2-17 うぃし、それを言うのはあなたで◯万人目〔絶●先生〕【、信じてる】

文字数 1,082文字

 それでぇは、高らかに自信満々に朗らかささえ忘れずに、当方カトリック仙人であるからに、我が信ずるところを聴くが良い。

「聖母マリア様に関して、こちらの信仰を理解しない方々の一部、一握りの失礼な人々は『ローマ兵と一夜』とか『家の爺いが嫁と』とかなんとか、そういう下卑た妄想に思い当たり、そして鬼の首をとったかのごとく、尊き彼女の貞節を疑いますが、古代ローマの頃から散々ひどい噂を立てられているでしょうよ、それこそ我らがイエス様のご苦労が偲ばれます」

「だからさ、それは妄想なんかじゃなく……」

「まごうことなく妄想です。愚にもつかないたわごと。なにをいまさら!、キリスト教徒の信仰なめないでいただきたい!!。いっときますが、そんなことを騒ぐのはアナタでいったい何万人目かわからない」

 こちらの威風が堂々としまくってる物言いに、黙り込んでしまったのは極東の大妖魔ヤマタノオロチの蛇頭が一人『右真中の』。
 よっしゃよっしゃ精神戦、攻勢中攻勢中。ここで言葉を止めはしない。

「そもそもアナタは『右端の』さんの男性中心雄欲望論者(だんせいちゅうしんおすよくぼうろんじゃ)に対抗して、女性の望みをちゃんと論ずることもできるぐらいだから私の言ったこと、これから言うことも理解できるはずです。さっきその口が言った通りです、たとえそれが最終的には願いを満たす悦びであったとしても、選択権も与えず意志を踏みにじる形であるなら、人としての、まっとうな幸福から遠ざけてしまう。であるならば女性をそんな淵に立たせる脅威の元となるような、その(たぐい)の『(うわさ)』とは距離をとるべきだ」

「よくもまぁ、立て板に水みたいにベラベラと。……たしかに『成し得るとしても、それがどれだけ女性の誇りを傷つけるか、まっとうな幸福を損なうか』と僕も言ったけどさぁ」

 とりあえず『止め』って気持ちを込めて、

「私の立場ではありえない物言いかもしれませんか、そもそも聖母マリア様の出産のアレコレのお話、女性の尊厳のためにクソみたいな噂野郎(うわさやろう)噂女郎(うわさめろう)も信じるな!、いう寓話かもしれませんよ。アナタ、非キリスト教徒のくせして、そんなことにさえ思い当たらないのですか、思考が足りませんよ!。いえ、聖書に書かれていることはブッチギリに真実ですけどね!!!」

なんていらないことまで喋ってしまいながら、話を止めた、そうしたら意外なとこから、吃驚(びっくり)するような反応が。

「う、うわぁああああ、あああああああ」

 え、どうして烏丸さんが号泣するの?
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登場人物紹介

柳生烏丸(やぎゅう からすまる)


ヒロイン


柳生剣士でありながら女仙


キリスト教 正教会信徒


詳細は後日

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