琴音ちゃんと花火大会へ
文字数 1,772文字
ダンボールの山を片付けているとある写真があった。写真には2017.2.26と書かれていて去年のものだとわかった。
クラスの男女が散らばっていてみんな仲良くしていた。僕が入っている写真は1枚だけあり、その時の僕の顔は光が宿り、希望に満ち溢れているようだった。
クラスの男子とも仲良くしている様子が写真に写っていた。僕は用意されていた机に写真を置き、ダンボールの山の片付けに勤しんだ。
ダンボールの中には衣類、教科書や参考書が多く、片付けするのに何時間もかかった。それでも僕の過去に関わるものはあの写真だけだった。しかし記憶を取り戻す事はそう簡単ではなく、何も手掛かりがつかめなかった。
今は夏休みらしいので学校に行く必要はなく、少しだけなら記憶を取り戻したいと思うが、自分の知らない領域に足を踏み入れるとなると恐怖に襲われる。
まだ最後のダンボールを開けていなかったようで、開けてみた。
すると中から小学校のアルバム、中学校のアルバムがあって、中学校のアルバムを開こうとした瞬間後ろのドアが開いた。
「翔太くん、お風呂はいらないの?」
麻里亜さんが聞いてきたため急いでお風呂に入った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「明日、琴音ことねが花火大会に行きたいって言ってるの、よかったらついて行ってくれない?」
断る理由もないし、花火には興味があるので行くことにした。
「はい、わかりました。」
「ありがとう」
僕はダンボール整理を終わらせたので、興味のある物に手を付け、調べた。
まずはアルバムから、小学生の頃から順番に調べた。
「ふぁああ〜」
どうやら寝てしまっていたらしい。アルバムはほとんど調べたがこれと言った収穫はなかった。
「おはようございます」
「おはよう、寝ぐせ凄いよ、直してきたら?」
「はい、わかりました」
鏡を見ると僕の頭にツノが生えてるみたいで面白かった。
「ふふ…」
ツノを撫でながら眺めていたら後ろで琴音ちゃんに見られていたらしく、琴音ちゃんが固まっていた。
「おはよう、琴音ちゃん」
「おはよう」
寝ぐせを直してからダイニングへ向かい3人で朝ごはんを食べた。
「今日は6時くらいに家を出て、電車に乗って行けばいいから、詳しいことはメモに書いておいたわ」
「ありがとうございます」
琴音ちゃんは麻里亜さんと浴衣をレンタルしに行くとの事で午前中から出かけて行った。
今日は昨日見つけた少女漫画を読むつもりだ。僕はそれが好きだったみたいだ。
『私…あなたの事が好きなの』
『ごめん…俺には…』
鈍感な主人公がいつのまにか3人の女子に好かれ、その1人に告白されるシーンだ。ヘタレ主人公は美咲の事が好きだから断るのだが、面白い。
ニヤニヤしながら読んでいると2人が帰ってきたらしく、ドアが開いた。
「翔太くん…なにニヤニヤしてるの…?」
「ふふ…少女漫画を読んでいるのです。なかなか面白くて」
ジト目で見られた僕は少し同様したのかドキッとした。
「もうすぐ6時だから、準備してきたら?」
「はい、わかりました」
琴音ちゃんのために財布にいつもより多めにお金を入れて、玄関に向かった。
「じゃあ、翔太くん。琴音をお願いね。」
琴音ちゃんは浴衣に着替えていた。小さくて可愛い。
「行こ!お兄ちゃん!」
琴音ちゃんが手を差し出してきた。
「手を繋ぐの?」
「うん!」
琴音ちゃんの手を握り、電車に乗った。
花火を見に行く人が多いらしく電車でも浴衣の人がちらほら見えた。
「僕から離れたらダメだよ。」
「うん!わかってるよ」
琴音ちゃんはニカッと笑った。
「食べたいものあったら言ってね。」
「うん。」
会場に着くといくつかの屋台が並んでおり、繁盛していた。琴音ちゃんが綿あめを食べたいと言ったので、買ってあげた。
「お兄ちゃん、場所はどうするの?」
「今、探してるよ、見やすいところにしよう」
