北条 瑠華《ほうじょう るか》
文字数 440文字
小学5年の頃。
肌寒くなってきて、友だちと「そろそろ秋だね」なんて話していた季節だった。
いつもみたいに家に帰ると、叔父さんと叔母さんが来ていた。「今から病院に行くから、すぐ支度をしなさい」叔父さんも叔母さんも、いつもと様子が違って、ただ事じゃないと、子どもながらにわかった。
叔父さんと叔母さんの車に乗せられて、病院に向かう最中、叔父さんがこう言った。
「瑠華、君のお父さんとお母さんが、交通事故に遭った。病院に運ばれたけれど、助からなかったらしい。この意味、わかるね?」
頭の中を、思いっきり殴られたみたいな、強い衝撃が襲った感覚。ぐらぐらして、世界そのものが回っているみたいな、不思議な感覚だった。
意味。つまり、もうお父さんとお母さんと話しをすることは出来なくて、もう会うことも出来なくなるってこと、だよね。
「やだ…」
無意識に声が出ていた。頬を流れるものが涙だと気づくのに、時間がかかった。
もう、二度と、戻らない。
私は、車の後部座席で泣き続けた。
肌寒くなってきて、友だちと「そろそろ秋だね」なんて話していた季節だった。
いつもみたいに家に帰ると、叔父さんと叔母さんが来ていた。「今から病院に行くから、すぐ支度をしなさい」叔父さんも叔母さんも、いつもと様子が違って、ただ事じゃないと、子どもながらにわかった。
叔父さんと叔母さんの車に乗せられて、病院に向かう最中、叔父さんがこう言った。
「瑠華、君のお父さんとお母さんが、交通事故に遭った。病院に運ばれたけれど、助からなかったらしい。この意味、わかるね?」
頭の中を、思いっきり殴られたみたいな、強い衝撃が襲った感覚。ぐらぐらして、世界そのものが回っているみたいな、不思議な感覚だった。
意味。つまり、もうお父さんとお母さんと話しをすることは出来なくて、もう会うことも出来なくなるってこと、だよね。
「やだ…」
無意識に声が出ていた。頬を流れるものが涙だと気づくのに、時間がかかった。
もう、二度と、戻らない。
私は、車の後部座席で泣き続けた。