第13話◆好事、魔多し(2)・・・改

文字数 3,056文字

「――ぐぅつ――、……! がっ、はぁ――」

必死に(こら)えているからか、苦痛が体中を()い回っているように見える。
苦しがって胸を掻き(むし)るマグスの手を押さえて、ラファルド自身の手を宛がった。

「無理に(あらが)わないで! 力を逸らすように……流れを逃がすように――」

慎重に衣服を()いで、(なだ)()かしながら〈力〉を発動させた。
土に染み込む水のように〈力〉が広がると、脳裏に様々な情報が画像として集まって来る。

(これ――、もう結構怖い状況かも。でも……今なら、まだ!)

(かん)部と思われる箇所の真上に掌を移動させて照らす光のようなイメージを作り、〈力〉を注いだ。
同時に、不可視の力でマグスの上半身を抱え起こしていく。

「ごほっ、ごほっ、――ぅう、ううぅ――はあ、……ごほっ」

(むせ)て震える体を撫でながら、祝詞(のりと)を唱えて別の術を練り、患部めがけて〈力〉を送り込んだ。
例えるならば内視鏡で覗き込むような、画像が次々に脳裏に送り込まれてくる。
これがセルゲート家の術者が行う「診察」だった。
ラファルドは眉を(しか)める。

(……あれ? どうして、何ともない感じなの?! でも、発作は現実――じゃあ、病気とか怪我の(たぐい)じゃないってこと――!?

画像をより鮮明にする為に、患部だと思っていた所に意識を傾ける。
ふと、(そで)を引かれて意識を現実に戻せば、うっすらと開けられた目と切れ切れに届く声があった。

「……君、も……後、を――追って、くれ――だい、じょうぶ――だ、か――ら……」

(そんなわけないでしょう! 吐血(とけつ)が治まる気配もないのに――!! ……でも、原因が見当たらない? なんて――。……いいや、吐血は現実で、マグスさんは苦しんでいる。なら、とりあえずでも、止血処置だ!!

「診察」を切り上げてマグスをその場に寝かせ直し、「治療」の為の詠唱を始める。
不意に。
マグスの苦悶(くもん)の質が変化した。

「――ぐっ、ぅ、ぅう――、がっ!! ……ぁぁ、あ、あ、あああ――!!

見えない槍で刺し(つらぬ)かれ、胸から宙に()()められたように身体を反り返らせる。
かっ、と真ん丸に見開かれた目は世界の何処(どこ)も映してはいない。

「マグスさん! 大丈夫ですか!!? マグスさん!!!」

意識の有無を確認する為に、意識を呼び戻す為に、大袈裟(おおげさ)にマグスを()さぶる。
ラファルドの手を掴み返してきた手は――(にぶ)く光る鋭い爪と金属の質感を持つ硬くしなやかな(うろこ)を備えていた。

(こ、この人――! も、まさか――?!

ラファルドは絶句して、息を()んだ。



「この……、(あま)ぁ……!!

ほぼ残骸(ざんがい)と化した聖堂の備品と苦悶に(うめ)きながら乱雑に散らばる無数の悪党共に囲まれて、セレナスは平然と衣服にまとわりつく(ほこり)(はら)う。

「まったく。数という取り()も生かせないなんて……。とんだ、期待外れでしたわ」

30人近い破落戸(ごろつき)を一人で相手取り、その(すべ)てをK.Oしてのけたセレナスは、あろうことか、無傷だった。

「……っ、……ちくしょぉぉおおおっ!!

痛む心身を激情で(おさ)え込んだ悪党の一人がゆらりと立ち上がる。
異様なほどギラついた眼をセレナスに向けた。

「馬鹿野郎っ!! ()せ! 止さねえか!!! 仮にも――」

別の悪党が破れかぶれの仲間を(とが)めるように(さけ)ぶ。
しかし、次の瞬間。
壁面の窓という窓が一斉に蹴り破られて、閉ざされていた扉さえ豪快に破壊して、騎士と衛士(えじ)の大軍が聖堂に雪崩(なだ)れ込んだ。

「そこまでだ!!

