滑落

文字数 7,484文字

 3.


 恐るべき破局を見よ
 過ぎ去りし時の矢が 最果てより戻りて
 汝に飛来するを
 黎明線は今や やみわだの水面にあり
 子午線は静まる 熟れた園の歎きに
 (再びタターリス・エルドバード『予言』)


 ずきずきと頬が痛む。痣になっているだろう。
 二人の神官が、リジェク市の軍用道路を歩いている。南西領北西部の小さな町だ。
 頬に手を当て、見栄えの悪さを気にしているのはハルジェニク・アーチャー。彼は隣の神官を見る。グリスとかいうファミリーネームの女神官で、二十代の三位神官将だ。
 腫れが大分ましになっているのを確かめて、ハルジェニクは手をおろした。
 二人が並んで歩くだけで、道幅はいっぱいだ。左右の塀の内側から、道へと木々の枝が張りだし、トンネルのようになっている。緑が茂る季節には、本物のトンネルになるだろう。
 叔父ミスラエルに会ったのは昨日のことだ。
 近くにリセナラという町があり、今は救世軍が幅を利かせている。何でも、二年前に救世軍の中でも過激な一部隊がリセナラを占拠したことがあり、非常に恐ろしい結末を迎えたそうだ。二年前の雪辱とばかりに、救世軍はリセナラの町を荒らし回っていた。そのリセナラに、リジェク神官団に護送されてたどり着いたのが昨日。半日遅れで叔父が到着した。
 イノイラ殺害の報を受け、寝ずに駆けつけたのだという。ミスラエルは顔を見せるなり、ハルジェニクを殴り倒した。
『お前はまたやったのか。どうしてカッとなったら我慢できないんだ!』
 それから、手を貸して立ち上がらせ、言語活性剤をのまされたのは本当かと尋ねた。本当だ、と答えると、今度は抱きしめてきた。抱きしめて、ミスラエルは泣いた。甥のハルジェニクを待ち受ける運命を嘆き泣いた。
 その時になって、ハルジェニクはこの叔父が決して嫌いではなかったことに気がついた。ロザリアとプリシラをめぐる事件を起こした時、ハルジェニクの父でありミスラエルの兄であるミカルド・アーチャーの圧力を受けながらも、法の裁きを受けるよう説得したのはこの叔父だった。その件で、ハルジェニクの人格や存在までをも否定しなかった周囲の大人は、この叔父だけだった。
 伯父の嘆きを受け、ハルジェニクは初めてイノイラの殺害を悔やんだ。
 どうして俺は、あんなものを飲まなければならなかったんだ?
 ハルジェニクは死んだ目をして尋ねた。
『救世軍の連中が、近頃安価で言語活性剤をばらまいている』
『どうして』
『まだわからん。だが被害者はお前だけではないだろう』
 叔父はハルジェニクから体を離し、自分の額に手を当てた。
『問題ばかりだ。私の子供たちまで』
『子供たち? レーンシーとレーニールに何かあったのか?』
 叔父は蒼白で、今にも崩れ落ちそうだった。ハルジェニクは椅子に座るよう言おうとしたが、ミスラエルが先に口を開いた。
『パンネラ・ラウプトラと共に南西領言語の塔に向かったことまでは知っている。その後……』
『その後?』
『入管手続き中に消えた。連れ去られたのかもしれない。それか、自分の意志なのか……』
 声が詰まる。
 ミスラエルは更に涙を流した。


 天球の乙女を見よ 血を流す影に抱かれ
 ほの青き鬼火まとい 目を開き給うを
 失語の日には一人 豪雨の中にありて
 弔われざる死者らの 都を指し示さん
 (キシャ・ウィングボウ『亡国記』)


「何がそんなに気がかりだ? 浮かぬ顔をしている」
 グリスが尋ねた。ハルジェニクはほとんど睨むように隣の神官を見た。頭上を覆う枝々に遮られ、天球儀の光はあまり届かない。だがグリスの目は見えた。
