一章 8
文字数 337文字
明が眠い目を擦りながら校門を潜ると、学内は騒がしかった。警官が至る所で学生に話を聞いている。パトカーのランプがチカチカと、眠い目には眩しかった。さらに今日も暑いのでそれを見ているとクラクラしてくる。
明の携帯電話が鳴った。携帯電話を右耳に当てると頬の傷――昨日に引き続き昨夜寝ている間に引っ掻いたと思われる――に当たって少し痛い。明は寝相が悪いらしく、こんな傷は日常茶飯事だった。そういう傷を見つける度に、奈々や東雲にからかわれてしまう。
高校生の頃など、ベッドから激しく落ちたようで、手首の骨を折ったこともある。
「はい」
『ちょっとおかしなことになってるぞ』
「和さん、警察が一杯いるんだけど」
『ああ』
「何かあったの?」
『徳田が殺された』
明の携帯電話が鳴った。携帯電話を右耳に当てると頬の傷――昨日に引き続き昨夜寝ている間に引っ掻いたと思われる――に当たって少し痛い。明は寝相が悪いらしく、こんな傷は日常茶飯事だった。そういう傷を見つける度に、奈々や東雲にからかわれてしまう。
高校生の頃など、ベッドから激しく落ちたようで、手首の骨を折ったこともある。
「はい」
『ちょっとおかしなことになってるぞ』
「和さん、警察が一杯いるんだけど」
『ああ』
「何かあったの?」
『徳田が殺された』