(二)‐15

文字数 232文字

「失礼しました。あの阿仁という男は、この町の比寄組という組のヤクザ者でして。我々も日々目を光らせていしてね。今回の故人とはどういう関係かは存じ上げませんが、そんな男ですので関わりにならない方がいいですよ」
 入ってきた二人の刑事のうちの年配の刑事がそう言った。俺は「はあ」としか答えようがなかった。阿仁の言動もそうだし、急に刑事が入ってきたこともそうだが、何より、そのような人間に父はいつどこでどんな世話をしたのかと驚いた。父はただの銀行員ではなかったのか。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み