第1話 エリス登場

文字数 607文字

今日は、ラノベの新刊が発売される日ね・・・。
私,飛鳥しおりは,コスプレ好きのJCだ。今日は、とある作家の新刊を探して,ここ、アキバまで遠出していた。

 明治時代のガス燈を模した街灯には、エリス・クロフォードフェアと何かのキャラと共に描かれた小看板が、街路の向こうまで続いていて、街を賑やかしている。その看板を、ぼんやりと見つめながら、ふと肉体派の姉,睦月の事を思った。

エリスって,睦月姉ちゃんが、大好きなラノベの作者よね。
 無論、しおりも、あたかも、読者もその場にいるような圧倒的臨場感で著されるその小説は読んでいるし、今日はその作者のサイン会もあるそうだ。ちなみに,小看板に描かれているキャラは、彼女の小説に出てくるキャラであり、しおりがコスプレをするキャラでもある。
お姉ちゃんに,内緒で来ちゃった。
あの…。済みません。

あ、今度は、あのキャラのコスプレをしてみよう…


あの…。済みません。
へっ?はい!
あっ。ごめんなさい。道を尋ねたかっただけなんですけど。
あっ。そうですか。どちらまで?
古野国屋書店までですけど…

あ、その本屋だったら、丁度、今から向かうところだったんですよ。

道案内しますね。

あ、よかった。ありがとうございます。

・・・これが、エリスとあたし、市立東猫城学園中等部2年A組、飛鳥しおりとの最初の出会いだった。

この後、あんな冒険があるなんて、このころのあたしには、想像もできなかったことで・・・・・・。

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