「浮いた顔をしているのが自然か?」
「質問に質問で返されては困るな、客人。いとこの双子が気になるのか?」
 ハルジェニクは弱みを握られたような、嫌な気分になった。つっけんどんに言い返す。
「自分の心配だ」
「賢明だな」
 細い道を抜け、表通りに出た。自分たちの他に、数人、出歩いている人間がいた。彼らはハルジェニクたちを目にすると、緊張をまとい顔を背けた。リジェク神官団のマントのせいだ。その藍色のマントを、ハルジェニクは昨日グリスから受け取っていた。春が深まりつつあるとはいえ、南西領北部は、まだまだマントが必要なほど冷えこむ。
 通りを横切り、また細い裏道に入った。
 その道の、左手側の建物の塀が低くなっていた。
 ハルジェニクは何となく、塀の向こうを覗きこんだ。
 煉瓦造りの建物の、窓の向こうが見えた。
 明かりの乏しい室内に、ぎっしり人が詰めこまれ、床に直接座っていた。
 全員土気色の顔をし、無表情でハルジェニクを見ていた。
 何人かと目が合い、ハルジェニクは慌てて前を向いた。
 事前に受けた説明では、彼らがかき集められた『鍵』候補だという。
 裏道を抜けた。
「ここだ」
 灰色の石でできた立派な塀が、裏通りを抜けた先に聳えていた。塀は長々と、通りの端から端へと横たわっている。その先端を見通すことはできなかった。
 塀の向こうから女の叫び声が聞こえてきた。
「お願いです! 一目だけ! 最後に一目だけでいいから! お願いします!」
 閂が外される、冷たい音が近くでした。通用門が開き、女が門の内側から突き飛ばされ、出て来た。女が尻餅をついている間に通用門が閉ざされた。内側から、また閂がかかる音。
 女は跪き、泣き叫びながら門を揺さぶった。塀の向こうの神官を呪う。
「娘を帰せ! 人さらい!」
「あの女の娘は『鍵』だったんだな。適合したんだ」と、グリスがハルジェニクの耳許でささやいた。「だが、あの女はそうじゃなかった」
 ハルジェニクはより一層、暗澹たる気分になった。
 メルシニー・オレー前神官大将が所持していた、聖遺物へのアクセスが可能な〈鍵〉を発生しうる血筋のリスト。そこに記された家系の者が、南西領内部で次々と捕縛されている。万一〈鍵〉として認められれば、永遠に家族から切り離されて二度と会うことは叶わず、認められなければ身一つで放逐される。その後行き倒れようがどうなろうが知ったことではない。
 そんな『鍵狩り』に、自分は参加しなければならない。
 だが、わかっている。
 自分がこうしてここにいるのは、自業自得なのだ。
「お前には大物があてがわれるだろう」
 その言葉を受け、グリスに目を向けた。
「北方領のリレーネ・リリクレストを追っていたな。恐らく、引き続き彼女の追跡を任されることになるだろう」
「鍵候補なのか?」
「ああ。それに、確保すれば反乱軍との水面下の交渉でカードとして使える。でも今は休め。正門前のホテルにお前の名で部屋を取ってある。じゃあな」
「お前は?」
「報告事項がある」
 と言って、蹲って泣いている女をないが如くに通り過ぎ、通用門の向こうにいる神官兵を呼ばわった。通用門が開き、グリスの姿が中に消えると、またすぐ閂がかかった。
 裏通りには女の咽び泣きが聞こえるのみとなった。
 痛ましいとか何とか思うべきだと思った。人なら。だが感情も感性も鈍磨して、何も思えなかった。ハルジェニクはしばらく女を無表情に見下ろしてから、女に背を向けた。
 女の声が背後に遠ざかる。
 後ろを誰かがついてくる。しかも距離が縮まってくる。そう気がついたのは、長い塀に沿って歩き、そろそろ表通りが見えてきた頃だった。
