの頭を殴りつける。二発殴ってバカが朦朧としたところで手足を縛り猿轡をして声を出せない様にする。それからじっくりと復習をする。まず、変態の顔に小便を掛ける。それから変人の体をナイフでゆっくり切り刻む。愚か者が悲鳴を上げて悶え苦しむのを見ながら、出された珈琲を静かに飲む。次にバカの目ん玉をくり抜く。
「オマエは五年前の人事でオレをコケにした事を覚えているか? 忘れたとは云わせない!」私はウスノロに聞く。ウスノロがもごもご云うので、「はっきり云え!」とウスノロの髪をチャッカマンで焼く。「ウガウガウガ」とバカが叫ぶ。「やかましや!」と私はバカの鼻をナイフで切り落とす。「フガフガグアー」とバカが喚く。「おめえなんかによー、目も鼻も口も要らないんだよ!」そう云ってバカの薄汚い唇を切り裂く。
「どうだ、どんな気持ちだい? 散々人をコケにしやがってよ! バカでウスノロで変人の気取り屋め!」
その後バカの腹を十字に切り裂き、醜い豚以下の内臓を抉り出す。おまけに臭いちんけな一物も切り落とす。バカは死んだ様に静かに横たわっている。最後にバカの首にナイフを突き刺し、息の根を止める。その後珈琲を静かにゆっくりと味わって飲む。珈琲を飲み終えた後ノコギリでウスノロの首を斬る。
私は血の滴るバカの頭部を下げ、副市長室から出て行く。
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