隠れレアスキル

文字数 1,459文字

☆☆☆

「ふえ? 隠れレアスキル『レベルアップ加速』と『カンスト破壊』?」
「それが、我とリイナに……?」
「ええ、そうですよ~♪ ふたりにはその隠れレアスキルがあるのですよ~♪ ふたりにそのレアスキルがあることは子どもの頃からわかってたのですが、自分にそういうスキルがあるとわかっていると教育によくないと思って、黙ってました~♪ ですから、ふたりだけでこのフィールドまでこれたのですよ~♪」
「いくらふたりが強いっていっても、最強装備の俺とルナリイがこのフィールドにやっと辿りついたんだぜ? 前回の冒険だと、四人で辿りつけたわけだしな。しかも、ふたりの装備、最初の頃とあんまり変わってねぇじゃねぇか?」
「うん、お金もったいないから、節約してたんだよねー。結局、二回ぐらいしか装備変えてないよっ!」
「我は、トカゲ騎士の形見をそう簡単に手放すわけにはいかぬ……」
 そう。ふたりは節約志向だったので、あまり装備にはこだわらなかったのだ。何度かステータスアップアイテムは使ったが、あとはもっぱらレベリングでここまで来たのだ。
 なお、稼いだお金は膨大な量になったので分散して冒険者専用王立銀行(主要な都市に設置されている)に預けている。
「……いくらなんでも強すぎると思ったら、そんな隠れレアスキル持ってるとはなぁ……。にしても、ルナリイ。そんなスキルをふたりが持ってること、俺にも教えてくれてよかったじゃねぇか」
「あなたにしゃべったら、話しちゃいそうでしたから~♪」
「でも、あたしたち序盤のほうはけっこう苦労したよ? 洞窟一回撤退したし
「『レベルアップ加速』はレベル8を超えたあたりから一気に加速していきますから~。でも、今回は魔物が強化されていたので、あまり実感はなかったのかもですね~」
「んー、確かにあのトカゲ騎士ってのを倒したあたりからすごく強くなった気がする!」
「うむ。、確かにそうかもしれぬ」
 レベルが上がったことは実感していたが、カンスト後の裏ステータスまでしっかりと見られるルナリイのような白魔法の使い手でないと真の情報を知ることはできない。
「うふふ~♪ いまのふたりのレベルは~、見かけはレベル99ですが、裏ステータスでは120です♪」
「えええっ! レベル120!? レベルって99までじゃないの? あっ、これが『カンスト破壊』ってやつか!」
「ええ、わたしたちが前回の旅でこのフィールドに辿りついたときはレベル90でした~。リュータくんはレベル99ミカゲちゃんは95でしたけど~」
「ちなみに、いまの俺たちはレベル99だ。残りの9レベル、今回の旅で上がったぜ。魔物強くなってたし経験値もすごかったしな。……ま、加齢によって、ステータスの最大値は落ちまくってるがなぁ」
「あなた、歳の話題はやめましょう~♪」
「おっと、すまねぇ、いくつになってもルナリイは美人だぜ!」
「うふふ~♪ ありがとうございます~♪ あなたも変わらずステキですよ~♪」
「もー、わたしたちの前でノロケないでよ……」
 ジト目でリイナはバカップル両親を見つめる。
「うふふ~♪ 前回の冒険のときも、よくリュータくんとミカゲちゃんから怒られたものでした~♪」
「というか、リュータとミカゲこそくっつけばよかったのによぉ! 俺はよぉ、あいつらほど似合うカップルもいないと思ったぜぇ?」
「そうですよね~♪ ふたりともお似合いのカップルになれたと思います~♪ 案外、今はふたりでラブラブしてたりするかもですね~」
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登場人物紹介

ルーファ。

元魔王。人間に転生して村で暮らしていたが、勇者に選ばれてしまう。


リイナ。

ルーファの幼なじみ。宿屋の娘。

冒険者だった父母から武術を学び、ルーファと共に冒険の旅に出る。


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