 立ち止まると、追跡者が駆けだした。振り向こうとした瞬間に、後頭部に衝撃を受けた。
 痛い、と感じるより早く、二度目の攻撃が加えられた。よろめき、塀に手をつこうとしたところで三度目が。攻撃者が、攻撃の際に力んで声を漏らす。ハルジェニクは混乱しながら、さっきの女だと思った。尖った物で殴りつけてきている。
 ぐしゃっ、と頭蓋骨が陥没したのがわかった。
 ハルジェニクは意識を保ったまま、地面に両膝をついた。
「死ね!」
 ああ、死ぬんだ、とわかった。この女のお望み通りに。
「死んじまえ、クソ神官!」
 気がついた時には、地面に俯せに倒れていた。女が馬乗りになって、頭を殴り続けているのがわかる。痛い、とようやく感じた。耐えられない。
 だがもう終わるのだ。
 濡れ衣だってのになあ。
 頭に衝撃を受ける度、意識が遠ざかっていく。
 あんたとあんたの娘をさらったのは俺じゃないのに――。
 完全なる闇。
 意識を失ったことに気がついた。
 意識を取り戻したから、意識を失ったことに気付いたのだ。
 ハルジェニクは目を開けた。
 頭全体が、激しく痛んでいる。
 地面に突っ伏しているせいで、砂しか見えなかった。
 首を傾けた。自分の意志で動かすことができた。顔のすぐ横に、煉瓦が落ちていた。天球儀の光の下で、ハルジェニクの血に染まっている。
 そして、煉瓦のすぐそばに、座りこんだ女の細い膝が見えた。
 この女に殺されたのだとハルジェニクは思った。思考力が回復する。女は自分のしたことに呆然とし、ハルジェニクの覚醒には気付いていないように見えた。
 ハルジェニクは手を動かした。
 ヒュッ、と女が息を吸いこみ、止める音が聞こえた。
 手を頭の後ろに動かした。髪が血で塗れているが、後頭部に怪我はなかった。陥没は修復され、出血は止まっている。
 ハルジェニクは砂に手をついた。
 低い声で唸りながら起き上がり、砂の上に座る。
 女に、何か一言くらい言ってやろうかと思った。女は目を極限まで見開いて、唇をわななかせている。その唇の端が切れて、血が滲んでいた。神官兵に殴られたのだろう。
 ハルジェニクの目はその血に吸い寄せられ、固定された。意識のすべてが女の血に集中する。
 血は鮮やかに赤く、瑞々しい。
 その赤を口に入れたい。
 口に入れて取りこみたい。
 自分のものにしたい。
 そうする必要がある。
 ひどい飢餓感があり、欲求に耐えられそうになかった。
 あの血はきっと甘くて濃厚で、口の中で香りが弾けるのだ。
 その一滴が全身に染み渡り、すべての細胞が蘇るのだ。
 飲めば。飲めれば。
「すまないがちょっと――」
 生唾をのみ、取りあえず、頼んでみることにした。
「血を分けてくれないか?」
 マントの下に手を入れて、ベルトからナイフを抜いた。柄を握り、刃を下に向け、腕を伸ばして女にナイフを近付けた。女に自分の体を切らせるために。血を分け与えさせるために。
「必要なんだ」
 女は立ち上がろうとして、尻餅をついた。悲鳴を上げようとしているが、口からは、息の音、そして弱った子猫のような、微かで高い声が漏れるだけだ。
「一口でいい、頼む。欲しくて死にそうなんだ!」
 大声を出そうとしている女の喉の動きに目が釘づけになった。肉の匂いがわかった。食料の匂いだ。日々の食事の記憶。華やかなパーティーの記憶。野戦食の記憶。あらゆる肉の記憶と結びつき、食欲をかき立てる。ああ、目の前にある肉は、記憶の中のどんな肉より旨そうだ。
 女が這いずって、ハルジェニクから遠ざかろうとした。それを見て、ハルジェニクの理性はあっさり飛んだ。
 獲物が逃げる!