「――なっ!?

絶句したのは勿論(もちろん)、悪党共。
そして。

(は、早過ぎませんか?! 乗り込んで来るの――!!

救助される対象であるはずの、王女自身だった。
セレナスの(超個人的な)予定では、一人残らず簀巻(すま)きにされた破落戸共のみが残されているはずだったから、である。

「殿下――!!

騎士の一人が悲鳴じみた警告を発した。
一つは王族に(おそ)い掛かるという暴挙を為す愚物を阻止できなかったから。
一つは。

?!

セレナスめがけて振り下ろされた手刀(しゅとう)が異様な速さで伸びていく獣毛に包まれ、爪が指先を覆い隠すと太く鋭い(きり)に化ける。
振り向くという(すき)を作った分、認識が遅れた。



「どぉおっ、っせぇええええええいっ!!!」



空気を疾駆(しっく)した衝撃が巨大な地響きの(さきがけ)
セレナスは崩落する天井の中を(はし)る影を見た――気がした。

「そ、総員退避――っ!!

悲鳴とも怒号ともつかない絶(きょう)が、聖堂の内外で洪水の如く産声を上げる。
一拍の間を置いて、聖堂が一瞬で豪快に崩壊した。

物理的に飛び出してきた騎士や衛士もいれば、魔法によって難を(のが)れた者もいる。
一様(いちよう)に「殿下はっ!? 殿下はっ!?」と悲鳴を上げ、絶望的な表情で聖堂だった廃墟を凝視していた。



聖堂内部(崩落を(まぬが)れた外壁より内側)の空間は、(ちり)土埃(つちぼこり)による煙幕で蹂躙(じゅうりん)されていた。
風によって視界が戻って来ると――瓦礫(がれき)の上で、決めポーズの如く拳を付き立てているグラディルの姿があった。

「あ、貴方ねえ――、こんな傍迷惑(はためいわく)な特攻をしでかして!! 何処(どこ)の馬鹿なのか! その名前をおっしゃい!!!」

セレナスは腹を立てて()みついたが、実は独断ではない。
騎士団乱入の数分前、グラディルの到着と同時に「好きに使え。ただし、絶対にこき使え」という勅令を(したた)めた書面が魔法で転送されてきた。
グラディルは勅命に基づいて鐘楼(しょうろう)の屋根にスタンバイさせられていたのである。
つまりは、タイミングを計った奇襲(きしゅう)
魔法で聖堂の外から聖堂の中を監視していた魔法師団の術士の合図に応じて、グラディルが釣り鐘ごと天井を破壊したのだった。
ゆえに、損害は味方にも敵にも皆無である。
悲鳴が上がったのは、聖堂の破壊は保険として考案されていた戦術だからだった。
詳細な一部始終を知らされていた人員が聖堂突入部隊に(ほとん)ど存在していなかったのである。
だが。

「馬鹿はこっちの台詞(せりふ)!! とっと逃げろ! (くそ)王女!! 時間は――俺が稼いでやる!!!」

「――(今!? 目が、かがや)――っ、な、何ですって――?!

逆上するセレナスを一顧だにしないグラディルは汗を滴らせていた。

「おい!!!」

「殿下、お早く!!

グラディルの怒号に何を感じたのか、近衛騎士の一人がセレナスの腕を強引に引く。
けれど、セレナスはその手を乱暴に払ったのである。

「そんなことより、あの粗忽者(そこつもの)を――」

「っ、馬鹿野郎っ!!!」

さらなる暴言を(もっ)て、グラディルはセレナスを襲った。



『作戦により崩落した教会が、突如として爆発した――』
第三王女殿下襲撃事件始末書より、抜粋(ばっすい)



「……行きなさい。本当に、大丈夫だから――」

しかし、患者の(やわ)らかな主張を、即席の主治医は無視して「診察」を続行する。

(呼吸……良し。安定と呼べるレベル。脈拍――平準に回帰。意思――問題無いと言えるレベルに鮮明。――O.K! 小康状態に入った!!

