第80話 このまま処女だけを 奪い去りたい

文字数 3,903文字

「考えずに感じろ。感じたままに、行動してみろ。
 特にお前はな」

 そう言いながら、グランが背後からレスペに襲いかかる。
 簡単に後ろを取られたショックと唐突な凌辱の再開に、レスペの対応が遅れる。

「ああうぅ……」

 グランは片手でレスペの乳を乱暴に下から揉みしだき、片手で秘部をイジッてやる。
指二本を秘部に入れ、奥のスポットで軽く曲げる。
そのまま、出し入れを始める。

「お前の股ぐら、スンナリと俺の指を受け入れたぞ。
 弟が病気でどうのこうのと騒ぎながら、こんなに濡らしやがって。
 お前は自分さえ気持ち良ければいい牝奴隷なんだ」

 グランに罵られて、言い返そうとする。
 だが尻に、グランがイチモツをグイグイとこすりつけてくる。
 感触で分かるイチモツの人外の巨大さに、レスペは背筋が凍った。
 こんな男の人の大きいモノ、上のお口にも下のお口にも入らない。

「ああああああああっ!」

 激しく秘部を二本指で掘られ、
 ピシュウッ!
 と音を立てて潮を吹いてしまう。
 潮を吹いた後は、秘部を撫でられ、肉真珠をイジられたりと、無毛の丘を我が物顔で(なぶ)られてしまう。
 それでいて、グランの舌はレスペのうなじを丁寧に舐め、背骨に沿って背中を舐め上げられる。
 緩急をつけた性技で、レスペは生まれて初めて、気絶しそうな程の快感を味わっていた。
 意識が飛びそうだ。
 が、気力で繋ぎ止める。
 自分は、世界一位の戦士になるのだ。
 そのためには、今、犯されるわけにはいかない。
 処女を奪われてはいけない。

「レスペ。お前、処女を失うことを恐れているだろう?」

 ズバリとグランに言い当てられる。

「処女が掟のヴァルキリーで、
 犯されたら上を目指せないとでも考えているのか?
 大きな勘違いだ」

 ムッチリとした尻を巨根で(さす)られながら、耳元でグランが囁く。

「神殿の聖女達もヴァルキリー上層部も、レズが横行してる。
 それも男女の性交より激しい、苦痛を快楽に変える調教がな」

「う、うそ、だ……。な、何でお前は、そんなことを……知っている?」

「俺はラントで、凌辱師や調教師の鍛錬を積んだ。
 その修行中、夜の神殿に忍び込んだ。
 俺の師匠・ブルガが若い聖女を縄で拘束して、鞭打っていた。
 挙句、前の口はもちろん、尻穴にも異物を突っ込んでいた。
 若い聖女はヒイヒイ言いながら小便を洩らし、モリモリと排泄していた。
 それを見たブルガは大笑いしていた」

 全てが信じられなかった。
 お世辞にも環境がいいとは言えない幼少期を過ごしたレスペにとって、神殿は唯一の清き場だったのに。

「しかも、お前達が尊敬しているドール副将軍だがな。
 俺とリーナをサウル村からさらった、あの女だ。
 あいつは神殿内どころか、
 野外で堂々とヴァルキリーの隊員同士、愛し合っていたよ」

 全て、信じたくない。
 だが、グランの声音に嘘の響きはない。
 真実だろう。
 ならば、(かたく)なに処女を守っていた自分は、ただの愚か者でしかない。

「レスペ、自分を責めるな。自分を攻撃するんじゃない。
 性交による快楽で、本当の自分を解放してやるんだ」

 本当の自分。
 解放。
 それらの単語は、レスペの胸に刺さった。
 物心ついたときから、家族のために生きてきた。
 そして家族のためにと、所属する組織に忠誠を誓ってきた。
 自分の人生で、自分が自分らしく生きた瞬間があっただろうか? 

「アアグッ!」

 グランの二本指が、今度は尻穴に侵入してくる。
 ドロリと濡れているせいか、指はスムーズに尻穴へ吸い込まれていった。

「レスペ。正しい女の在り方は、一つしかない。
 女は男を悦ばせるために、生まれてきた。
 それ以外に、存在意義はない。
 まず、これを認めろ」

「な、なんて……か、かかかか、かってな……アッギィ!
 お、お尻の穴、やめて!」

 思わず叫んでしまった。
 それで野営している他のメンバーが起きて、助けに来てくれるとは思っていない。
 最初に大声を出して助けを呼ばなかったのは、グラン相手では無駄だと分かっていたからだ。
 そんなことは見越して、手を打っているに決まっている。

「尻の穴がどうした? 言ってみろ。自分の気持ちに正直になれ。
 お前は、男に一生をかけてご奉仕する、牝奴隷を目指す。
 そのためにはまず、自分の快楽に正直になれ。
 そうすれば自然と男の前にひれ伏し、精子が欲しいとおねだりできる」

