第五十三幕!トリカブト

文字数 6,443文字

事件とは、予期せぬタイミングで起こるものだ。
それは、ニペソツ山攻略戦に向けた最終調整が行われた数時間後に兵士たちを襲う。
俺はその日、最終調査を終えてから1人で敵陣を眺めに山の頂にいた。するとカネスケから電話がかかってくる。こんなときに何事かと話を聞くと、あまりにも深刻な事態で驚きを隠せなかった。
なんと兵士達が集団食中毒にかかり、この短時間で10人の死亡が確認されたのだと言う。
原因はトリカブトの猛毒で、少なくとも誰かが悪意を持って混ぜたことに間違いはない。俺はすぐに革命団の安否を確認したところ、偶然にもメンバーは全員無事だったようだ。
だが、事は重大だ。俺は山頂を後にして、カネスケらのいる本陣へと戻った。





参謀本部のある天幕へ戻ると、すでにサクが犯人探しを始めていた。
将兵達が、自己弁護を繰り返している。サクは、相変わらずキレ散らかし、側近達は萎縮しきっていた。
首長であるイソンノアシは、全員の顔を見つめながら、この中に犯人がいないことを願うような顔をしている。先生は、目を閉じて何かを考えているようだ。
サクは、俺が入って来たのを確認するとこちらを見た。


「おい蒼。何か知っている事はないか???」


「いや何も知らない。 それよりも状況すら曖昧なんだ、説明をするのが先だろ?」


するとサクは説明を始めた。
早朝、最終調整の後、兵士たちに朝食が振舞われた。メニューは雑炊と簡単な漬物だ。
まるで戦国時代の足軽の弁当並みに質素だと思われるかもしれないが、これもイソンノアシが考えた兵士の指揮をあげる為の秘訣なのだ。
AIMは、戦に勝つと盛大な慰労会をしたり、勲章や賞与が授与されたりする。普段質素な生活をしていれば、その恩恵を得た時に感じる感動やそれらに対する期待が高まる。
故に、兵士たちはこの質素な状況の後にある楽しみの為に、全力で戦を終わらせようと必死になるのだ。これはもちろん訓練期間も同様で、訓練で成果をあげた者ほど良い待遇が受けられる。
AIMは、飴と鞭を上手く使い分けているのだ。
そんなAIM軍の質素な朝食に毒物が混ぜられた。
配給された雑煮から、致死量を遥かに上回るトリカブトの猛毒が検出されたのだ。
食中毒に陥った兵士は、1人、また1人と今もなお死者数を増やし続けている。
トリカブトの毒に対する解毒剤は、世界でいまだに開発されていない。だから、既に口にしてしまった兵士を助け出す事はほぼ不可能で、苦しみ悶えながら死んでいく様を見届ける以外ないのだ。現に雑煮を口にした約700人の兵士が死体へと変わった。
革命団メンバーは、運よく難を回避したが、それが原因でサクから疑いの目を向けられることになる。
そんな時だ、猛将イタクニップがサクの方を見た。


「大変申し上げにくいお話なのですが、昨晩犯人らしき人物を目撃しました。」


サクは、彼に詰め寄った。


「なんだと?
なぜそれを早く言わねえんだ??????」


イタクニップは、気まずそうな顔をする。
サクの顔が険しくなる。


「早く言え!何を隠している!!!」


「申し訳ございません。実を言いますと、女みたいな髪の長い長身の男が、昨晩食料庫へ向かって歩いていく姿を見ました。その男は、片手に大きな扇子を所持しておりまして、そのシルエットから、諸葛先生に違いありませんでした。」


一同は驚愕する。特にサクと俺は、イタクニップの発言へ耳を疑った。
俺は、彼に詰め寄った。


「先生がそんな事するわけないだろ!!」


「い、いえ。あのシルエットは、先生以外見たことがございません。」


俺は、先生の方を見た。


「先生、そんなことしてないよな??」


先生は何も言わず、するわけがないだろと言った目でこちらを見た。
片手には相変わらず扇子が握られている。
サクは、イタクニップに怒鳴り散らした。


「お前は何を言っているのかわかっているのか!真がどれだけAIMを勝利に導いて来たか知っているだろ!そんな男が、わざわざこんな悪ふざけすると思うか??」


イタクニップは萎縮してしまった。すると、外から毒薬の調査員が戻って来た。


「サク様。食料庫からこのような物が見つかりました。」

それを見て、俺は驚愕していた。
彼らの手には、紛れもなく先生の物と思われる黒くて長い直毛が二本摘まれていた。
サクは、信じられないという顔で、唇を震わせながらそれを見つめていた。





