第25話 因果応報
文字数 1,213文字
総督府の副総督の部屋にリカード管理官とサンキン局長が呼ばれていた。
「忍者たちを捕まえそこなったし、逮捕した地球人を逃がすし、君たちはどうなっているんだ! しかも有能な取締官が死んだというじゃないか! どう責任を取るつもりだ!」ドグマ副総督は強い口調で2人を問い詰めていた。
「それは・・・」サンキン局長が話そうとすると、リカード管理官が手で制した。
「それはペリー取締官が独断で捜査を行っていたことです。逮捕者もその報告もこちらには上がってきておりません。」リカード管理官が言った。
「責任はないというのかね?」
「ペリー取締官が死んだのは警備ロボットの誤作動です。しかしマコウから総督府に取り寄せた警備ロボットがそこにあったのはなぜでしょうか? いや、ペリー取締官があれほど大規模に捜査を行えたのは、どなたかの後押しがあったかと思いますが。」リカード管理官はじっとドグマ副総督を見た。
「な、何を言いたいのかね?」ドグマ副総督は刃物を突き付けられている気分になっていた。
「いえ、これらのことは表に出さず秘密事項にいたしますので、これ以上の調査は行うつもりはございません。しかし・・・」リカード管理官はキラッと目を光らせた。
「これから先もおかしなことが起こるようなら調べなければならないかもしれません。では私たちはこれで。」リカード管理官はそれだけ言って部屋を出た。サンキン局長はドグマ副総督の方を気にしつつ、そのまま後について出て行った。
「若造め!」ドグマ副総督は舌打ちをしていた。
リカード管理官の後をサンキン局長が追いかけた。
「管理官。ペリー取締官のことはどう発表しましょうか?」背後からサンキン局長が尋ねた。
「警備ロボットの誤作動で殉職ということにしておけ。ただしマコウ星に彼の恋人のマーサという女性がいる。彼女には『ペリーは誰からも愛されて熱心に仕事に励んでいた。惜しい人材を事故で失って総督府や取締局をはじめ、皆が悲しんでいる』と伝えるんだ。」リカード管理官は振り返らずに言った。
「管理官、どうしてそれを?」サンキン局長は尋ねたが、リカード管理官はそれには答えず、
「ペリーは忍者たちをおびき寄せて警備ロボットに立ち向かわせた。だが失敗してこんなことになった・・・私はそう見ている。」と言った。
「では奴らがペリーを?」
「それはわからぬ。だがペリーのやり方には問題があった。人の恨みを買うと恐ろしいものだな。もしそのまま続けていたらと思うと…いや、やめておこう。それより忍者たちの捜査をあまり大掛かりに行うと、いらぬ噂が立つ。捜査は奴らを刺激しないように継続して行え。いつかは尻尾がつかめるはずだ。」リカード管理官は静かに言った。
「はい。わかりました。では私はこれで・・・」サンキン局長はリカード管理官から離れていった。
廊下を早足で歩いているリカード管理官は唇をかみしめていた。そしてただ一言、
「地球人め・・・」とつぶやいた。
「忍者たちを捕まえそこなったし、逮捕した地球人を逃がすし、君たちはどうなっているんだ! しかも有能な取締官が死んだというじゃないか! どう責任を取るつもりだ!」ドグマ副総督は強い口調で2人を問い詰めていた。
「それは・・・」サンキン局長が話そうとすると、リカード管理官が手で制した。
「それはペリー取締官が独断で捜査を行っていたことです。逮捕者もその報告もこちらには上がってきておりません。」リカード管理官が言った。
「責任はないというのかね?」
「ペリー取締官が死んだのは警備ロボットの誤作動です。しかしマコウから総督府に取り寄せた警備ロボットがそこにあったのはなぜでしょうか? いや、ペリー取締官があれほど大規模に捜査を行えたのは、どなたかの後押しがあったかと思いますが。」リカード管理官はじっとドグマ副総督を見た。
「な、何を言いたいのかね?」ドグマ副総督は刃物を突き付けられている気分になっていた。
「いえ、これらのことは表に出さず秘密事項にいたしますので、これ以上の調査は行うつもりはございません。しかし・・・」リカード管理官はキラッと目を光らせた。
「これから先もおかしなことが起こるようなら調べなければならないかもしれません。では私たちはこれで。」リカード管理官はそれだけ言って部屋を出た。サンキン局長はドグマ副総督の方を気にしつつ、そのまま後について出て行った。
「若造め!」ドグマ副総督は舌打ちをしていた。
リカード管理官の後をサンキン局長が追いかけた。
「管理官。ペリー取締官のことはどう発表しましょうか?」背後からサンキン局長が尋ねた。
「警備ロボットの誤作動で殉職ということにしておけ。ただしマコウ星に彼の恋人のマーサという女性がいる。彼女には『ペリーは誰からも愛されて熱心に仕事に励んでいた。惜しい人材を事故で失って総督府や取締局をはじめ、皆が悲しんでいる』と伝えるんだ。」リカード管理官は振り返らずに言った。
「管理官、どうしてそれを?」サンキン局長は尋ねたが、リカード管理官はそれには答えず、
「ペリーは忍者たちをおびき寄せて警備ロボットに立ち向かわせた。だが失敗してこんなことになった・・・私はそう見ている。」と言った。
「では奴らがペリーを?」
「それはわからぬ。だがペリーのやり方には問題があった。人の恨みを買うと恐ろしいものだな。もしそのまま続けていたらと思うと…いや、やめておこう。それより忍者たちの捜査をあまり大掛かりに行うと、いらぬ噂が立つ。捜査は奴らを刺激しないように継続して行え。いつかは尻尾がつかめるはずだ。」リカード管理官は静かに言った。
「はい。わかりました。では私はこれで・・・」サンキン局長はリカード管理官から離れていった。
廊下を早足で歩いているリカード管理官は唇をかみしめていた。そしてただ一言、
「地球人め・・・」とつぶやいた。