「あれ?明石じゃん。久しぶり!」
声のした方へ振り向くと昨日写真で見た女子生徒がいた。
クラスの男女が散らばっていてみんな仲良くしていた。僕が入っている写真は1枚だけあり、その時の僕の顔は光が宿り、希望に満ち溢れているようだった。
クラスの男子とも仲良くしている様子が写真に写っていた。僕は用意されていた机に写真を置き、ダンボールの山の片付けに勤しんだ。
ダンボールの中には衣類、教科書や参考書が多く、片付けするのに何時間もかかった。それでも僕の過去に関わるものはあの写真だけだった。しかし記憶を取り戻す事はそう簡単ではなく、何も手掛かりがつかめなかった。
今は夏休みらしいので学校に行く必要はなく、少しだけなら記憶を取り戻したいと思うが、自分の知らない領域に足を踏み入れるとなると恐怖に襲われる。
まだ最後のダンボールを開けていなかったようで、開けてみた。
すると中から小学校のアルバム、中学校のアルバムがあって、中学校のアルバムを開こうとした瞬間後ろのドアが開いた。
「翔太くん、お風呂はいらないの?」
麻里亜さんが聞いてきたため急いでお風呂に入った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「明日、琴音ことねが花火大会に行きたいって言ってるの、よかったらついて行ってくれない?」
断る理由もないし、花火には興味があるので行くことにした。
「はい、わかりました。」
「ありがとう」
僕はダンボール整理を終わらせたので、興味のある物に手を付け、調べた。
まずはアルバムから、小学生の頃から順番に調べた。
「ふぁああ〜」
どうやら寝てしまっていたらしい。アルバムはほとんど調べたがこれと言った収穫はなかった。
「おはようございます」
「おはよう、寝ぐせ凄いよ、直してきたら?」
「はい、わかりました」
鏡を見ると僕の頭にツノが生えてるみたいで面白かった。
「ふふ…」
ツノを撫でながら眺めていたら後ろで琴音ちゃんに見られていたらしく、琴音ちゃんが固まっていた。
「おはよう、琴音ちゃん」
「おはよう」
寝ぐせを直してからダイニングへ向かい3人で朝ごはんを食べた。
「今日は6時くらいに家を出て、電車に乗って行けばいいから、詳しいことはメモに書いておいたわ」
「ありがとうございます」
琴音ちゃんは麻里亜さんと浴衣をレンタルしに行くとの事で午前中から出かけて行った。
今日は昨日見つけた少女漫画を読むつもりだ。僕はそれが好きだったみたいだ。
『私…あなたの事が好きなの』
『ごめん…俺には…』
鈍感な主人公がいつのまにか3人の女子に好かれ、その1人に告白されるシーンだ。ヘタレ主人公は美咲の事が好きだから断るのだが、面白い。
ニヤニヤしながら読んでいると2人が帰ってきたらしく、ドアが開いた。
「翔太くん…なにニヤニヤしてるの…?」
「ふふ…少女漫画を読んでいるのです。なかなか面白くて」
ジト目で見られた僕は少し同様したのかドキッとした。
「もうすぐ6時だから、準備してきたら?」
「はい、わかりました」
琴音ちゃんのために財布にいつもより多めにお金を入れて、玄関に向かった。
「じゃあ、翔太くん。琴音をお願いね。」
琴音ちゃんは浴衣に着替えていた。小さくて可愛い。
「行こ!お兄ちゃん!」
琴音ちゃんが手を差し出してきた。
「手を繋ぐの?」
「うん!」
琴音ちゃんの手を握り、電車に乗った。
花火を見に行く人が多いらしく電車でも浴衣の人がちらほら見えた。
「僕から離れたらダメだよ。」
「うん!わかってるよ」
琴音ちゃんはニカッと笑った。
「食べたいものあったら言ってね。」
「うん。」
会場に着くといくつかの屋台が並んでおり、繁盛していた。琴音ちゃんが綿あめを食べたいと言ったので、買ってあげた。
「お兄ちゃん、場所はどうするの?」
「今、探してるよ、見やすいところにしよう」
「あれ?明石じゃん。久しぶり!」
声のした方へ振り向くと昨日写真で見た女子生徒がいた。