サクは、しばらく下を向いて俯いていた。彼の中でのショックは相当でかかったのだろう。
その場にいた全員は、サクを心配する反面、先生の方へ注目した。
イソンノアシは、半信半疑のようだ。


「真、お主がこんなことするはずないじゃろ?」


先生は相変わらずだんまりを決め込んだ。


サクが顔を上げて先生の方へ詰め寄る。


「どういうことなんだよ??????」


先生は何も言わない。
俺は、そんな先生の代わりに間へ入る。


「落ち着けサク。まだそうと決まったわけじゃない。」


彼は、感情任せに怒鳴り散らす。


「弁明くらいあっても良いだろうが?!?!」


俺は先生を問いただした。


「先生!説明をしてくれないとみんな納得いかないぞ!」


先生は俺を見た。


「やっておりません。」


きっと彼は、俺のことを立てるために言を発してくれたのであろう。そうこうしている間にも、サクの怒りはヒートアップする。
すると、まるでそれを見かねたかのように、雪愛が会話に入り込んできた。


「私も昨晩、先生が倉庫へ入っていくの見たさ。」


一同の視線は、雪愛に集まる。
俺は彼女の方へ顔を向けた。


「雪愛。嘘だと言ってくれ!」


「嘘じゃないよ。あれは絶対に先生だった。先生と間近で話したことがあるから、雰囲気でわかるし、その見つかった髪も、先生ので間違いないよ。」


俺は彼女に苛立ちを覚えた。


「確定もしてないのに、事実のように言うなよ!!」


雪愛の顔は真剣だった。


「ほぼ確定やん。」


「なんだと?
先生には、こんなことをする動機もない。バカにするのも大概にしろ!」


雪愛の口角が少しばかり上向いた。


「動機がない?
何言ってるん。動機あるやん。」


先生は、また沈黙を貫いている。
雪愛は先生の方を見た。


「新しい国を作るために、AIMの戦力を削ること。それから内部にスパイがいると思わせて味方の不安を煽り、それを自らが解決することで、首長を超えて崇拝される存在になることが動機でしょ!」


俺は流石にブチ切れた。


「この汚物が!!いい加減なことぬかしやがって!!!」


すると雪愛は、哀れみの表情こちらを見て来た。


「リーダーも共犯って可能性あるよね?」


その発言を聞いた時、俺は拳銃を抜いていた。
彼女めがけて引き金を引こうとした。
だが、それをイソンノアシが諌めた。


「蒼どの、止しなさい。」


ずっと見ていたカネスケが、流石にまずいと俺の腕を掴んだ。俺は2人の行動により、何もせず、ただただ呆然と雪愛の方を見ていた。
彼女は懲りる事はない。


「本当のことだからね。」


そう言い残して参謀室から出て行く。先生は彼女を穏やかな目で見つめていた。
荒れた会議を仕切り直すために、イソンノアシは会議を中断。全兵士に命じて、食料および陣内の徹底調査を命令する。
だが、サクやAIM幹部達は、先生を憎しみのこもった目で見つめていた。





陣内にスパイがいるかもしれない。そしてそのスパイというのが、先生や蒼なのかもしれない。
サクは、疑心暗鬼にかられ、旭川攻略作戦の中断をイソンノアシに提言。彼自身は、周囲の人間を疑いの目で見るようになっていた。
その最中に、さらなる事実が襲い掛かる。
なんと、先生の天幕付近の地中で、例のトリカブトの毒薬が埋まっているのが発見されたのだ。
サクは、もうすでに先生を信用できなくなってしまった。
彼だけではない。AIM軍の兵士のほとんどが、自分の仲間を毒殺した人間は先生に違いないと思い込み初めている。
サクは、このトリカブト発見の事実をイソンノアシへと報告。イソンノアシは大層悲しんでいたのだとか。
当の先生は、自らの天幕へと引きこもり出てこなくなってしまう。俺が訪ねても、取り込み中と言われて追い返されてしまう。
俺は、リーダーの権限を使って強制的に顔向けさせるといった方法も取る事は出来た。しかし、心の奥で先生のことを信じ続けていたから、彼には考えがあるのだと自分を納得させてその場を後にした。





