家事の結末

文字数 385文字

「休みの日ぐらい少しは家の事手伝ってよ!!」
ドンガラガッシャーン。
今日も妻の怒号が響く。
結婚当初は家事分担条約にサインした夫だったが、三十年も経てば都合の悪いことは忘れてしまう。

翌月、夫が会社に行ったと思ったら一時間もしない内に帰ってきて、そそくさとエプロンを腰に巻きだした。
「何してるのよ。仕事は?」「仕事だよ」
そういうとゴミ出しから洗濯、便器掃除まで手際よく済ませてしまった。
「どういうことよ」
「あの日怒られて目が覚めたんだ。家事ができないなんて夫として失格だって。」
妻ははっとする。
「家事代行サービスの仕事に転職したんだ。稼ぎながら、少しは君にラクしてもらえると思って。週2で君の都合のいい日に来るよ。あ、もちろんお代はいらない。会社に伝えてるからね。いつがいい?」

「そうね。間を取って、月曜日と木曜日がいいかしら。それ以外で用事はないから、お暇してていいわよ。」
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