「有難う。私は、大丈夫だよ」

苦笑を浮かべて、患者(マグス)即席の主治医(ラファルド)を引き剥がしにかかる。

「その……、お泊りになっている場所とかは」

心配そうな顔のラファルドに、マグスは笑顔を返した。

「大丈夫だよ、(おい)っ子の友人殿。この町は私にも故郷だからね。どうしても心配なら、後日でいい。トラ――グラディルと一緒に訪ねて来たらいいさ」

(目を離したくない! 叶うなら、監視付きの治療所に即行で放り込みたいけど――。口論して疲れさせるのも、良くないか……)

「……解りました。無理はなさらないで下さいね! 必ず、お伺いします!」

ラファルドとマグスは握手を交わした。

「気を付けて」

「はい。――あ、ラファルドです! 失礼しました。では」

一瞬で青く透き通った光に包まれると、ラファルドは(まばた)き一つの間に消え去った。
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登場人物紹介

登場人物を紹介していきます――のコーナーなのですが、

作者にちょっと暇と余裕がないので、とりあえず、名前がメインになります。


申し訳ありません!


基本的には短編集の時と同じように、適宜かつ随時、継ぎ足していく予定です。

よろしくお願いします!

●グラディル=トラス=ファナン

:勇者を志す、軍学校所属の少年。10代の少年としては大柄で、筋骨逞しい外見の持ち主。

父親は公国の公認を得ていた先代勇者。恵まれた身体能力、回復能力を持つ。

市井の、貧しい方に入る家庭の出。

竜の血と呼ばれる異能を継いでいる。

自分の父親のせいで、ラファルドの父親が異能を喪失したことを、ずっと気に病んでいた。

〈竜気〉の使い手。


●グレゴール

:勇者試験参加者を統率する、軍学校の教官。グラディル達のクラス担任でもある。

生意気盛りの生徒たちから一目を置かれる程度には凶暴。

●ラドルフ

:軍学校在籍の少年。グラディルの級友。背丈は同程度だが、身体の厚みではややグラディルに劣る。

冷静な言動を好む。勇者試験に参加している。


●ヴァッセン

:軍学校在籍の少年。グラディルの級友で、悪ガキ仲間。中肉中背。

就職に有利になるかと考えて軍学校の門を叩いたが、軍人としての将来は考えていない。

勇者試験の参加は見送った。三人で一番現実的。

●ラファルド=ルヴァル=セルゲート

:王立大学付属の高等学校に通う少年。中肉中背。グラディルと腐れ縁の古馴染み兼監督役。

学生寮で一人暮らしをしている。

異能の血族の一人にして、神祇の一人。大人顔負けの才覚を持ち、発揮する。

その影響なのか、反動なのか。必要以上に大人びた、可愛気に欠ける言動が目立つことも。

国王と親戚付き合いをする(父親の縁)けったいな家の出。

年々、異能が衰えていることを、グラディルに黙っていた。

●ガルナード=アストアル

:セレル=アストリア公国国王。ちょっとお茶目な働き盛り。

趣味はこっそり宮殿を抜け出すこと、強者との勝負。

国王の重責を理解してはいるが、同時に辟易している部分がある。

もしかしなくても、娘馬鹿。公国最強の武人としても有名。

大人気ないこともあるが、それすらも確信犯である時が多い。

親友の息子の一人であるラファルドは可愛気に欠けることが多い(割と危なっかしい)

「甥っ子」みたいなもの。


●ミラルダ=マインズ

:第三王女に仕える王宮の古強者の一人。肝っ玉おっかさん。

主人のお転婆が少々悩みの種。幼馴染の紹介で王宮で働くようになった。

庶民出の出世頭として、割と有名な人。


●アスカルド

:近衛騎士団長を務める男盛り。近衛最強だが国王には及ばず。

第三王女の素行の被害を(立場上)一番よく被る人。

取り潰しに遭った、とある貴族の家の出身だが、家に興味は無い。


●シュヴァルト=アインズ=グレスケール

:辣腕で名高い公国宰相。元々は王族の家系。

娘を国王に近づけ、さらに実権を握ろうと画策中。

才色兼備のロマンスグレーだが、国王にはしてやられることが多い。

昔の恋を今も引きずっている……らしい。


●クリスファルト=ダグム=セルゲート

:ラファルドの兄。少年時代はやんちゃだったが、今は生真面目のきらいあり。

爆走を辞さない弟たちに振り回される運命……なのか?

