06 セクハラ捜査
文字数 709文字
さて、ではラストですね。『てがみ』編です
そうね、こういうのがあるから、風見は酷い目に遭っても同情できないのよね。まあキノも悪いところあるけど、あのフォローはないでしょ
ないですよね。タッチしちゃったのは事故だとしても、さらにその傷をえぐってますからね。……風見先輩って、穂々乃木先輩とはいつもあんな感じなんですか？
大体そうね。どっちも暴走し出したら止まらないんだけど、同じ方向に走り出そうものなら、もう手がつけられないわ
止められるとしたら、高座山先生くらいでしょうか。強いですもんね、先生って
あとは……Ｃ組の天馬さんが本気で怒れば――まあ、どうにか止まりはするでしょうね。あの子、普段は大人しいのに、キレると凄まじいから
天馬先輩――ああ、ある意味、美山先輩のライバルですよね
なんで？
ほら、恋のライバル
だから違うってば。私にそんな気はないから。恋といえば、このエピソードも恋愛絡みだったわね
あ、話逸らした……
違うって！ もう……。ほら、ラブレターを拾った、っていう話でしょ
でしたね。風見先輩の推理も的外れではなかったですけど、見事に不正解でしたね。やっぱり本職の探偵さんのようにはいきませんか
小説みたいに難事件をすいすい解決……とは、現実いかないでしょうね。そもそも、浮気調査とか、身辺調査とか――そんな感じなんでしょ、探偵って
私はどっちにしろ無理ですね。頭を使うより、体を使うほうが性に合ってますもん
私もそっち側かなぁ。……前に、頭を使って失敗した経験があるから
そうなんですか？ ああ、あのストーカー事件の
もう忘れたい過去ね。まあ探偵にしろ警察にしろ、捜査に私情を持ち込むべきではないっていうのは、結構真実なんでしょうね
