恋患い

文字数 618文字

アパートに戻った未来は

翼に電話した。

【どうした?】

【好きになってはいけない人好きになった…。】

【例の上司か?】

【うん。子供も奥さんもいるのにわたしどうかしてるよね?】

【恋ってそんなもんだろ。常識なんて消えちゃうんだよ。】

【どうしたら良いのかな?苦しいよ。】

【会社を辞めるか、告白だな。】

【そういえば翼は好きな人に告白したの?】

【してない。一生しないと思う。】

【それじゃあ、ずっと片想い?】

【ああ。】

電話を切ると春馬から電話があったが取らなかった。

ビールを飲みながら夜空を未来は眺めていた。

スマホを何気なく見つめてると礼二から電話がきた。

【どうした?】

【何がですか?】

【田中先生から電話あったぞ…。俺のせいか?】

【別に…。】

【俺のせいなら謝る。】

【何で謝るんですか?】

【俺はな…。別に何でもない。】

【田中先生には悪い事をしました、後で謝罪しておきます。】

【それは良い。俺が話をつけた。】

【ありがとうございます。】

【でもな、プライベートだからって作家と編集者が手を繋いでデートはまずいだろ。お前も社会人なら自覚しろ!】

【上野さん、一つお願いしても良いですか?】

【何だ?】

【いえ、やっぱりいいです。】

【そうか、早く寝ろ。明日から長谷川も出て来る、気をつけろよ。】

未来は、その後、礼二にワガママを一つ言って電話を切った。
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