滝口流

文字数 3,229文字

こちらにて滝口さんが執筆をされます。
他の方は書き込みをお控え下さい。
佐藤莉乃は旧校舎の一室に来ていた。
彼女は呪術師、シャーマンとしての力を持つことでオカルト方面への相談がたびたび舞い込む。
今日も後輩から呪われたプリンが旧校舎の一室を占拠しているという事でそこに訪れたのだった。

takigutir

「ただでさえ旧校舎はなんか悪霊とかそーいう系がいっぱい出るって噂だけど……給食のプリンの怨念……いったいどんな……」
そう呟きながら部屋を開けると、腐った匂いだろうか彼女の鼻を異臭が突く。
よくみるとその部屋の中心には一つの机。
そしてその上に、何枚からプリント用紙と皿の上に載せられた一つのプリンが鎮座していた。

takigutir

「あれが……呪いのプリン……」
彼女は恐る恐るそれに近付く。
その周囲に散らばる年代物の色あせたプリントには、いくつかの文と裸の女性が描かれていた。

takigutir

「えーとなになに……『これは伝説のプリン』、『食べるとDHAを摂取するよりも物覚えがよくなり』、『勉強の成績がみるみる上がる』……? えええ……? いやしかし……」
莉乃は考える。
いつの物かわからない呪いのプリン。
これを食べれば数学の成績も上がるのかもしれない……?

彼女がそんなことを考えていると、突然の目の前のプリンから声が放たれた。

takigutir

「お前! 俺の! 俺の大事な大事なエロ本を……! 汚い手でさわんじゃねぇーー!」
「ひぃっ!?」
莉乃は声を上げて後ろへ飛ぶ。
プリンが喋ったら誰だって飛ぶ。
そんな彼女に対してプリンはぷるぷると震えた。

takigutir

「おおおおおーー!? よくみたら上玉の姉ちゃんじゃねぇか……! こいつは……唸るぜ……!」
そう言うとプリンは突然、その体を猛烈に震わせだす。
莉乃が身構えると、そのカラメルの中央から白濁としたキャラメルソースを射出した!

takigutir

「ホワイトソースだァーー!」
「ギャーーー!」
莉乃は持っているカバンでそれを防ぐ。
プリンの質量よりも圧倒的な量のキャラメルが彼女のカバンを汚した。

takigutir

「うわーーー! お気に入りのカバンがーーーー!」
激しい異臭を放ちつつカバンが汚される。

takigutir

「こんのクソプリン……絶対許さんからな……!」
しかし莉乃は考える。
ここまで強い魔力を持つプリン。
おそらく口に入れれば魔力は高まり、実際知能も高まる可能性がある。
それならば彼女の苦手な数学を克服できるかもしれない。

takigutir

「あんたは絶対わたしが食ーす!」
「へえこいつは光栄だな……むしろ本望だぜ……! だがそうやすやすとは食われねえぞ……むしろお前を貪り尽くしてくれるわ!」
プリンはそう言うとまたもぷるぷると震え出す。

takigutir

「シェフの気まぐれホワイトソーーーース!」
その前兆に合わせて莉乃はカバンを構える。
しかしそのドピュゥという擬音と共に放たれるホワイトソースは激しい水圧で莉乃の体を吹き飛ばした!
彼女の身体は白濁にまみれつつ教室の壁に叩きつけられる!

takigutir

「ぐぇえ……。うわ口に入った……。なにこれまっず。にっが……プリンかよ本当に……」
カラメルソースだからなァッ! 苦いのは当たり前だぁ!」
莉乃はぬめぬめとした液体を地面に吐き捨ててつつ立ち上がる。
そして右手の掌を天井に向けた。

takigutir

「ちちんぷいぷいちちんぷいぷい! 知仁武勇は御代の御宝! 痛いの痛いのFly Away!」
少女の手の上に青白い光球が出る。
彼女はそれをプリンに向かって投げつけた。

takigutir

「弾け飛べ!」
少女の掛け声と共に白球がプリンに迫る。
するとプリンはまたも高速で振動しだした。

takigutir

「はあはあはあはあ! うおおおおおおお!」
ドビュゥゥンという音ともに、プリンの下に白濁液が溢れる。
その射出圧によってプリンは空中へ跳んだ!
莉乃の出した光の球は机に直撃し、真っ二つに割った。

takigutir

「ぐおおおお! 授業中の中学生男子が発散されないその想いを画力に乗せて書き連ねたノートのエロ落描きがああああ!」
机の上に何枚かのってあった年代物のプリント用紙がバラバラに散乱する。

takigutir

「なんでそんな物がここに!? ていうかその怨念が原因なのかな!?」
「許さん……許さんぜ……! 具体的にはお前の股間にソースを絡めるまで許せねぇ。カラメルソースだけにな……!」
「くそ……逃げられるならこれで……!」
プリンの戯言をまったく無視して、莉乃はカバンから一枚の何やらたくさん文字が書かれた紙を取り出した。
白濁液の香りが彼女の鼻に届く。

takigutir

「……大丈夫かなこれ。ま、いっか」
その人型に切り抜かれた紙を放り投げる。
するとその紙は一羽の鳥に姿を変えた。

takigutir

「カイム! あのプリンをやっつけろ! 急々如律令!」
「クエーーー!」
一声鳴いたその鳥はプリンに襲いかかる!
しかしプリンはまたも震えると、白濁液を射出した!
緩急つけて撃ち放つホワイトソースにその鳥は近付く事ができない。

takigutir

「ふはははは! どうした! このわたしにかかれば鳥さえも守備範囲内! いろいろな意味でな!」
「あ、姉さん。無理っすわあれ。そもそも俺っち頭脳派なんで。こういうのはちょっと」
「えええー!? 困る! 役立たず!」
二人が言い合いをしていると、プリンが今までよりも高速に震え出す。
まるでそれは火山の爆発を予兆させるような大きな振動だった。
それに合わせて教室全体も揺れ出す。

takigutir

「お前の全身を……プリン色に染め上げてやろう!」
プリンはそう言うと少量を漏らしつつ自身のカラメル部分を莉乃に向けた。

takigutir

「カラメル・ボルケーノ!」
直径3mはあろうかという大量の白濁液が射出され莉乃を襲う!