先生が疑われてから3日が経った。相変わらず陣中では不穏な空気が流れ続けている。参謀会議では昼夜問わず、先生に対する処遇と、軍の撤退について話し合いが行われた。
この毒物の一件を官軍側はまだ把握していないのか、動く気配を全く見せてこない。俺はその官軍の態度が妙に気味が悪く、嵐の前の静けさのように感じるのだった。
俺は、この日の晩も、いつも通り典一や長治と戦闘稽古を行い、自分の天幕へ戻る予定だった。
戦闘稽古中に2人から、夜の営みについておちょくられることがある。しかし俺は、戦場に滞在中は彼女を抱くことができない。なぜなら、戦場にいる間はお互い風呂に入れない。特に俺は汗をかくから、彼女に臭いと思われたくないのだ。
俺も早く旭川を攻略して、紗宙と幸せな営みをしたい。それもあって、この行軍の停滞に苛立ちを覚えていた。
こんなくだらん邪念を思い浮かべ、歯を磨いていた時だった。また陣営がざわつき始める。官軍が動き出したのだろうか。そう思った俺は、すぐさま着替えて参謀本部へと馳せ参じた。
するとそこには誰もいない。外へ出ると騒がしいのは、どうやらイソンノアシの天幕だった。
俺は、降り積もる雪に足を取られながら、急ぎイソンノアシの元へと向かう。
天幕に入ると、サクを中心にAIM幹部が集結している。


「サク、一体どうしたんだ??」


彼は、重たい顔でこちらを見た。


「親父が殺されかけたんだよ。忌々しい例の毒でな。」


「トリカブトか?」


「ああ。親父がいつも使用するグラスの口元に塗られていた。あいにく鼻が良かったから、匂いで毒を見つけることができたそうだ。だが、少しでも気づくのが遅ければ親父は死んでいた。」


彼は、悔しそうな表情を滲み出していた。
俺がイソンノアシの顔を見ると、彼も険しい顔をしている。
サクは俺の方へ寄ってきた。


「なあ蒼。俺は、こんな汚い方法で味方を殺そうとする奴が許せないんだよ。」


彼は、すっかり俺や先生がスパイだと疑いきっているようだ。


「俺たちはやってない!わかってくれ!」


するとサクは、ため息をついて言う。


「そろそろ正直になれよ。」


「何が言いたい?」


「こっちは、諸葛真にアリバイがない確固たる証拠もあるんだよ。」


「でっち上げか?」


サクは余裕そうな顔をした。そして、彼の側近のユワレに状況を話させた。
どうやらAIMは、イソンノアシの許可を得て、先生の部屋に強制捜査へ入ったそうだ。するとそこには、イソンノアシの印鑑や、彼専用のペンなども見つかった。
これらは、イソンノアシが兵士に指示を出す際に使用するものであり、先生がAIMを乗っ取ろうとしているという動機の確固たる証拠になってしまう。
それを突きつけられた俺は、もう何が何だかわからなくなってしまった。先生は俺に対しても、よく隠して作戦を実行することがあった。まさか、今回も革命団のために何かしようとしていたというのか。そんなことが頭によぎり、いてもたってもいられなくなる。


