2.

文字数 925文字

 小学校に入ってからもしばらくは、私はあまり変わらなかった。

 現在四十代後半の私が小学一年生の頃というと、年号は昭和の、のんびりした時代である。

 この時代でも、都会のほうでは小学生の集団登下校をしていたようだが、私が住む田舎にはそんなものもなく、学校の帰りは仲のいい友達と、自由に遊びながら帰っていた。

 ただ、事前に各家庭から小学校に申請している「通学路」というものは存在しており、毎日その道を通って登下校しなければいけないと言われていた。

 しかし、相変わらず自分の気の向くままに行動していた私は、小学校に入学して一月経たないうちに、この決まりを破った。

 友達と一緒の帰り道で、通学路がどこまでも一緒である訳がない。
 私は直進するはずの角を、一緒に帰っていたミナコちゃんの通学路に合わせて曲がって帰り、それをユリちゃんとノゾミちゃんに見られた。

「あんたの通学路はそっちじゃないでしょ」
「戻ってきな」
「明日先生に言うよ」
 二人は私に向かってギャアギャアわめいていたが、私はそれを無視した。

 翌日、二人は先生に私の悪行を報告し、私は先生に怒られたような気もするが、いつものようにあまり反省はしなかった。
 ただ、あの角で曲がると、うちに帰るのにかなりの遠回りになることが判明したので、それ以後はそこで曲がるのはやめた。

 しかし、恐ろしいことに、これの数日後、私はユリちゃんとノゾミちゃんに通学路のことで別のイチャモンを付けられてしまう。

 理論的には矛盾するが、二人は私に向かって、アンタの通学路はどうしてそっちなんだ、私達と同じ道を通って帰るべきだと主張した。
 あの出来事は、二人の中では終わっていなかったのだ。

 二人の私へのイチャモン付けは、ちょっとの間続いたような気がする。
 この頃の二人は最強のコンビだったが、割りとすぐに解消した。気の強い性格同士だから、もともとの相性もそんなに良くなかったのかもしれない。

 その後のユリちゃんとノゾミちゃんは、他の子とコンビになったりトリオになったりしながら、おそらくほとんどその性格を変えぬまま、小学校の六年間を謳歌した。
 うちの学年は2クラスしかなかったから、クラスが分かれても、そういうことはだいたい分かる。
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