3、漫画家瀬田ヒナコ自らの創作を語る!

文字数 4,078文字

3日目以降の質問、2日目の質問へのお礼などはこちらにお願いします。


27日の座談会のメイン会場もこちらになります。


朝10時からスタートです


開始時間までにもご質問の書き込みは大丈夫です。
また、時折10時前に質問に回答することもあります。よろしくお願い致します。

八鷺一郎と申します、質問失礼します。

瀬田ヒナコ先生はじめまして。かみん先生いつもお世話になっております。

「レーカン!」拝読しましてとても面白いです! キャラクターたちが活き活きしていて、特に井上さん初登場の4コマが好感度も高く一気に心を掴まれました。


霊と交流できる主人公、かなり常識を超えた存在だと思うのですが、そんな主人公を拒絶せずにやさしく接してくれるキャラクターたちが魅力的だなと思いつつ、ここで質問なのですが…


主人公を立てるサブキャラの作り方について伺いたいです。やさしくて、霊的なネタも際立たせていけるようなキャラクター(人間・霊ともに)を作る際に、気をつけた点やコツなどございましたらぜひお聞きしたいです。

>>八鷺一郎様

おはようございます、ご質問ありがとうございます!

主人公を立てる作り方…かはわからないのですが、レギュラーの5人の
性格を設定する際、気をつけたことはいくつかありました。

まずは主人公の性格とかぶらない、正反対の人を入れること(井上)、
好奇心が強く、話を引っ張って行ってくれる人を入れること(上原)
主人公とは違う世界の人を入れること(ヤンキー江角)
あとはムードメーカー、悲しい話を「こういう捉え方もあるよね」と
明るい方向へ向かわせることができる人(小川・山田)

のように、話を進めたり、人脈の広がりのとっかかりになる
個性の人を入れた感じです。霊も基本は同じかもしれません。

でも実は、天海さんと井上さん以外の人達は最初
完全なるモブだったのです…。連載化に伴い、個性を追加して

いった感じですね。


霊的な話を際立たせるために気をつけた点は、

天海さんと井上さんのように許容派と拒絶派を作ったところ

でしょうか。対照的な部分があるからこそ、「優しさ」が

際立つ部分もあるかもしれません。

さて、本日も時間になりました。

瀬田先生、最終日もよろしくお願いいたします。

はい、本日もどうか宜しくお願いいたします~!
前のエピソードではアニメ化について詳しくお話いただきました。今日は魅力的なキャラクター作りについてをお聞きしようかと、思っておりましたが、まさに、上の質問でのお答えがそれになってますね。
追加で、「レーカン!」以外の作品でもキャラクター作りに気をつけていることなどありましたら。

「レーカン!」以外でですね。


うーん…。やっぱりキャラ個性の組み合わせとか、

自身の萌えが影響している部分は大きいです。

この組み合わせでお茶碗5杯行けますみたいなのは強い。
やはり、自身の萌えですか。

これまでの座談会に出ていただいた先生でも、

自身の「萌え」を追求することで、作品のキャラクター立てをしている方もいらっしゃったので、非常に腑に落ちる話です。


その「萌え」はストーリー面でも大きく関わってくるんでしょうか?

そうですね、たとえば「ままごと少女と人造人間」は
そのまんま「大きい人と小さい人がイチャイチャしてるのが
可愛いので、そんな話を描きたい」というイメージだけで
一本行った感じがあります。

「芦屋さんの猫。」は地味メガネ男子の不憫萌えから始まり、
猫友との日常がメインになって行きましたし…。

やはりキャラクターあってのストーリーなんだと思います。
「このキャラクターが魅力的に見える話を描こう」、の連続が
連載なのかもしれませぬ。
瀬田先生の場合はやはりキャラクターありき、

なところがあるんですね。
実際、マンガの場合、特に4コマや少年漫画(他のマンガでもそうですけれども)、読者はキャラクターの反応を見に来ている部分が多いですよね。


瀬田先生はストーリーが先に思いつく場合というのはないんですか?

もちろんあります。
「レーカン!」でも先にストーリーが浮かぶことも多々あります。

そういう場合、そのストーリーがキャラクターの誰に似合っているか、
はたまたどのキャラクターならゴールにたどり着けるのかを考えて
肉付けをすることが多いかもしれません。
それがガチッ!とはまると1本分の話が出来る、みたいな。
ストーリー先行だと、そういう作り方をしているかもです
なるほど、キャラが出来ているところに、やりたいストーリーを当てはめていく感じなんですね。

実際のところ、キャラ崩壊とかキャラブレが作者にも読者にもしんどい現象であることを考えると、それらを押さえるために非常に手堅く、バランスの良いつくりかたですね。

それでもやり方を間違えると、ストーリーを進めるために
作者の都合でキャラクターが動く感じになってしまったり。
多少なら仕方ないんですが、その違和感が大きくなると

キャラブレやキャラ崩壊に繋がってしまうので

慎重になるところですよね… あくまでキャラらしく…!
よく言われるのが、キャラクターを作者の駒にしない、という話ですけど。そういうことですよね。


そうした、キャラクターを大事にして物語をつくっていく、瀬田先生ですけれども、実際、漫画家を目指したきっかけとかってなんなんでしょうか?