俺が困った顔をしているとサクは言う。


「それだけじゃないぜ。昨晩人気のない陣中をうろつく真の姿を目撃した兵士もいる。これらのことから、あいつは危険極まりない人物だ。」


俺は何も言い返せなかった。
彼は冷めた顔でこちらを見た。


「絶対に証拠見つけ出して死刑にしてくれる。」


俺と、俺に対してそう言い張るサクに、イソンノアシが言葉をかけた。


「蒼どの、すまぬな。サクもこのAIMを背負う者として必死なのじゃ。許してやってくれ。」


「首長。首長も先生を疑っているのか?」


イソンノアシは静かに目を閉じた。


「わからん。じゃが、彼が犯人だと肯定できる目撃情報と証拠、それに動機も揃ってしまった。残念なことじゃが、それが事実じゃ。」


俺は声を張り上げた。


「先生は、どうなってしまうんだ!!!!!」


イソンノアシは考え込んだ。
サクは、俺を嫌味な顔で睨んでくる。


「残念だが、反逆罪は死刑なんだよな。」


俺は彼をぶん殴ろうとする。
するとイソンノアシが口を開く。


「真は、しばらく帯広で謹慎してもらうことにしよう。」


イソンノアシは、悲しそうな顔をしていた。きっと謹慎処分という答えが、怒りに燃えるAIM兵士やサクを納得させ、さらには先生への配慮を考えた、最大限の良案だったのだろう。
だが、それでも俺は諦めきれなかった。


「首長。先生は本当にやっていない!!」


「蒼どの。真が犯人なのか、そうでないのか見極めるためにも、一度この現場を離れてもらったほうが良い。わかってはくれぬか?」


イソンノアシも先生との関係は長い。彼の人となりもよく知っている。それがゆえに苦渋の決断だったのだろう。
喚き散らそうと考えたが、彼の真っ直ぐな瞳を見て、彼が先生を犯人だと思っていないことが伝わってきた。謹慎処分も先生を救うための決断なのだ。
俺は、それ以上何も言わず。イソンノアシの決断を受け入れることを決めた。





翌朝。イソンノアシにお願いして、俺の口から先生へ処分を言い渡すことを決めた。
先生がどう思っているか知らないが、彼は一応俺の部下なのだ。リーダーである俺が処分を下すのが道理という物である。
早起きをして準備を整える。すると、AIM兵士たちの噂話が聞こえてきた。人の話を盗み聞きすることは得意だ。学校で、会社で、家庭でいじめられていた時、しょっちゅう敵の話を盗み聞きしたものだ。
兵士達の噂話によると、軍の中では、先生がAIMを支配しようとしているという噂が囁かれているらしい。そのせいで、参謀部を疑う物も現れ、軍の団結に乱れが生じ始めていた。
これが現実なのか。そう悲観しながら、先生の天幕へとやってくる。
そして、先生に挨拶をすると、返事が返ってきた。天幕の中へ入ると、そこにはいつも通り余裕な顔をした先生がいた。


「リーダー。多大なるご迷惑をおかけして申し訳ございません。」


「いや、先生は誰かにはめられているんだ。」


「そうかもしれません。ですが、渦中の人となり、革命団に不利な立ち振る舞いをしたことは事実。大変不甲斐なく思っております。」


そう深々と頭を下げる彼を見て、悔しさが隠しきれなかった。
先生は、絶対にあんなことするわけがない。今からでも再度抗議したい気分である。


「リーダー。私に処分を言い渡しにきたのでしょう。」


俺の行動は全て見抜かれている。彼は、まるで未来予知か透視でもしているかのように、物事の先の先を見ている人だ。
絶対にはめられている。いや、はめられることすら計算の内なのか。
その真相は彼自身にしかわからない。


「あ、ああ。忘れていた。処分が決まったんだ。」


「そうですか。では、お申し付けください。」


「帯広にて、しばらく謹慎しておくようにとのことだ。」


先生は笑みを浮かべた。


「イソンノアシは、情をかけてくれたのですね。」


「そうだろうな。だから先生。必ず真犯人を見つけ出すから、しばらくゆっくりしていてくれ。」


すると、先生は大笑いした。


「ははははは。では、ゆっくりと戦いを見物させていただきましょう。」



彼は、常に何かを考えている。
俺はそれを信じて、事細かく何かを伝えることなく彼を見送った。
見送る際、先生が一言だけ俺に残した言葉があった。


「気をつけてください。彼女の狙いは、おそらく青の革命団を消すことです。」


その意味を問いただす間も無く、先生を乗せた軍用車は帯広へ向かって走り出していた。
俺は、その言葉の意味をなんとなく理解しながらも、先生不在のAIMについて考えるのであった。
そして、この状況を満面の笑みでほくそ笑んでいた人物は、物陰で密かに電話をしていた。
この日を境に、AIMと官軍は再び動き出すことになる。







(第五十三幕.完)
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登場人物紹介

・北生 蒼(きたき そう)

