三章 3
文字数 379文字
再び地下鉄に乗り、一度乗り換えて『藤が丘駅』に到着した。タクシーに乗って行き先を告げた。
「お客さん、そこに住んでいるんですか?」
「いや」
「おや、観光で?あそこは住宅街で観光する所なんかありませんよ」
「観光じゃないんだ。私はフリーライターをしていましてね。調べたいことがあったもので」
「もしかして五年前の事件ですか?」
「知ってるのかい?」
「知ってるもなにも、この辺りで殺人事件なんてそうは起こりませんからね」
「犯人は見つかっていないみたいだね」
「そうですね。守山警察も県警と合同でかなりの人数の刑事を投入したみたいなんですが……」
「その後ご遺族はどちらに?」
「さあ、引っ越したって話ですけどね。詳しくは……」
――引っ越した?
一○年前の事件と似ている。土橋はこの事件が滝沢事件と繋がっていると直感した。
「お客さん、そこに住んでいるんですか?」
「いや」
「おや、観光で?あそこは住宅街で観光する所なんかありませんよ」
「観光じゃないんだ。私はフリーライターをしていましてね。調べたいことがあったもので」
「もしかして五年前の事件ですか?」
「知ってるのかい?」
「知ってるもなにも、この辺りで殺人事件なんてそうは起こりませんからね」
「犯人は見つかっていないみたいだね」
「そうですね。守山警察も県警と合同でかなりの人数の刑事を投入したみたいなんですが……」
「その後ご遺族はどちらに?」
「さあ、引っ越したって話ですけどね。詳しくは……」
――引っ越した?
一○年前の事件と似ている。土橋はこの事件が滝沢事件と繋がっていると直感した。