 肉食獣の素早さで、ハルジェニクは女に覆い被さった。全身で女の腕と胴体を封じ、左手で女の顔を地面に押しつけた。矢も盾もたまらず、ナイフで女の首を裂いた。
 その傷口に唇をつけた。
 ハルジェニクはもうハルジェニクではなかった。
 人間ですらなかった。
 爆発的な喜びが支配する。
 ハルジェニクは夢中になって血を飲んだ。意識と記憶が飛ぶほど、夢中で。
 気が付いた時、ハルジェニクは女の死体を抱えて塀にもたれ、座りこんでいた。言語子を摂取したのだと、把握したのはその時だった。
 意志では制御できなかった。本能しかなかった。女の首の傷に、ぼんやりと目を落とした。周りの肉が食いちぎられている。食ったんだ、と思った。気持ち悪い、吐き出したい、とは思わなかった。
 美味であった。
 殺したんだなあ、と、ハルジェニクは立ち上がりながら思った。またやってしまった。しかもまた女だ。女など二度と見たくない。
 顔も、体も、手も、服も、血にまみれていた。血。肉。新鮮な言語子だ。眠かった。急激に言語子が活性化され、消費され、新たに補給した。あとは眠り、疲労を癒すのだ。
 この格好でホテルに向かわないだけの理性はあった。ハルジェニクは路地をさまよう。手を舐め、口の周りを舐め、服の端を口に入れて染みこんだ血を吸い、味わっていると、牛舎を見つけた。
 牛舎の端に、干し草の束がある。ハルジェニクが入りこむと、牛たちが異常を感じて、怯えて鳴いた。ハルジェニクから逃げるように、牛舎内の仕切に身を寄せる。
 ハルジェニクは干し草の中に倒れた。泥人形にでもなったようだ。全身が重くて、もう動けない。閉じた瞼も開けられず、開けようとすら思わなかった。
 泥と化した脳の中に、知性の名残が一閃した。さっきはイノイラの分を死んだんだ。閃きはそう告げた。
 死ぬのは辛い。痛かったなあ。死ぬほど痛かった。実際に死んだし。だけど、イノイラだって痛く、苦しく、死んだのだ。腹の立つ女だったけど、俺がこんな俺になっちまったのと同じように、あの女にもああいう女になっちまった事情があったんだろうなあ。
 だが、自分はこれで終わりではないのだと、よくわかっていた。まだロザリアの分を死ななければならない。プリシラの心の分を死ななければならない。けれど、それでも、それだけでも、まだ終わらないのだ。死の苦痛と意識の断絶を、あと何度繰り返せば楽になるだろう。
 表通りを、女が歩いてくる。
 ハルジェニクには見えた。俺は牛舎にいて、表通りは見えない。見えないものが見えるということは、これは夢だ、と理解した。
 ハルジェニクの意識は通りを浮遊する。浮遊し、女を観察する。
 少女。
 というよりは、乙女と呼ぶべき気品があった。
 豊かな青い髪を複雑に編みこんで肩にかからぬよう纏め、白い花の冠をかぶっている。白いドレスをはためかせており、裸足だ。これほどの存在感を持つ乙女を、誰も振り返って見たりしない。誰にも見えないのだ。生きている者の目には。
 ハルジェニクは前に回りこんで乙女の顔を見ようとした。
 嫌な予感がした。見た瞬間、乙女の顔がロザリアの顔になった。笑っている。今からハルジェニクを殺しに行くので、嬉しくて仕方がないのだ。
 許してくれ! と、声にならない声で、ハルジェニクは恐怖し叫んだ。もう殺されるのは御免だ。
 許してくれ。
 ハルジェニクの肉体が、干し草の中でうなされ寝言を呟いた。許してくれ。
 乙女が牛舎の中に入っていく。
