90話 桜頼み

文字数 234文字

男が、冷たい女を
何とかしたいと、ずっと想い続けていた。
 
女も、気の毒と思ったのか、
「それでは、明日、仕切り越しでよければ」と言った。
 
男は、どこまでもうれしく、また疑う心もあり、
きれいに咲いた桜に、歌をつけて贈った。
 
 桜の花は 今日は これほど美しく見えますが
 あてに出来ますか 明日の夜まで 散らずにいるか
 
そんな気持ちで、心配していた。
 
   *
  
 さくら花 今日(けふ)こそ かくも匂ふとも
 あな頼みがた あすの夜のこと
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み