政治感覚に優れているが、神祇としての序列は高くない。

●セレナス=アストアクル

:公国の第三王女。市井では「白百合姫」と評判を取る美少女。

しかし、その正体は……。

孤独を負いつつも、快活な少女だが、何故かグラディルには当たりがきつい。

思わぬことから、魔王の見合い相手に選ばれていたことを知ることになった。

グラディルが羨ましい……らしい。

傍目には、結構残念に思えるところが在る。

●ラシェライル=ヘディン

:グラディルの幼馴染の少女。美人。

グラディルよりも遥かに早くから、かつ長く、王宮に勤めている。

しっかり者。粒は小さいが、上等な紅玉をお守りとして持っている。

●男

:裏町で一定の悪党をまとめ上げる人物。

下町ではそれなりの大物と思われているが、裏社会では下っ端階級の中間管理職。

鼻が利くことと、人を見る目の確かさが取り柄。

今回は面子が邪魔して、裏目に出た。


●依頼人

:仮面をつけた余所者。悪意を以て謀(はかりごと)を為そうとしているようだが。

男に看破されているように、悪党のことは一欠片も信用していない。

魔王征伐を企んでいるらしい。

公国主催の晩餐会に満を持したように登場した。

他者から魂を奪い、魔族に生まれ変わらせる異能力を持つ。

●セルディム=マグス=ファナム

:グラディルの叔父。事情が在って、故郷を離れていたが、久し振りに公国に戻って来た。

体調に不安あり。雄偉な体格をしているが、背丈はグラディルの肩程度。

制御を受け付けない血の力に苦悩し、方策を求めて彷徨っていた。

晩餐会での騒動に、悪意を以て加担したと言明する。

とある組織に在籍していたらしい。

多重人格者?

●サマト

:第三王女付き近衛の一人。姉と妹がいるため、女性の扱いには多少、慣れている。

近衛騎士団の、若手出世頭の一人であり、誰からもやっかまれるような男前だが、凶暴につき。

第2話で、少年二人の前で膝を折ったのはこの人。

侍女頭には負けるものの、第三王女と(心情的に)近しい関係を築いている。

●サティス

:魔族。獣魔遣いの一人。

魔族ではゼルガティスに好意的な方だったが、生真面目な部分もある。

黒幕にはなれないタイプ。


では、何故、離反するような真似に出たのか……?

●ゼルガティス

:魔王を名乗る魔族。本拠は海の向こうの大陸に在る。

青年然とした暴れんぼ将軍系?

往生際の悪い所があるようだ。

●ラジアム=グリディエル

:騎士団所属の騎士。

元傭兵であり、騎士の中では柄が悪く、王家にも騎士道にも夢を見ていない。

一見、がさつに思われがちだが、人品・技量共に確かなものがある。

中堅どころ。

???

