第1話

文字数 1,705文字

愛している ただそれだけが言えなくて

何年も何年も時が経ち

とうとう何十年も経ったよ

あれから君は結婚して子供ができたね

当たり前さ 月日の流れはそういうもの

僕だけが取り残されて苦しいまま

それが今 君が目の前にいる

一生分の勇気を出したよ

愛している 君の瞳は揺れてさまよった
















我々は地球に仮に住まわせて頂いているだけ
地球にとってみれば人間は迷惑な存在

環境汚染、放射能汚染、繰り返す戦争、やりたい放題
いつか地球にしっぺ返しを食らうだろう

もうその兆候は出ている、地球的気候変動
いつかノアの方舟の時のような大洪水が起きて
人類ごと飲み込まれるに違いない
















孤独を知って初めて人は生きることができる
何かを頼っていては人生を見失う

自分の味方は自分以外ないことを知る
何にも惑わされない強靭な心を持ちたい

理想は遥か彼方にある
手が届かなくても努力する

過去を思い煩わず未来を見据えて生きる
過去を変える事はできない
理想を求め今を生きる。













慈悲心を持ちたい
生きとし生けるものに憐み
愛を注ぎたい

思春期の頃あんなに人を愛した心が
いつか暗闇に閉ざされてしまった

心はいろいろな試練にさらされ
傷つき疲れ重い病人のよう

それでも復活の時を迎え
立ち上がることができた

自分を愛し人を愛し全てのものを愛し
慈しんで生きたい













苦しみ抜いて疲れた時
自然に眠りに落ちて

夢に君が現れて
解決の仕方を教えてくれる

現実の中で彷徨った時
自然に眠りに落ちて

私の光となり
正しい方へ導いてくれる

もう力尽き倒れた時
自然に眠りに落ちて

君が癒してくれる
生きる力を与えてくれる

私が本当に死んだ時
夢と一緒に君も消えた













君への尽きせぬ想い
両手いっぱい

いつも感謝している
積年の苦労に

家庭を顧みなかった私を
文句一つ言わず支えてくれた

今は二人とも白髪になり
しわが増えてきたね

でもその微笑みは
若い時と変わらない

そのはにかんだ様子も
出会った時のまま

いつか静かに迎えよう
旅立ちの日を…












生きる辛さを嘆いても
ただ孤独を噛みしめるだけ

誰の救いもなく力尽き
闇の底へと沈んでいく

家が轟々と崩落していく
誰一人突入せず

償えぬ罪への悔恨はいやまさり
狂おしい夜の煩悶は果てしなく

自業自得の網は嫌でも絡みつき
13段の階段の先に何がある

いっそ飛びおりて終えば楽になるものを












言葉を吐き出すと気持ちがスッキリする
それが毒のある言葉だとその毒が移る

吐き出した方は爽快になるが出された方は
たまったものじゃない

人は毒が溜まってくると吐き出さずにはいられない
毒を周囲に撒き散らす事で人は満足する

毒が自分を毒さないために人は吐き出す
毒の感染力はひどく強い















また一つ見つけた
青春の悔恨を

あっちにもこっちにも落ちている
僕は二十歳だった

大学を放棄し夢を追っていた
その夢は遠い彼方にあるのだが

私にはすぐ手の届く所に見えた
夢は叶わず居場所をなくし彷徨った

死で解決するのがよかろうと
湘南の海へ沈んだが
気づいた時浜辺に打ち上げられていた

















私たちの欲望は果てしない

貧しい時お金さえあればと思う
病にある時健康でさえあればと思う

獲得してもまだまだ不満が溜まっている
名声が、地位が欲しくなる

獲得してもまだまだ不満が溜まっている
不老不死を求めるようになる

それが叶わぬと知ると
慈善事業をしてあの世で栄光を得たいと思う














若い時の夢を見た

感覚が研ぎ澄まされていて今と感じ方が違うんだ

雨の降り方、風の吹き方、声の響き、空気の気配

決定的に違うのが意識の感受性、とにかく世界が今

感じているものと全く違うんだ

同じ世界にいながら全く別のものとして感じている

この感覚を呼び覚ませば若い時に生まれ変われる

















老人は暖かい部屋で眠るように死んでいた

まだ生きているかのような姿勢の儘で
ソファに凭れていた

瞼は軽く閉じられ今にも開きそうだ
唇は何かを言いたそうに離れている

残された時間を唯一人で過ごしていた
満ち足りた思いで過ごしたのだろう

その顔には安らかな笑みが浮かんでいた

















心の傷が裂けて真っ赤に迸る
死の言葉が決定的なダメージを与える

私は吐血しながら嗚咽する
底知れぬ涙が血のように溢れて落ちる

ギザギザに尖った言葉が心を引き裂く
致命的な言葉が私を死に追いやる

私は朦朧としながら首を括り息絶える
あなたは私の顔に唾を吐き蹴り上げる
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