本作シリーズの主人公であり、青の革命団のリーダー。

劣悪な家庭環境と冴えない人生から、社会に恨みを抱いている。

革命家に憧れて、この国を変えようと立ち上がる。

登場時は、大手商社の窓際族で、野心家の陰キャラサラリーマン。

深い闇を抱えており、猜疑心が強い。

自身や仲間を守るためになら手段を選ばず、敵に残忍な制裁を加えて仲間から咎められることも多い。

非常に癖のある性格の持ち主ではあるが、仲間に支えられながら成長していく。

仙台にて潜伏生活中に、恋心を抱いていた紗宙に告白。

無事に彼女と恋人関係になった。



・袖ノ海 紗宙(そでのうみ さら)

青の革命団メンバー。

蒼の地元の先輩であり、幼馴染でもある。

婚約者と別れたことがきっかけで、有名大学病院の医療事務を退社。

地元に戻ってコンビニでバイトをしていた。

頭も良くて普段はクールだが、弟や仲間思いの優しい性格。

絶世の美人で、とにかくモテる。

ある事件がきっかけで、蒼と共に旅をすることになる。

旅の途中でヒドゥラ教団に拉致監禁されるが、蒼たち青の革命団によって無事救出される。

そして蒼からの告白を受け入れ、彼とは恋人同士の関係になった。


・直江 鐘ノ助(なおえ かねのすけ)

青の革命団メンバー。

蒼の大学時代の親友で、愛称はカネスケ。

登場時は、大手商社の営業マン。

学生時代は、陰キャラグループに所属する陽キャラという謎の立ち位置。

テンションが高くノリが良い。

仕事が好きで、かつては出世コースにいたこともある。

プライベートではお調子者ではあるが、仕事になると本領を発揮するタイプ。

蒼の誘いに乗って、共に旅をすることになる。

結夏に好意を抱いており、典一とは恋のライバルである。


・諸葛 真(しょかつ しん)

青の革命団メンバー。

蒼が通っていた自己啓発セミナーの講師。

かつては国連軍の軍事顧問を務めていた天才。

蒼とカネスケに新しい国を作るべきだと提唱した人。

冷静でポジティブな性格。

どんな状況に陥っても、革命団に勝機をもたらす策を打ち出す。

蒼の説得により、共に旅をすることになる。

彼のおかげで今の革命団があると言っても良いくらい、その存在感と功績は大きい。

革命団のメンバーからは、先生と呼ばれ親しまれている。


・河北 典一(かほく てんいち)

青の革命団メンバー。

沼田の町で、格闘技の道場を開いていた格闘家。

ヒドゥラ教団の信者に殺されかけたところを蒼に助けられる。

それがきっかけで、青の革命団に入団。

自動車整備士の資格を持っている。

抜けているところもあるが、革命団1の腕っ節の持ち主。

忠誠心も強く、仲間思いで頼りになる存在でもある。

カネスケとは結夏を巡って争うことがあるが、喧嘩するほど仲が良いと言った関係である。


・市ヶ谷 結夏(いちがや ゆな)

青の革命団メンバー。

山形の美容院で働いていたギャル美容師。

勝気でハツラツとしているが、娘思いで感情的になることもある。

手先が器用で運動神経が良い。

灯恵の義理の母だが、どちらかといえば姉のような存在。

元は東京に住んでいたが、教団から命を狙われたことがきっかけで山形まで逃れる。

流姫乃と灯恵の救出作戦がきっかけで、革命団と行動を共にするようになる。

山寺の修行で投げナイフの技術を取得。持ち前のセンスを活かして、革命団の危機を何度も救った。

蒼や先生は、彼女のことを天才肌だと高評価している。

革命団のムードメーカー的存在でもある。


・市ヶ谷 灯恵(いちがや ともえ)

青の革命団メンバー。

結夏の義理の娘。

家出をして生き倒れになっていたところを結夏に助けられた。

15歳とは思えない度胸の持ち主。

コミュ力が高い。

少々やんちゃではあるが、芯の通った強い優しさも兼ね備えている。

秋田公国に拉致されたところ、革命団に助けれる。

それがきっかけで、共に行動することになる。

戦場では戦えないものの、交友関係を作ったりと、陰ながら革命団を支えている。

先生から才を認められ、彼の弟子のような存在になりつつもある。


・関戸 龍二(せきど りゅうじ)

