第7話 小倉宿 門垣文具店は中津本陣跡

文字数 756文字

小倉宿は、道はそのまま残っており、当時のままの店は少ないようだ。が建物は白壁土蔵作りの家も、所々に散在する。イメージとしてここに宿場が賑やかに存在していたのが想像できる。その中に、古い地図によれば、中津藩の本陣があった場所がある。一部土蔵作りで四軒分のひろさある。現在は門垣文具店となり、営業をしている。高齢の御主人が居られたので昔話を聞いた。
なんと貴重な話で、昔ご先祖様は中津の商売人だったらしい
「私が住んでいるこの場所は、昔、江戸時代の中津藩本陣だった所で、宿場で大きな商売をされていたそうです。金融業やその他手広くやられた分限者だったようで、殿様とも昵懇の間柄だったようでございます」と江戸時代の本陣の主人がいかに権限がありお金も持っていたかを説明してくれた。
「幕末となり、勤王派とか尊王攘夷とかで大騒ぎとなり、明治維新になり、高杉晋作が小倉城に攻めてきたそうです。そこで世の中がひっくり返り、本陣の旦那も、殿様と一心同体の付き合いでした。宿場は滅茶苦茶になり一変した。小笠原藩主が香春宿の方へ移動するというので、中津本陣の主人も小笠原藩主に付いて行った」と当時の話を見てきたように熱弁を振るてくれた。
「その本陣の跡地を、我々の先祖が中津から来て、手に入れたといういうことです」先祖も羽振りは良かったようです」。
「昔は骨董品店をやっていたがその後、文具店を始めた。小倉の練兵所も近くにあり、商売は上手くいっていました」と昔の栄華を懐かしまれていた。
「最近では、世の中がすっかり変わり果て、我が店も、敷地を売却しながら、ここに住んでいます。書道の先生が御得意先で商売は細々やっている。私の代で終りです。娘は飯塚に嫁ぎ帰ることはありません」。敷地は四軒分の広さはある本陣跡である。一軒分は売却され空き地である。
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