 レスペは知らないが、グランの二本指にはいつもの媚薬が塗られている。
 ムズムズと痒くなってきたところを、指でほじくり返される。
 悶絶するほどの快感だ。

「そうなって初めて、俺の精子、即ちイチネンボッキがあたえられる。
 無類の強さを手に入れることも、夢じゃなくなる」

 本当だろうか?
 ……本当なら、自分は世界一の戦士になれる。

「すでにクロエとミン、ユリアがイチネンボッキをあたえられた。
 彼女達の活躍は、昨日の戦争で見ただろう?」

 そう、三人は飛躍的に強くなっていた。
 自殺行為に等しい戦術で、幹部を討ち取ったクロエとミン。
 たった一人で、巨人の幹部を討ち取ったユリア。
 この短期間で、急速に強くなっている。
 その原因は、説明のしようがない。
 イチネンボッキ以外では。

「自分を解放し、受け入れろ」

 そう言いながら、グランが尻穴をほじっていた指を突然、抜く。

「ハウッ!」

 衝撃で、レスペはイッてしまった。
 肉付きがいい、小麦色に焼けた下半身が痙攣する。
 さらに尻穴が急に解放されたので、

『ブビブブッ! ブビッ!』

 何度も放屁してしまう。

「ああ、ヤダ……恥ずかしい……」

 普段は天真爛漫で快活なレスペが、女の部分を見せ始める。

「そうだ。お前は、恥ずかしくて下品な変態女だ。自分で言ってみろ」

「アウッ」

 グランに赤髪を後ろに引っ張られる。
 屈辱的な行為のはずが、なぜか従順に従ってしまう。

「強くなりたければ、言葉に出せ」

 グランは巧みに、レスペの心に侵入していく。
 女が何を最も求めているか?
 それを性交で満たすために、どんな段階を踏むのか?
 これらを練ることも、凌辱師や調教師には求められる。
 自分が快楽を得ることより、女に快楽をあたえる方が優先される。
 そうやって快楽づけにして、性交無しではいられない体にする。
 そして最後には、牝奴隷に堕とす。
 高難度だが、特級の凌辱師にして調教師のグランには、それが可能だ。

「うぅ、わ、私は……は、はずかしくて、
 そ、その、下品で、へ……やっぱり言えないよ!」

 レスペが叫んで、抵抗する。
 尻穴を掘られたせいで下半身に力が入らず、その場にペタンと座り込んでしまう。

「俺の言うことが聞けないなら、お仕置きだ」

 グランは片手でレスペの赤髪を掴んだまま、もう一方の手で彼女の顎を掴む。
 そして無理矢理、口を開かせる。
 レスペの眼前には、グランのイチモツ。
 その巨大さは、常軌を逸している。

「口で、ご奉仕しろ」

「む、無理無理無理! こんなデッカイの……はぐふううぅ……」

 グランのイチモツが無理矢理、口内に入ってくる。
 チン肉で、口内どころか、喉奥までイッパイだ。

(い、息ができない! 死んじゃう!)

 だがその感情が、思いがけないことに、性感をたかぶらせる。
 レスペは自分の欲情を持て余し、困惑していた。

「喉奥でしゃぶるイジメージを、今から持て。
 茎に舌を絡ませながら、先端を喉奥で吸うんだ」

 そう指示されても、チン肉が口内中を満たしているので、舌を一ミリも動かせない。

「ブハァー! ウエェー! ゲホッゲホッゲホッ!」

 グランが口からイチモツを引き抜くなり、(よだれ)と涙が次から次へと溢れてくる。
 だがなぜか、不愉快ではない。
 むしろ、レスペの女の部分は「もっとしてほしい」とおねだりしている。
 けれど、自分の中で何かが引っ掛かっている。
 それが何か、正体を掴めない。

「何らかの過去がトラウマになって、
 お前が強くなることを阻害している。
 そこから、お前を解放してやる。だから、俺の言うとおりにしろ」

 グランに強く命じられる。
 レスペは一瞬、逡巡(しゅんじゅん)したが、コクリと首を縦に振った。
 強くなりたい。
 だけど今はとにかく、気持ちよくなりたい。
 胸の引っ掛かりを取って、思いっ切り快感を味わいたい。

「この小川に向かって、小便しろ」

「そ、そんな……わ、分かった」

 抵抗する素振りは見せた。
 が、本音の部分では、嫌ではない。
 レスペは小川の向こう側に渡ると、グランの方に股を向けてしゃがむ。

「もっと股を広げろ……そうだ。よし、小便しろ」

 チョロチョロ……シーッ!
 レスペの股ぐらから、勢いよく聖水が放たれた。
 ジョボジョボッと音を立てて、ヴァルキリーの聖女の聖水が、夜の小川に吸い込まれていく。

「黄色味がかっているのに、
 お前の小便からは健康で元気なイメージを受ける。
 尿は体を表すな」

「言うな……恥ずかしい」

 星々が輝く夜空。
 心を癒す小川のせせらぎ。

 歴戦の女戦士は、そんな素敵な夜に、男に見られながら放尿を続けた。
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