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文字数 1,454文字
隣の家まで歩いていくと、ミクリラに会うことができた。
彼女は戸口に座り込み、物思いに耽っていた。
ミクリラは油断なく目を配り、人がいないことを確かめた。
助祭はいいのよ、あいつド近眼だし。あのとき鐘楼にいたのがあたしだってバレてたら、とっくに家までしょっぴきに来てるさ。
気をつけるのは町の人たちだね。
だけどビクビクしすぎてあたしまで変な目で見られるような事態は勘弁してちょうだい。
イグネフェルは両手の紋様に視線を注ぎ、
背に金属の翼を顕現した。
二人は徒歩で、隣町まで行くことにした。