青の革命団メンバー。

『奥州の龍』という異名で恐れられた伝説の不良。

達也に親族を人質に取られ、止むを得ず暴走天使に従っていた。

蒼と刃を交えた時、彼のことを認める。

革命団が達也から両親を救出してくれたことに恩を感じ、青の革命団への加入を決める。

寡黙で一見怖そうだが意外と真面目。

そして、人の話を親身になって聞ける優しさを兼ね備えている。

蒼にとって、カネスケと同等に真面目な相談ができる存在となる。

真冬の北海道でもバイクを乗り回すほどのバイク好き。


・酒々井 雪路 (しすい ゆきじ)

青の革命団メンバー。

かつては政治家を目指して、東京の大学で法律を学んでいたが、少数民族の為に戦いたいという思いから北海道へ渡り、AIMに参加する。

ツーリングが趣味で、それ故に機動部隊へと配属されてしまう。

だが、そこで龍二と出会い、彼の紹介で青の革命団へと加入。蒼や先生とともに、新国家の憲法作成することになった。



※第三十八幕から登場

・イカシリ

青の革命団メンバー。

AIM軍の腕利きのスナイパーで、アイヒカンの部隊に所属していた。

射撃の腕は一流で、雪愛(美咲)から密かにライバル視されている。

南富良野で蒼と一緒に戦った時、彼に才能を認められ、次第と行動を共にすることが多くなる。そしていつの間にか、蒼の配下のスナイパーとなり、彼の元で官軍と壮絶な銃撃戦を行う。

服が好きで、アイヌの伝統衣装を自分でアレンジして作った服を着こなしている。



※第三十六幕から登場

・間宮 恋白 (まみや こはく)

青の革命団メンバー。

麟太郎の娘で、年齢は4歳。

生まれたばかりの頃、麟太郎が官軍に捕えられてしまい、母子家庭で育つ。

紋別騎兵隊が街に侵攻した時、母親を殺され、更には自分も命を狙われるが、サクの手により助けられた。

それから灯恵の力により、北見の街を脱出して、一命を取り留める。

命の恩人でもある灯恵のことを慕っている。また彼女から実の妹のように可愛がられており、「こはきゅ」という愛称で呼ばれている。



※第四十四幕から登場

・間宮 麟太郎 (まみや りんたろう)

青の革命団メンバー。

恋白の父親で、元銀行員。

網走監獄に捕らえられていたが、AIMの手により助け出された。

娘が灯恵により助けられたことを知り、何か恩返しがしたいと青の革命団に参加する。

経済について詳しく、蒼からは次期経済担当大臣として、重宝されることになる。

また長治とは、監獄で共に生活していたので仲が良い。



※第五十一幕から登場

・許原 長治 (ゆるしはら ちょうじ)

青の革命団メンバー。

元力士。北海道を武者修行していた時、AIMに協力したことがきっかけで、網走監獄に捕らえられていた。

囚人達からの人望が熱く、彼らをまとめ上げる役を担っていた。

AIMに助けられた後は、青の革命団に興味を持ち、自ら志願する。

典一と互角にやりあうほど喧嘩が強く、蒼や先生からの期待は厚い。

監獄を共に生き抜いた間宮と、その娘の恋白とは仲が良い。



※第四十三幕から登場

・レオン

紗宙が飼っている茶白猫。

元は帯広市内にいた野良猫であったが、紗宙と出会い、彼女に懐いてAIM軍の軍用車に忍び込む。

大雪山のAIM陣で紗宙と再会して、彼女の飼い猫になった。



※第五十二幕から登場

・石井 重也 (いしい しげや)

青の革命団メンバーであり、日本の国会議員。

矢口宗介率いる野党最大の政党、平和の党の幹事長を勤めている。

党首である矢口から命を受け、用心棒の奥平とともに北海道へ渡航。先生の紹介で蒼と会い、革命団への加入を果たす。

政治に詳しい貴重な人材として重宝され。雪路とともに、新国家の憲法作成に携わっていくこととなる。

頑固で曲がったことが嫌いな熱い性格だが、子供には優しいので、恋白から慕われている。

元青の革命党の党員でもあり、革命家の江戸清太郎と親しい関係にあった為、革命家を志す蒼に強く共感していく。



※第五十四幕から登場

・奥平 睦夫 (おくだいら むつお)

