作例8「だれがどすたの物語」(連作掌編)

文字数 1,065文字

これも、ぴったりの素材に出会って感動して、作り直してしまったケースです。
遠野ではなく信州ですが、御射鹿池(みしゃかいけ)。東山魁夷画伯の「緑響く」という絵で有名な池です。水が澄んで冷たくて、たしか魚がほとんど住めないんですよね。



これを縦長に切るのなんて惜しすぎるのですが、泣く泣く(泣かんでもいい)カットして。
今回のお題は、「フォント(字体)」です。
何も考えずに、上半分いっぱいにタイトルを配置してみました。



これ、「はれのそら明朝」です。
前のページでご紹介した「おんなのこものがたり」と同じフォントです。
意外ではないですか? 私、自分でびっくりしました。
明朝体にもいろいろあるけれど、基本的に静かな雰囲気なので、素材(画像)によって印象ががらりと変わるのだということを知りました。

これをね、意識して怖い感じを出そうとして、例えばこんな字体にすると、



かえってあんまり怖くなくなっちゃうのはなぜ? 笑
「衡山毛筆」というフォントだそうです。

かと言って、ゴシックはNGですよね。



「Noto Sans Black」。
めっちゃ頼もしくて、神秘も恐怖もぜんぜんないですね。笑



「ニコモジ+」。
なんでこんなに笑えるんだろう。笑

ということで、すんなりいつもの「はれのそら明朝」に落ちついたわけですが、
今度は大きさをいじってみました。



これ、とっても落ちついて、きれいじゃないでしょうか。
つまり……やっぱり面白くなくなってしまいました。
「だれがどすたの物語」は、かならずしも怪奇譚集ではないのですけど、
無意味に字が大きい(笑)というのも、それだけで何か普通じゃない印象を作れるんだなと、これも発見です。

さて、字体、大きさと来て、最後にちょっと色の話を。
タイトルは白のまま、「ミムラアキラ」というサインの色をいじってみます。



これと、



これ。
こんなに印象が違うんですね!
緑一色に見える画像ですが、よく見ると、木立の幹のかなり濃い赤が印象的です。
その色を拾いました。
(Canvaで作っていると、自動的に「写真の中の色」をピックアップして勧めてくれたりします。でも、この色は私が自分で作りました。
標準の赤より彩度を落としてあります。つまり、黒みを混ぜてあります。)

視認性(見てぱっとわかること)から言ったら、ミムラアキラ、白のほうがずっと見わけやすいです。
でも、なんだかわからない水の中に文字が見え隠れしていると、怖わ面白いかなと思って。
こちらが決定版です。

「だれがどすたの物語」、ゆーっくり連載中です。
たまに新しいお話が足されてますので、のぞいてみてくださいね。
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