第33話 ユーカリ&モカの裏話②
文字数 974文字
シナモンの土木系パワースキルって、立川セージに襲われたことが引き金になって開花したのよ。
それでまた立川セージと対峙したとき、スキルが数段階拡張したでしょう?
センター長とゲンマイ課長がそれに興味持って、異能者鑑別所に収監されていたレイプ常習犯を見繕ってきてね、集合研修の時にシナモンを襲わせる計画を立てていたのよ。
シナモンは追い詰めれば追い詰めるほど、スキルのギアを上げるだろうって仮説のもと。
いくらなんでもそれはコンプラ以前の問題。……センターって反社組織ですか?
研修の一環で全部押し通すわよ、あの2人。
州国防衛臨界スーパー特区プロジェクトの重要ポストだから制限無し。
自分で発案して仲間内で決裁して指揮して、やりたい放題ですね。私も偉くなりたかったなぁ~
出世欲があるなら、私よりマンデリンのご機嫌を取っておいた方がいいかもよ?
冗談ですよ。
新型ウイルスの蔓延では私も色々思うところがありまして、陽炎のような社会的評価より、自分の満足度を優先した方がいいと結論が出ました。
確かにそうね。上司の要求に応えていたらキリが無いわ。
ゲンマイ課長、口癖で『死ぬこと以外かすり傷』って毎回言うけど、私実際に何度も死んでいるんですけど!? かすり傷だって痛いんですけど!? スキルがあればあるほど酷使されるから、考えものね。
今回はシナモンに同情したわ。
スキルを拡張するために、またレイプされるのよ? シナモンが行方不明になって、課長にどやされたけど、私、心の片隅で少しホッとしていた。
そんな実際のところなんて誰にもわからないわよ。当のシナモンだってね。
自己防衛のため、未遂だったって自分の記憶を改ざんしているのかもよ? だいたいにおいて、どこまでやったらレイプになるの? 先がちょっとでも(自粛)
シナモンの両親は立川家から多額の示談金をもらっているわ。
借金と何年も滞納していた州国健保税と村民税を優先的に完納させられたあと、無許可でバー開業して全部溶かしたみたいだけどね。
それを踏まえると、あのコウジって子、シナモンを引き受けるなんて年齢の割に懐がでかいというか、なかなか見所がありますね。
そうね。あの子、今はスキルレベル低いけど、心意気は買えるから大化けするといいわね。
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