:謎。魔王ゼルガティスに悪意を向けている。


●フィルグリム=ソラス=セルゲート

:ラファルドの弟。もしかしなくても、利発。

神祇としても優秀であり、将来の為に、今から不自由な生活を強いられている。

ちなみに、「兄上」が指す相手はラファルド一人だけ。他の兄を呼ぶときは、「○○兄上」のように、名前が入る。

成長期はこれから。


●レテビル=スラウフェン

:フィルグリムの補佐と監督を兼務する青年。

グラディルが目を付けたように、武芸に長けている強面。

主人のことは大事に思っているが、感情として発露することは稀。

一度は、ラファルドのお付きになる予定が在った。

●大使

:晩餐会に招待された異邦からの客人。

セレナスのことを気に入っている。

実は、とある人物の変装だった。


●魔族

:突然、晩餐会に乱入してきた。

ドルゴラン=セグムノフを名乗っている。

戦闘の最中、怪物へと変貌した。

さらには魔人へと脱皮し、猛威を振るはずだったが――。

主の意志に従い、戦場から退場する。元人間。

ある人物の影武者をしていた(主命)。


●ドルゴラン=セグムノフ

:最初は魔族を影武者にして、正体を偽っていた。

正体は……どうも、声とは違っているらしい。

そして、公国王室の縁戚だという事実も発覚。

恐るべし、公国の良心! である。

実は少女だった。


●フォルセナルド

:魔族。「依頼人」の名前。

先代魔王の血を引いており、人間風に言うならば王族に相当する。

ただ、仲間内での評価は、鼻っ柱だけ、と辛目。

魔王ゼルガティスの事は登場からよく思っていない。

身内にはやや甘いところもあるが、敵対する者には基本的に非情。

●ディムガルダ=セルゲート

:ラファルド達兄弟の父親。セルゲート家先代当主。

先代国王の治世から公国に仕えている、筋金入りの仕事人。

穏やかで鷹揚な気性に騙されると、偉いことになることがある。

国王ガルナードが常に一目を置く、公国最”恐”の人物であることは忘れられてはならない事実なのだが、

結構な頻度と確率で忘れら去られる、恐るべき人柄の持ち主。


●クラウヴィル=ファランド

:クリスファルト=セルゲートの仕えたる武士。

勤務中は冷静無私だが、非番中は喜怒哀楽が豊か。

クリスファルトにとっては、気の置けない友人でもある。

●白い竜

:突如として城下に出現した、白い体躯の巨大な竜。

その正体はセルディム=マグス=ファナムだった。


●ジェナイディン

:ゼルガティスの国で、執事の役割を務めていた高位魔族の一人。

主であるはずの魔王に謀反を仕掛けた。


●半裸の男

:???


●貴様

:半裸の男とは相容れぬものながら、対になる存在。とある事情から、この世界においては姿形が無い。

●それ

:セレナスの窮地を救った何か。転移符の首飾りを持ち去ったのは対価……というか、辻褄合わせの為。

その正体は……爆笑で神様とラファルドの間に割り込んだ何かであり、神前の魔。

神前に構える魔は補佐であり、守りであり、牙で在るもの。背後に在るのが宝であれば、神器レベルの逸品の守護者。だが、背後に「神」を戴くその時は――最凶最悪の寓意として、恐るべき本性を備え、現すことになる。

なぜならば、神聖の極点である「神」が魔を従える――それは、”世”の事象全てを司り、制する「万象の王」の顔を現すからだ。


●青年

:その正体は謎……、とか言うまでもない。神様。

ただし、セルゲート家が伝える”神様”とは、別の存在であるらしい。


●イーデンナグノ=ソルド=ファラガンオルド

:”亜”世界でグラディルを待ち受けていたもの。自称している通り、〈混沌〉を肉親に持つ極めて稀有な竜種。竜であることを自他共に任ずるが、その正体は「竜」という括りからも遠くかけ離れており、竜でありながら、如何なる竜のカテゴリーにも属さない。力有る神々をして、悪夢の存在と言わしめる〈古代種〉の「竜王」。その最強(最凶)をして、”化け物”と畏怖させる実力を持つ、という。


●イーデガン=ファラグノルド

:古文書に時折名前が出て来る伝説の竜神。〈光炎神竜〉の二つ名が特に名高い。

しかし、実在を確かめた人間は存在しない為、御伽噺の住人だという声が強い。

ただし、世界にまつわる秘密を知るようになると、その存在を疑う者はいなくなるのだとか。


●白双

:双頭の白竜、そこから来た異名。ただし、二つの頭を持つ竜王はそう多くない。

〈古代種〉に数頭存在する程度、らしい。

グラディルの前に現れた白双は事情が在って、本来の姿からはかけ離れた状態にある。

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