恵人の編4

文字数 326文字

 が、もっと驚いたのは、自分の身から気弱で幼い心がすっかり消えていた。
 代わりに、中年の、いや青年の心を手にしたような感覚を覚えた。少年の精神は、遠い昔に卒業したような気分だった。
 すると、若い男の声が耳に飛び込んできた。
「ご卒業、おめでとうございます。今日は成人祝いに、出血大サービスをさせていただきます」
 店のオーナーの仙人が証明のスイッチでも押したのか、いつのまにか青や赤、紫色の妖しげな淡い光が自分の体を照らし、蝶ネクタイをしたキャバクラのお兄さんのような青年が弾んだ声をかけていた。
 そして天女たちではなく、胸の谷間が半分ほど見えるセクシーなミニドレスを身に着けた5人の艶のある綺麗なお姉さんたちが、身を寄せるように取り囲んだ。

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