takigutir

「あ、おつかれっしたー。俺このへんで」
天井付近へと飛んで逃げるカイムを横目に、莉乃は空中に文字を描く。
それはΨのような形のマークだった。

takigutir

「アルギズ!」
そのマークは青白い光を放ち白濁液の奔流をせき止める。
しかし勢い全てを殺しきれず、白濁の津波は彼女の足元をさらった。

takigutir

「ぎゃふっ」
べちょり、と白濁の中に倒れる莉乃。
スカートごしにカラメルソースが下着に染み込む。
怖気を感じて背筋が震えた。

takigutir

注釈:カラメルソースです

takigutir

「ハァッハァー!」
プリンが白濁液を撒き散らしながら宙へと飛ぶ。

takigutir

「やはり直接! 直に! 接触ぅっ! その股間……もらったぁーーー!!」
体勢の崩れた莉乃めがけてプリンが飛びかかる!
襲い来るプリンに対して、莉乃は手に持っていた10円玉を親指で弾いた。

takigutir

「……次のテストの結果はどうなるかな……」
「何っ……?」
彼女の弾いた10円玉がくるくると宙で回る。

takigutir

「――こっくりさん狐狗狸さん!」
その10円玉は一直線にプリンの中心を貫いた。

takigutir

「ぐ……お……」
プリンはべちゃりとその場に崩れ落ちる。
貫通した10円玉は鳥から既に戻っていた50音表の紙の上に乗っていた。

動かなくなったプリンを眺めて、莉乃は安堵の溜息をつく。

takigutir

「……さて……」
プリンをひとすくい。
ここまでの魔力の持ち主なのだから、その効果は折り紙つきだろう。
しかし周囲の白濁液にまみれた教室を見て少し気後れする。

takigutir

「……うぅーー」
しかし数学の為、受験の為、将来の為、莉乃はそのプリンをゆっくりと口に入れた。

takigutir

「んんんん~! 甘くない……! しょっぱい……苦い……磯の香りがする……うぉぇぇ……」
莉乃は吐き気を覚えて、一口でプリンを食べるのを諦めた。

takigutir

「……はぁ~」
教室を見渡すと白濁液がそこかしこに散らばっている。
片付けなければ男子中学生の怨霊がまたも呪いのプリンを生むことになるだろう。
そう思うと彼女の気はひたすら重かった。

takigutir

――次の日。

takigutir

数学の問題集を解く彼女の身体に異変が起こっていた。
そう、プリンを食べた効果だろう。
問題を見る度にすらすらと答えが出て来る。
彼女が頭で考えるよりも早く、右腕が勝手に答えを書いていくかのようだった。

takigutir

「考えなくても……わかる……! 問1……前立腺……! 問2……松葉崩し……!
 凄い! 絶対違う!!!
彼女はその右腕に自動書記の能力を加えつつ、これからも現実と戦い続けるのであった。
彼女の受験戦争はまだ始まったばかりだ!    ~完~

takigutir

タイムアップ、ここで執筆終了です!!!

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登場人物紹介

名前:佐藤莉乃
性別:女学生
設定:
「マジカルリーノ@魔法少女 フォロバします(ง ˘ω˘)ว  リムブロはご自由に(๑•﹏•)」

質問返答
【好きな物は?】
「苺のショートケーキらぶ。生クリーム永遠に食べられる(๑´ㅂ`๑)ŧ‹"ŧ‹" あとお洋服作ってます(๑•̀ㅂ•́)و✧」

【嫌いな物は?】
「勉強。数学。受験やばい」

【将来の夢は?】
「やっぱりお嫁さん(*'∀'人)♥*+ 玉の輿乗りたいね(*´﹃`*) でも堅実に公務員かな……勉強しなきゃ……」

【最近の悩みは?】
「受験嫌だ……。勉強したくない。数学全然わからん。転校したばっかで友達もいないしハゲそう」

【最近はまってる事は?】
「ついったー。作った服の自撮りを加工して上げるとみんな優しくしてくれる……。わたしは生きていても許されるんだって気持ちになる……」

【手首に傷?】
「ねーよ殺すぞ」

能力:マジックユーザーEX
古今東西にて信じられ行使されていた魔法・呪術・妖術等のまじないを使用する事ができる。

相手を倒したい理由:
受験に有利になると聞いて

名前:プリニスト
性別:男
特殊能力:『射カラメル』
相手の顔、全身をオカズにプリンの身をくちゅくちゅして相手にカラメルをぶっかける
設定:プリンとして生まれたプリニストは幼い頃から性欲が強く、エロ本などを読んではカラメルを噴射していた。大人になった今でも性欲は衰えず、噴射するカラメルの量は日に日に増え続けている。勿論、ゴミ箱には常にカラメルが染み付いたティッシュが大量に盛られている。カラメルは栗の花の香りがする。
相手を倒したい動機:エロ本とられたから

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