きっかけは本当に単純で、幼少期に母に絵を褒められたから、
なんだと思います。元々絵を描くことは好きだったのですが、
それだけでは今のようになれたかなあ…と。
やっぱり人間、誰かに認められることってすごく
パワーになるんですよね。

やはり絵を描くのが趣味ですと、友達もそうしたタイプが
集まりますし、小学校~高校と、ずっとそういう環境にいましたから、
もうずっと「まんが家になる」って思っていました。それ一色でした。

でもなれるかどうかは運で、まあ、運が良かったので

なれたという感じです。

(その運も、他の方からの善意の影響がとても大きいので、
感謝しなくてはいけないと思います、本当に)
マンガを描く上で誰かに認めてもらうことってすごく大事ですよね。それが、身近なひとから、編集者になって、読者になっていくと、プロ作家になるんだと思います。

誰も読者がついてこない話を自己満足だけで描き続ける事って、やっぱり難しいと思いますし、読者がついてこない話は、そもそも商業たりえないですしね。

でも商業で漫画を描くことになって、最初の方はやはり
ちょっと苦しんだりもしましたねえ。
よくある話ですが、やはり「お仕事」ですから、面白いものを!って
気張ってしまって。でもそれがウケるかなんて出してみなくちゃ
判らなくて。当然ダメな場合もあって…。

これまでずっと自分の唯一の個性であり、味方であった「創作する」
「絵を描く」ということが一転して敵になってしまったようで、
しんどい時もありました。きっと他の作家さんにもあることなのかな、
と勝手に思っているんですが…どうなんでしょう??
私が甘ちゃんなだけですよね…(笑)
うわぁ、わかります!

甘いわけじゃないと思います。誰でもしんどいときも、心折れそうなときもあると思いますよ。


それまでの人生で、自分のアイデンティティを支えていた、「絵を描くことが好きで、得意」という行為が、プロとかその前段階の、人によっては美大とか、アシスタントとかに行ってみると、自分よりはるかに上手い人がいて、自分の武器だと思っていたものが、他人が持っているものが鋼の剣なのに、自分はひのきの棒でいい気になっていたのか、みたいな打ちのめされ方をする場合もありますよね。

あああ~…
それはありそうですね…。特にプロの現場(アシスタント)なんかは、
プロレベルの人揃いですから。生原稿とか別物過ぎて
ヒエッて感じですよね…。

私の場合は小学校~専門学校にいたるまで、もうずーっと私より
上手な人に囲まれてきたので、ショックを受けるというより
変なテンションになって「この人を目指そう!」ってなっていました(笑)

それで成長できたかは判らないのですが、ライバルが目の前にいる

学生時代って本当に貴重な時期だったなあと…


あああ話がズレるズレる…

いやいや、ズレてないですよ。

みなさん、経験があるお話だと思います。

大人になってしまうと、お互いがお互いの個性を認めて、あまりライバル視しなかったりもするんですけど、逆に自分と同じ方向性だったり、自分が目指している先にいる方だと「うおおおお、絶対に追いつく、そして負けない!」って思う気持ちが強くなった気もするんですよねw

人間、難しい。

そうなんですよ、「みんな違ってみんないい」を理解してしまって。

だからこそ自分の強みを伸ばさなくては生き残れないんですけども。

うおおおお―――――がんばらんば―――――!


とと、そろそろ〆のお時間ですね。

ガンバランバーーーーーーー!!


お時間まで気にしていただいて、ありがとうございます。

では、最後に今回の座談会の感想と告知などありましたら、お願いいたします。

今回はお呼びいただき本当にありがとうございました!
私のトークはポンコツでしたがかみんさんが上手くまとめてくれたので
多分なんとかなっていると思います!(丸投げ)

★告知★
現在「まんがタイム」で「レーカン!」(毎月7日発売)、
「まんがタウン」で「喪女が勇者と暮らしたら」(毎月5日発売)

連載中です。コンビニなどで見かけましたら是非!

いえいえ、楽しいお話ありがとうございました。

今回はありがとうございました。連載、頑張ってくださいね!

ありがとうございます! 未熟なりに頑張って行きたいと思います。

生き残りたい…!

最後に次回告知です。

第8回「かみんの部屋 漫画家座談会」は7月中旬ごろ開催予定です。


気になる次回のゲストは
またも未定です!


決まり次第、またツイッターなどで告知いたしますので、お待ちください。

それでは、今回はこの辺で。

ご覧になっていただいた皆様、質問を下さった皆様、長丁場にお付き合いいただき、ほんとうにありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。


森脇かみんでした。

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※コラボに参加するためにはログインが必要です。ログイン後にセリフを投稿できます。
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登場人物紹介

森脇かみん


漫画家。『東京ネームタンク』ネーム相談講師。


web、アプリ漫画「サイコミ」にて医療漫画「サブカルメディカル」でデビュー。連載終了後は企業案件漫画、読切り漫画など。

現在、Webサイト「Docter’s Gate」にて「沖縄の群星」連載中。


某医大医学部を中退し、漫画家になるため上京した過去を持つ。

医療知識があるので、その方面の質問に応えることもある程度可能。

日本シャーロック・ホームズ・クラブに所属する程度にミステリ好き。

TRPG、アナログゲーム厨でもある。

瀬田ヒナコ(せたひなこ)


漫画家・イラストレーター。

 芳文社「まんがタイム」にて「レーカン!」(~9巻)

 双葉社「まんがタウン」にて「喪女が勇者と暮らしたら」

                           連載中。


過去作

 少年画報社「芦屋さんの猫。」全4巻

 双葉社「ままごと少女と人造人間」全3巻

 角川書店「星宿姫伝」「斬月伝」「螺旋のプリンセス」挿絵

 ムービック オリジナルドラマCD 「マイカレ・ウラカレ」など


ラノベの挿絵に始まり、気付けば4コマ作家になっていたダサイタマの民。

専門学校卒業後、週刊アシスタントで5年間ほどのびのび暮らす。

趣味は鉱石集め、鉱石研磨、日本刀の手入れ、フィギュア改造。

子供の頃の愛読書はコロコロコミック。女子のプロフと思えない。


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