第45話 脱走路

文字数 434文字


 相手が5人では、いくら女が射撃の名手だとしても勝ち目はない。ま、射撃の名手かどうかは、わからないが。いずれにしてもアクション映画と、現実の世界は違うのだ。
 俺はロボットたちに気づかれぬよう、息を殺した。が、無駄だった。いくら息を止めたつもりでも、完全に止めることはできない。俺が小さく吐く熱源をロボットたちは感知したようで、銃を構えて向かってきた。
 ブシュ! ブシュ! ブシュ! ブシュ! ブシュ!
 女がすかさずロボットたちに向かって発砲した。レーザーが2体のロボットに命中した。
 ブシュ! ブシュ! ブシュ! ブシュ! ブシュ! ブシュ!
 ロボットたちもすかさず反撃してきた。激しく飛び交うレーザー弾。隠れた配管や手前の床、周りの壁が抉られて破片が周りに飛び散った。
 俺は亀が甲羅に頭を縮めるかのように、配管の床に潜り込まんばかりに身を沈めた。ここで俺は死ぬかも、との恐怖に凍り付いて全身が固まった。
 このままでは、2人ともやられてしまいそうだ。
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