青の革命団メンバー。

平和の党の幹事長である石井の用心棒として、共に北海道へ渡航。先生の紹介で蒼と会い、革命団への加入を果たす。

石井とは青の革命党時代からの知人で、かつて彼の事務所で勤務をしていた。その頃、江戸清太郎の演説を聞きに来ていた蒼にたまたま遭遇している。

普段は物静かだが、心の中に熱い思いを持った性格。



※第五十四幕から登場

羽幌 雪愛(はほろ ゆあ)

札幌官軍三将の豊泉美咲が、AIMに潜入する為の仮の姿。

青の革命団について調査する為に、蒼や先生に探りを入れたり、時には彼らの命を狙う。

その一方で、スナイパーとしてAIM側で戦に参戦。戦力として大いに貢献。紗宙や灯恵と仲良くなり、彼女らに銃の手解きをする。

また、その関わりの中で紗宙の優しさに触れ、スパイであることに後ろめたさも生まれてしまう。

性格はポジティブで明るいが、裏に冷酷さも兼ね備えている。



※第三十五幕から登場

・矢口 宗介 (やぐち そうすけ)

国会議員で、先生の旧友。

27歳の若さで初当選を果たし、33歳で野党最大の政党である平和の党の党首まで上り詰めた。

温厚で正義感が強く、日本国を腐敗させた神導党と激しく対立。神導党の後継団体であるヒドゥラ教団から、命を狙われている。

内からの力だけでは日本国を変えられないと判断して、旧友である先生が所属する革命団に未来を託すべく、石井と奥平を北海道へと派遣した。

蒼や先生にも負けず劣らずのロン毛が特徴。



※第五十四幕から登場

・イソンノアシ

AIMの首長であり、英雄シャクシャインの末裔。

サクの父親でもあり、温厚で息子思いの性格。それ故に、AIM軍や統治領域の民衆からの人望が厚い。

諸葛真が大学生の頃、遭難から救ったことがきっかけで、彼とは親友の仲になる。

サクの和人嫌いというトラウマを克服させる為に、彼を革命団の案内役に任命した。


・サク

イソンノアシの息子で、英雄シャクシャインの末裔。

毒舌で攻撃的な性格。

実行力と統率力、そして軍才があるので、AIM関係者からの人望が厚い。また父を尊敬していて、親子の関係は良好。

しかし、交戦的で容赦がないので、札幌官軍からはマークされている。

かつては、温厚かつ親しまれる毒舌キャラだったが、恋人を官軍に殺されたから変貌。和人を軽蔑して、見下すようになったという。

殺された恋人と瓜二つの紗宙へ、淡い好意を寄せる。



・ミナ

サクの元婚約者。

アイヌ民族の末裔で、自らの出自やアイヌの文化に誇りを持っており、北海道を愛していた。

2年前、裏切り者の手によってサクと共に捕らえられる。

そして、彼の目の前で、松前大坊に殺された。



※第三十三幕と第五十幕で登場

・ユワレ

サクの側近であり、幼馴染でもある。

正義感が強く、曲がったことが好きではない性格で、みんながサクを恐れて諌めようとしない中、唯一間違っていることは間違っていると言ってのける存在。

また忠義に熱く、蒼から何度も革命団への入団オファーを受けるが、全て断り続けている。



※第三十三幕から登場

・アイトゥレ

AIM幹部の筆頭格で、イソンノアシやサクの代わりに、軍の総大将を務めることも多々ある。

歴史ファンで、特に好きなのが戦国時代。お気に入りの武将は本多忠勝。

道東遠征で、共に戦うカネスケの才を見抜き、別働隊を任せるなど、彼に軍人としての経験をつませる。



※第三十八幕から登場

・京本 宗男(きょうもと むねお)

