1 幽霊は見えない
文字数 1,511文字
ここは、デンケン先生(49)宅のリビングルーム。
今日も今日とて、隣のお嬢ちゃんが遊びに来ている。
じゃ、そこからつっこんで考えてみなさい。
ぼくらは物体(モノ)に反射した光を見つめてるんだよ。
だから真っ暗だと、何も見えないでしょ。光源がないから、周りに物体(モノ)があっても反射しない。
反射してくれないから、何も見えない
文字数 1,511文字
ここは、デンケン先生(49)宅のリビングルーム。
今日も今日とて、隣のお嬢ちゃんが遊びに来ている。
じゃ、そこからつっこんで考えてみなさい。
ぼくらは物体(モノ)に反射した光を見つめてるんだよ。
だから真っ暗だと、何も見えないでしょ。光源がないから、周りに物体(モノ)があっても反射しない。
反射してくれないから、何も見えない
デンケン先生(49)・・・・・・仙人のごとく在野に生きる(自称)哲学者。かつては大学院にいたり教壇に立ったりしていたが、先輩方から「きみが考えてるテーマ(<私>とは何か?とか)じゃ論文書けないでしょ=研究者にはなれないよ」と諭された結果、むしろアカデミズムを捨てて在野に生きることを決断。これには『老子』の(悪)影響もある。べつに大学教授になりたいとは思わない。有名になりたいとも思わない。ただ、考えたいと思うことを考えていたいだけ、の男。ゆえに本業(生活手段)はサラリーマンである(薄給のため未だ独身、おそらく生涯未婚)。
哲学ガール(18)・・・・・・槙野マキ。哲学すること大好きっコ。デンケン先生が大学院で学んでいた頃の友人の一人娘である。哲学好きには親の影響があるだろう。近所に引っ越して来たため、ときどき遊びに来る。独身のオッサンと美少女という組み合わせだが、恋愛関係に発展してしまうのかどうかは、今後のお楽しみである(たぶんならない)。