三点リーダとは何か ─コンピュータ上での扱い─

文字数 1,367文字

 現在、多くのWEBサイトや各種アプリで文字情報を扱う場合、Unicodeと呼ばれる国際規格の更に一種であるUTF-8と呼ばれる規格に基いている場合がほとんどです。
 何の事か良く判らない方も居るとは思いますが、WEBサイトやWEBブラウザ、PCやスマホのアプリで、文字を扱う方法は、標準的なきまりに基いて作られており、その「文字を扱う為の標準的なきまり」の名前が「Unicode」「UTF-8」だと思って下さい。
 例を挙げれば、似たように見える文字でも「一」(漢数字の1)と「ー」(仮名の長音記号)と「−」(全角のマイナス)は、ちゃんと区別され、そして、区別する方法は、大概のアプリで同じ、だと言う事になります。
 専門的な話になると、私よりも適任者が山程居るので、興味の有る方はUnicodeと云う国際規格についてのWEBサイトや書籍を参照して下さい。
 で、実は、このUnicodeと言う規格では、三点リーダ(…)は2つの文字を1つの文字として統合したものなのです。
 1つは日本語を含めた東アジアの言語で使われる三点リーダ。
 もう1つは、欧米系の言語で使われる「.」を3つ繋げた文字。
 その何が問題かと言えば……日本語フォントと欧文フォントでは、同じ文字なのに、微妙に違う表示になってしまうのです。
 WEBサイトやWEBブラウザやアプリによっては縦書きで見る事も可能な場合が有りますので、以降は、特に断わりが無い限り横書き表示についての話だと思って下さい。
 日本語フォントの場合「…」の点の縦位置は「・」の縦位置とほぼ同じ高さで、横幅は漢字の横幅と同じなのが普通です。
 一方、欧文フォントの場合は「…」の縦位置は「.」の縦位置とほぼ同じ高さで、横幅はフォントに違うのが普通です。
 つまり、小説中で三点リーダを使った場合、どんな問題が起きるかと言えば……。

・WEBサイトの設定によっては、三点リーダの点の縦位置が意図に近い形で表示されると限らない。
・複数のサイトに同じ小説を掲載した場合、三点リーダの点の縦位置が同じように表示されるとは限らない。
・WEBブラウザのフォントの設定によっては、三点リーダの点の縦位置が意図に近い形で表示されると限らない。
・PCとスマホでは三点リーダの点の縦位置が同じように表示されるとは限らない。
・Androidなどのメーカによって使っているフォントが違うスマホ用OSでは、どのメーカのスマホかによって以下同文。
・もし、将来、メジャーなスマホ用/PC用のOSの標準フォントが変ったら以下同文。
・もし、WEBサイト側の設定がある日変更されたら以下同文。

 あくまで、「どう表示されるかより意味が重要」な場合は、気にする事も無いと思います。
 ただ、あくまで非常なレアケースだと思いますが「…」の縦位置がどこになるかが重要な場合は、「今、貴方が見ているのに近い表示で他の人も見ているとは限らない」「将来も、今、貴方が見ているのに近い表示であるとは限らない」と云う点は注意が必要になると思います。
 余談ですが、OS・アプリ・フォントなどの組合せによっては、「…」を縦書きにすると表示や印刷結果が変になる、と云う場合は、多分、この辺りの事情が絡んでいる場合がほとんどです。
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