北海道知事であり、札幌官軍の代表。

日本政府の指示の元、北海道の平和を守る為に、AIMとの紛争に身を投じた。

政府に忠誠を尽くす一方で野心家でもあり、いつかは天下を取ろうと画策している。

それ故に、紛争を理由に軍備の増強を図る。

人の能力を的確に見抜き、公平な評価を下すことから、部下からの信頼は厚い。

公にはしていないがヒドゥラ教団の信者で、土龍金友のことを崇拝している。



※第三十二幕から登場

・土方 歳宗 (ひじかた とししゅう)

札幌官軍三将の筆頭で、身長190㎝超えの大男。

京本からの信頼も厚く、札幌官軍の総司令官の代理を務めることもある。

武術の達人で、国からも軍人として評価されており、一時期は先生と同じく国連軍に所属していた経験もある。

北海道の治安を守る為にAIMとの戦争で指揮を取るが、特にアイヌやAIMを憎んでいるわけではない。

部下からも慕われていて、特に美咲は彼のことを尊敬している。また彼女と同様に松前の残虐非道な行為をよく思ってはいない。



※第五十一幕から登場

・豊泉 美咲(とよいずみ みさき)

札幌官軍三将の1人。

セミロングの銀髪が特徴的なスナイパー。銃の腕前は、道内一と言われている。

性格はポジティブで、どんな相手にも気軽に話しかけられるコミュ力の持ち主。

京本からの指示を受け、青の革命団の実態調査の任務を引き受ける。

キレ者で冷酷な所もあるが、非道な行為を繰り返す同僚の松前を心底嫌っている。



※第三十ニ幕から登場

・松前 大坊(まつまえ だいぼう)

札幌官軍三将の1人。

人柄はさておき、能力を買われて三将の地位まで上り詰める。

サクの恋人を殺害した張本人。

類を見ない残忍性で、AIMおよびアイヌの人々を恐怖に陥れた。

再びAIM追討部隊の指揮官に任命され、AIMと革命団の前に立ち塞がる。



※第三十ニ幕から第五十幕まで登場

・エシャラ

イソンノアシの弟で、サクの叔父に当たる人物。

元AIMの幹部で、考え方の違いから、札幌官軍に内通して寝返る。

サクとミナを松前大坊へ引き渡し、ミナの殺害に少なからず加担した。

温厚だが、自分の信念を曲げない性格。

AIMをえりもへ追いやって以降は、松前の手先として帯広地域を統治していた。



※第三十三幕〜三十四幕で登場

・御堂尾 神威 (みどうお かむい)

紋別騎兵隊の副隊長。

日本最恐の軍隊と恐れられる騎兵隊の中でも、群を抜く武勇と統率力を誇る。

しかしその性格は、冷酷で自分勝手で俺様系。

人を恐怖で支配することに喜びを覚え、敵対した者は、1人残らず殺し、その家族や周りにいる者、全てを残忍な方法で殺害。

また、騎兵隊の支配地である紋別の町では、彼の気分次第で人が殺され、女が連れさらわれていた。

その残酷さは、松前大坊と匹敵するほど。

結夏に因縁があるのか、執拗に彼女のことを狙う。



※第四十一幕から登場


・御堂尾 寿言 (みどうお じゅごん)

神威の弟で、紋別騎兵隊の隊員。

兄と同じく残忍な性格。

兄弟揃って紋別の町にふんずりかえり、気分で町の人を殺したり、女性に乱暴なして過ごしている。

食べることが好きで、体重が100㎏を超えている大男。

兄の神威と違い、少し間抜けな所があるものの、他人を苦しめる遊びを考える天才。

大の女好き。



※第四十二幕から第四十八幕まで登場

・北広島 氷帝 (きたひろしま ひょうてい)

紋別騎兵隊の隊長で騎兵隊を最恐の殺戮集団に育て上げた男。

『絶滅主義』を掲げ、戦った相手の関係者全てをこの世から消すことを美学だと考えている。

松前大坊からの信頼も厚く、官軍での出世コースを狙っていた。



※第四十六幕から第四十九幕まで登場

・仁別 甚平 (にべつ じんべえ)

黒の系譜に選ばれた者の1人。

カニバリズムを率先して行い、雪山で焚き火をして遭難者を寄せ付け、殺害しては調理して食べる、という行為を繰り返している。

特に若い娘の肉を好んで食す。

リンに狂酔しており、彼女の興味を一心に浴びる蒼を殺そうと付け狙う。



※第四十二幕から登場

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