夏だ!海だ!ばいぶるきゃんぷだ・・?

文字数 1,776文字

とにかく、牧師館の異臭がおさまるまで、
みんなで旧会堂で休憩?をすることになった。
ひまわりちゃんがもってきてくれたケーキと、教会にあったいろいろなお菓子で、テーブルはさながらパーティーのようになった。
「じゃあ、ダリアさんはあとひと月はここにいるんですね」は、ゆりさん。
「こんな田舎だけじゃなくて、どこか観光とかいかないの?(俺と)」は、葉一。
「でもここらへんはデズニーもウニバーサルも遠いから、遊べるとこないよー」とぼたんちゃん。
「お祭りも、花火大会もこのへんのはイマイチだしねー」とさくら。
「よかったら、ご一緒に夏の祭典にいきますか・・・?」と、ひまわりちゃん。
んん?何の祭典?
俺は、毎年教会にいるだけだしなー、ほんと、このへんでいくとこなんか、、
「ワタシ、バイブルキャンプのオテツダイ、シタイです!」
「「「「「バイブルキャンプ???」」」」」
「あー、したいしたい!教会のキャンプなんて、ひさしぶり!!!」
「たしか、私が小学六年生のときからなくなったような・・・あ、」
ひまわりちゃんが、しまった、という顔をして、こちらをみた。
そう。
親父たちが召されてから、夏のキャンプはしなくなった。
あ、でもそれは、深い意味はなくて、単に、できる人がいなくなっただけで・・
「教会のキャンプかー!
 そういえば、私も小学生のときは、よしゅあに誘われて毎年参加してたっけ!」
「キャンプって、どこか遠くにいくの?」
「たしかー、遠くのキャンプ場にいくときもあれば、この、会堂?にみんなで泊まって、庭でバーベキューしたり花火をしたときもあったわよね?」
そうそう。
だから、夜、おばけがでるよー、お家かえるーって、さくらは大泣きして、
隣の家にもどったこともあったよな。
あんときは、まださくらもかわいかったよなー・・
今なんて、「余計なことは話すな」と、むこうからガンとばしてくるし。
「え、そんなら、今年もできることない?
 ここに泊まるキャンプなら、いつでもできるんじゃね?」
葉一が、ひらめいた!とばかりに、目をかがやかして、提案した。

ええ?
「いや、スタッフもいないし、急には人も集まらないし・・・」
「スタッフ?いるじゃん。」
葉一が、ゆっくり指をさす。
「お前と、」うん。
「ダリアさんと」 う、うん。
「俺。」 
お、おまえぇぇ?
「ハイ、じゃあ、キャンプ参加したいひとー?」
「ヨウイチ、教会のキャンプは、『バイブルキャンプ』デス!」
「ンじゃ、『バイブルキャンプ』したいひとー?」
はいはいー!と、ぼたんちゃん。
ひまわりちゃんも、小さく手をあげている。
ゆりさんは、「部活のない日なら・・」
さくらは、「八月の旅行の日以外なら・・」と、手をあげた。
「え、なに、反対派、よしゅあ、お前だけなの?」
「反対っていうか、勝手に決められないし・・」
「よしゅあ君、夢がないー!教会で、『バイブルキャンプ』ダメなの?」
夢とかじゃなくて、教会をつかうのに、勝手に決められないだろ!
そう、言おうとしたら、礼拝堂の扉から、
「ふっふっふ・・・」と、不敵な声がした。
ガラっ
「話は、全てきかせてもらったわぃ!」
「と、トラじーちゃん、いつからそこに・・・!」
「ア、 イイワスレてマシタ、トラさん、礼拝堂のエアコン修理にキテクだサイましたー!」
そうなんだ。ありがとう。
・・・けど、なんで、それなら、
ダリアのカレー?づくり、異臭がした時点で止めなかったんだ・・!
うらみがましい目でみると、トラじーちゃんは、あさっての方向をみた。
・・・さては、異臭におそれをなして、隠れてたな・・・!
       
「ところで、いい話がでとるじゃないか!バイブルキャンプ!ぜひ、やるがえぇ!」
「え、いいの?」
勝手に?
「わしがこの教会の役員で、賛成。
 ばーさんも役員で賛成。
 ひまわりちゃんのおとーさんとおかーさんも役員で賛成。
 ぼたんちゃんのおかーさんも、多分賛成で、
 あとは、牧師の賛同が得られれば、可決じゃな。」
牧師。・・・・・・・・あ、俺か!
トラじーちゃんがスマホをぐいっと、さしだした。
『♪やまのべ教会♪役員♪』グループラインは、
「いいね!」のスタンプであふれていた・・・
い、いつの間に・・・!
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