 許されたかった。ハルジェニクは乙女を追って牛舎に入り、干し草の中で眠る自分の寝言を聞いた。許してくれ、頼むから、と言っている。ハルジェニクは呼吸を荒くしながら首を横に振った。許されないことによって癒されたいと思うほど、俺は堕ちてはいない、まだ。
 寝ている自分の姿を乙女と一緒に覗きこみ、息をのんだ。
 自分の体から、服を突き破って白い花が生えている。肘や脇腹、手の甲、肩や脇の下、首筋、喉仏、鼻の横、耳の穴の中から。ハルジェニクはあまりの気持ち悪さに全身を掻き毟りたくなった。乙女の様子を横目で窺った。満面の笑顔だ。顔の造形だけ、ロザリアのままで。乙女は干し草の上に両手両膝をつき、這ってハルジェニクのもとに進んだ。手当たり次第に花を摘んでいく。乙女の頭を飾る白い花が、寝ている自分の体から生えているものと同じであることにようやく気がついた。
 乙女は一声も発さずに花を集め終えると、手の中の花が思いの外少ないことに不満げな顔をした。
 どうするのかと思い見守ると、銀の短剣を取り出した。腹を()くつもりだ。腹の中には乙女の欲しがる花がぎっしりと詰まっているのだ。
「やめてくれ!」
 叫ぶと、乙女が振り向いた。彼女は初めてもう一人のハルジェニクを認識した。
 それから短剣をハルジェニクに向けた。触れられたわけでもないのに、強い衝撃を全身に受けてよろめいた。体中から一斉に白い花が噴き出し、咲いた。
 取られてはいけない、と強く確信した。
 渇望が流れこんでくる。乙女の願いが。彼女は花が欲しいのだ。悪意はないが、悪を為す。花が欲しいばかりに。乙女の泣いている顔を、頭の中で見た。宝石のような涙の玉が、ふっくらした頬を滑り落ち、口は丸く開かれて、叫んでいるらしいが声は聞こえない。
 金縛りにあったように、全身が動かない。真っ暗な視界の中で乙女の幻だけが見える。腹に短剣の切っ先が当たるのを感じた。
 やめてくれ。殺すな。俺を生かしておけば花なんていくらでも生えてくる。だけど殺したらもう摘めないんだぞ!
 心の叫びが聞こえたのか、短剣を押しつける力が弱まった。だがまだ切っ先を離しはしない。代わりのものが必要らしい。今、花をやらない代償が。ハルジェニクは探す。己の脳をかき回し、乙女が喜びそうなものを探す。できれば自分が苦しまずに済むものを。
 乙女の幻がかき消える。闇の中、その闇が薄まる箇所を見つける。心の目を凝らす。見えてくる。そして見つけた。乙女を喜ばせ得るものを。
「シンクルス・ライトアローをくれてやる!」
 ライトアロー、と鈴の音のような声が聞こえた。清らかで無垢なる声。何らかの強い真実そのものの声。
 そうだ。シンクルス・ライトアローだ。この男を捧げる。
 記憶の中のシンクルスの姿、十六歳の時のままで止まっている姿を、ハルジェニクは意識の暗闇に放つ。
 乙女の幻覚が戻ってきた。
 満面の笑顔だ。
 交渉は成立したのだ。
 ハルジェニクは汗にまみれて目を覚ました。どれほど眠っていたのかよくわからないが、意識は明瞭だ。思考力も、生きていた時と変わらない程度に戻っているようだった。まだ少しぼうっとしているのは寝起きだからだ。
 髪をかき上げた。血で固まっている。
 取りあえず着るものをどうにかしよう。全身の血を洗い流し、乾かすのだ。宿に向かったり、人前に出るのはそれからだ。
 夢の余韻が去っても、固い意志と使命感は消えなかった。ハルジェニクは確かめるように、心の中で呟いた。
 シンクルスを殺そう。

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